アッグシリーズ

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アッグシリーズは、アニメ『機動戦士ガンダム』において、未登場ではあったが設定上存在する架空の兵器（モビルスーツ・略称：MS）群。アッグ、アッグガイ、ジュアッグの3種を指す。本記事ではアッグシリーズと同様に扱われる事の多いゾゴックも合わせて取り扱う。ジャブロー攻略の為に造られ、同一チームでの運用が考慮されていた為、これら機体はジャブロー攻略用 特務MS（または単に特務MS）とも呼ばれる。

型式番号からいずれも水陸両用MSに分類されているが、その武装や運用方法から見ても純粋にジャブロー攻略の目的にのみ開発されたものであり、海域を始めとした水中での運用は基本的に考慮されていない。各機体に役割が分担されており、アッグにより進入路を切り開き、ジュアッグによる後方からの砲撃後、アッグガイ・ゾゴックによる白兵戦に持ち込むという運用が計画されていた。しかし、これらの機体が投入される前にジャブロー進入路を発見、攻略作戦が発動された。ジオン軍によるジャブロー攻略は失敗に終わった上、戦局が宇宙に移ったため、結果としてこれらの機体はジャブロー攻略には用いられなかったと云われる（攻略作戦は失敗したが機体自体は投入されたとも云われる、いずれにせよ目立った戦果を残してはいない）。

目次 1 アッグ 1.1 機体解説 1.2 劇中での活躍 2 アッグガイ 2.1 機体解説 2.2 劇中での活躍 3 ジュアッグ 3.1 機体解説 3.2 劇中での活躍 4 ゾゴック 4.1 機体解説 4.2 劇中での活躍 4.3 設定の変遷 5 ゲームでの活躍 6 関連項目

[編集] アッグ

アッグ (ACG) は、ジオン公国軍がジャブロー攻略のために開発した試作型MS。（型式番号：EMS-05）

[編集] 機体解説

南米の天然鍾乳洞を利用して固い岩盤に守られているジャブローを地下から掘削して侵攻する為に、胴部にレーザートーチ、両肩部にカッター、両腕部分にドリルを装備している。掘削の際には背面バックパックと脚部後ろのスラスターの大推力で掘削装備をホバーで浮上しながら飽くまで前面に力押しする形で運用されたとみられる。水中での運用は考慮されておらず、脚部のホバークラフトユニットを利用して水上を滑走する。他の3機種との共同戦線を考えれば、潜水用の装備の存在の可能性を指摘する意見も有るが、船舶に偽装して投入した可能性もある。しかし、切削後の土砂はどの様に処理するか等疑問点は多いが、ある程度は上部カッターで背後に掻き分けたようだ。但し、あくまでジャブロー侵攻の為だけに岩盤を破壊して掘削する機体であり、土砂の地面掘削には使用出来なかったとみられる。 基本的には作業用の機体であり戦闘用では無いが、ジャブロー戦後に前述の事情で掘削の必要が無くなった為、オプションとして頭部及び腕部（片腕あるいは両腕）に4連装ミサイルランチャーを装備したアッグ武装型に改修後、実戦に投入された模様である。

[編集] 劇中での活躍

『機動戦士ガンダム』を始めアニメ本編には登場していない（29～31話に登場する為に設定された）が、短編小説集『ガンダムNOVELS 閃光となった戦士たち』に収録されているエピソード「ジャブローの大地に」ではウィル・ラバン曹長が新たに搭乗する機体としてアッグが登場。そのあまりにも奇抜なフォルムにたじろぐが、メカニックにそそのかされてジャブロー攻略に臨む事になる。しかし、攻略戦から2日後に岩盤にドリルがつかえてオーバーヒートを起こし、頓挫したところを連邦軍に発見されている。

[編集] アッグガイ

アッグガイ (ACGUY) は、ジオン公国軍がジャブロー攻略を想定し開発した試作型MS。（型式番号：MSM-04N）

[編集] 機体解説

アッガイの試作案の内、最終案まで残ったものをジャブロー攻略用に再設計した機体。機体各所にシーリングがされているが、主に湿地での使用を目的としている。 昆虫の複眼の様にも見える巨大なモノアイが特徴であり、腕部に各2本のヒートロッド、巨大な頭部にはバルカン砲2門を装備する。格闘戦に特化した機体であり、碗部のヒートロッドのユニットはズゴックのアイアンネイルと換装出来た為、実戦投入に辺り腕部をアイアンネイルに換装した機体が一部存在した（ズゴックにもヒートロッドを装備可能であったが、こちらを実装した機体は未確認である）。

[編集] 劇中での活躍

『機動戦士ガンダム』本編には登場しなかった（29～31話に登場する為に設定された）が、『機動戦士ガンダムΖΖ』においてスタンパ・ハロイ所有のMSとして登場。ジュドー・アーシタ操るズゴックを背後からヒートロッドで絡めとるが、電撃を使わなかった（元々コレクションであった為、4本のロッドを起動するだけの出力が無かったのかもしれない）為、そのまま背後に回りこまれクローで破壊されている。

