宇宙世紀の軍需産業
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ここでは、ガンダムシリーズに登場する架空の軍需産業について説明するが、これらの設定は大きく二つに分類される。
一つは、劇中に兵器メーカーという概念が無かった第一作のTVシリーズの放映終了後、同人誌とそれを基にしたムックでの有志による「設定のお遊び」から発生し、ガンプラブームに合わせて既成事実化していった(当時は)非公式なもの、もう一つは「機動戦士Zガンダム」以降、アニメのスタッフにより明確に設定され、最初から劇中に登場するものである。
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[編集] ムック・設定本により創作された企業
リアルタイムで「機動戦士ガンダム」を見ていない若い世代にはあまり知られていないが、今日ガンダムシリーズの劇中、ゲーム、漫画などで使われている数々の専門用語・・・メガ粒子やエネルギーCAP、ミノフスキークラフトといったミノフスキー物理学に関する多くの設定や、AMBAC、オールレンジ攻撃などといったSF考証部分、そしてここに取り上げる兵器製造メーカーの存在は、河森正治や美樹本晴彦、後のガンダムシリーズに設定考証として参加する森田繁など、スタジオぬえメンバーの所属したサークル・SFセントラルアートによる同人誌『Gun Sight』によって、後日創作されたものである。これはしばらく後にみのり書房発行の雑誌「OUT」別冊『宇宙翔ける戦士たち GUNDAM CENTURY』(ガンダムセンチュリー)に発展、再編集され、さらに制作スタッフの異なるバンダイの『モビルスーツバリエーション』に(許可を得ることなく)取り入れられていき、最終的にはゲームやアニメの劇中に登場、ついにはサンライズの公式設定となっていったのである。
[編集] ジオニック社
ジオニック社 (ZIONIC) はアニメ『機動戦士ガンダム』に設定上存在する架空の企業。サイド3に本社を置きジオン公国の機械メーカーで、史上初めてモビルスーツという兵器を開発した会社。しかし、一年戦争終戦後はアナハイム・エレクトロニクス社に吸収合併されている。代表的な製品としてザク、グフ、ゲルググなどが挙げられるほか、戦車(砲塔の一部にツィメリットコーティング処理有り。名称不明)も製造していた。
長い間非公式設定であったが近年ゲーム「ギレンの野望」シリーズに登場、次いで「機動戦士ガンダム MS IGLOO」第3話の劇中にその名が登場し、アニメでも公式の存在となった。
[編集] ツィマッド社
ツィマッド社 (ZIMMAD) は、アニメ『機動戦士ガンダム』に設定上存在する架空の企業。ジオン公国のモビルスーツ開発、製造に携わる企業で、ジオニック社、MIP社と共に公国の重工業を支えた。モビルスーツの推進装置の開発を得意としていた。その中でもEMS-04ヅダに搭載された土星エンジンは有名。
[編集] 会社概要
初期のモビルスーツ開発競争では、ジオニック社、MIP社と競合していた。主力機としてEMS-04ヅダを提出したが、ジオニック社のザクI(旧ザク)に敗れる。ザクIが歴史上初の量産型モビルスーツとして開発されて以後は、同社とのOEM生産など協力姿勢を取り得意の推進装置分野で活躍した。その技術力を買われて、地上でのホバーリング移動のため強力な推進装置が必要だったドムの開発及び生産を一手に任されている。また水陸両用MSゴッグを開発し初の本格的水陸両用MSと評価されたが、MIP社がズゴックの開発に成功するとその高い性能から一気にシェアを奪われることとなる。次期宇宙戦用暫定主力機開発の折りにはジオニック社の高機動型ザクIIに対してドムの改良型リック・ドムを提出し、見事正式採用された。
一年戦争後期には、ジオン公国が次期汎用型主力モビルスーツの開発を決定。ジオニック社がゲルググを開発する一方で、ツィマッド社はギャンの開発に成功する。しかし、ジオン軍による査定の結果、ゲルググの方が汎用性が高いとの理由から、ツィマッド社のギャンは開発競争に敗れてしまう。
一年戦争終結後はジオン共和国の保有するモビルスーツの保守や改良などを請け負う。
[編集] 設定の変遷
ジオニック社同様、同人誌やムックが初出。長らく「ツィマッド」と表記されてきたが、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』を始めとして「ツィマット」(独語発音)あるいは「ズィーマッド」(英語発音)などと表記されるものも見られる。
ジオニック同様に非公式設定であったが、やはり「ギレンの野望」シリーズに登場、「機動戦士ガンダム MS IGLOO」第3話の劇中にモビルスーツ「ヅダ」のメ-カーとして登場し、アニメでも公式の存在となった。
[編集] MIP社
MIP社(エム・イー・ペーしゃ)はアニメ『機動戦士ガンダム』に設定上存在する架空の企業。 ジオン公国の兵器メーカーで、ジオニック社、ツィマッド社と共に公国の重工業を支えた。
新型機動兵器のトライアル用にMIP-X1を開発。これはAMBAC用のアームを持った、後のモビルアーマーの始祖といえる機体であったが、ザクの前身であるジオニック社の試作機に敗れ不採用となった。しかしMIP社はビーム兵器の開発に早くから取り組んでおり、これを搭載するモビルアーマーや水陸両用モビルスーツの開発・生産を行っている。また、他社のモビルスーツのライセンス生産を行っていたという説もある。 主な開発機は、ズゴック、アッザム、ザクレロ、ビグロ、ヴァル・ヴァロなど。
これも同人誌やムック「ガンダムセンチュリー」が初出であり、ジオニックやツィマッドに比べるとマイナーではあるが、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』にてモビルアーマー系列の軍需企業として登場する。また、「MS IGLOO」公式サイトでのビグ・ラングの設定には、ビグロがMIP社製であることが明記されているが、劇中に社名は登場していない。
[編集] スウィネン社
スウィネン社 (ZWINEMN) は、アニメ『機動戦士ガンダム』に設定上存在する?架空の企業。
[編集] 会社概要
ジオン公国にある土木工事用重機の専門メーカー。一年戦争中にアッガイを開発したこと以外は全く伝えられていない。
そもそも、ベース機がザクである点でアッガイはジオニック社によって開発されたとする説もあるため、この会社の存在には非常に疑問が持たれている。しかし、アナハイム・エレクトロニクス社が宇宙世紀0099年に発表した広報資料の中にはスウィネン社の会社ロゴと共に上記の記述が存在している。
[編集] 設定の変遷
このスウィネン社は元々、ウェブサイト「生まれてきてすいません」にて創作された、個人のオリジナル設定にすぎなかった。しかし、このウェブサイトが開設された時期がインターネット普及の初期であったことと、設定に説得力があったためか、インターネット上で多くの人に広まってしまった。ついにはサンライズが監修した、エンターブレイン発行の書籍『機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイムジャーナル』に登場し、公式設定となってしまったのである。インターネット上にて個