[編集] ジュアッグ

ジュアッグ (JUACG) は、ジオン公国軍がジャブロー攻略を想定し開発した試作型中距離支援用MS.（型式番号：MSM-04G）

[編集] 機体解説

アッグによって切り開いた侵攻ルートを通じて砲撃を行い、 アッグガイ、ゾゴックの支援を行うことを目的とする。アッガイの試作案を転用して開発され、装甲が強化された為重量が増加している。武装は両腕部の320mm 3連装ロケットランチャーのみ（胴体に4箇所ある開口部はどの様な役割をするかを明らかにする資料は存在しない、支援機という性質からメガ粒子砲説が近年有望視される）とされる為、水陸両用機でありながら、水中でも一応活動出来る程度に過ぎなかった様だ。 尚、通常兵器の携行や単独での格闘戦に対応すべく、右腕をゾゴックと同様のマニピュレーターに換装した機体が存在したという説もある。

[編集] 劇中での活躍

『機動戦士ガンダム』を始めアニメ本編には登場していない（29～31話に登場する為に設定された）が、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』のオープニングムービーにて登場している。

コミックボンボンに掲載されたストリームベース製作のジャブロー大ジオラマに、本機とアッグガイ、アッグ、ゾゴックが各1機ずつ参戦している（テレビで確認出来なかった機体は他にザクIが参戦している、ジャブロー攻略戦に参加していないという設定は後年作られたものである）。

[編集] ゾゴック

ゾゴック (ZOGOK) は、アッグシリーズと共に開発された試作型水陸両用MS。 （型式番号：MSM-08）

[編集] 機体解説

一年戦争時、当時の地球連邦軍総司令部ジャブローを攻略すべく製作されたアッグシリーズとの連携運用を想定して開発された。水陸両用機としては異例の高い陸戦性能を示したズゴックをベースに更に陸戦を重視して設計された。 格闘性能を重視され、頭部に10基、及び腹部にブーメラン状のワイドカッターと、伸縮式のロッドアームによるアームパンチを装備している。アームパンチはスクエアカットされた拳を敵機に高速で打ち付け、装甲を貫通する威力があったとされる。しかし、クロータイプのズゴックやアッガイなどと比べると水の抵抗による破壊力の低減等が問題になり、陸戦用としても水中戦用としても中途半端な機体になってしまった。また近年では腹部のワイドカッターはダクトであるという説もある。これは腹部のカッター射出機構が使い物にならかった為、その空きスペースに同規格のダクトのジェネレーターを搭載したものとも考えられる。 ゾゴックは地上用試験機であり、評価試験のほとんどはその陸戦性能に主眼を置かれている。水中航行も可能であったが、あくまで補助的なものであった。ゾゴックの性能そのものは決して高いものではなかったが、MIP社はここで得られたデータを元に、満を持して局地戦用機ガッシャの開発を進める事が出来たのである。

[編集] 劇中での活躍

『機動戦士ガンダム』本編には登場しなかった（29～31話に登場する為に設定された）。『機動戦士ガンダムΖΖ』において、スタンパ・ハロイ所有の機体として登場するが、ほんの数秒確認できるのみである。

[編集] 設定の変遷

ワイドカッターが腹部にもある設定は、1980年代後半期から記述しない書籍等が出てきた為か、その時期より後のプラモデルの改造作例やZEONOGRAPHYなどではカッターではなくダクトとして解釈されている。余談だが、設定では4本指だが、何故かプラモデルは5本指である（差別に対する配慮とも思えるが不明）。そしてMSVでジュアッグに装備されたとされるゾゴックの手首はまた何故か5本指である。

[編集] ゲームでの活躍

• ファミリーコンピュータ用ゲーム『SDガンダム-ガチャポン戦士』シリーズにおいて、障害物としてアッグガイが登場する。ランダムに移動し、弾を遮ってしまう。
• プレイステーション・セガサターン・ドリームキャスト用ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズにおいて、アッグシリーズのみでジャブロー制圧を試みる「ジャブロー潜入作戦」を実行する事が出来る。しかし、ゲーム中での性能が高いとは言えない上、シリーズ以外のMS・戦艦等は一切作戦に参加できない。更にアッグシリーズは索敵能力を有していない為、難度はとても高い。ジャブロー以外を全て制圧した上で、シナリオ進行度で攻略出来ないジャブローを早期に陥落させる程度のものである。
• ワンダースワン用ゲーム『Mobile suits GUMDAM MSVS』に4機体全てが登場。自機として他のMSと対戦する事が出来る。ジュアッグの右腕（アーム）、アッグガイの両腕（クロー）の換装も可能。しかしいずれも戦力としてあまり期待は出来ない。
• Wii用ゲーム『SDガンダム スカッドハンマーズ』において、アッグのみが登場。モビルアーマー級の大きさの中ボスとして登場している。ドリルを装備した敵の登場にアムロ・レイは「（ガンダムの武装をハンマーだけとした）親父と似たような人がジオン軍にもいるんだ」と呆れていた。また、マ・クベがランバ・ラルに与える機体としてアッグ武装型も登場する。マ・クベに騙されたランバ・ラルはこれがドムだと思っており、登場時のテロップも「ランバ・ラル専用ドム」となっている。

[編集] 関連項目

• モビルスーツバリエーション - アッグシリーズ、及びゾゴックが『機動戦士ガンダム』本編に未登場ながら設定として存在する理由については、こちらの記事を参照。
• 水陸両用モビルスーツ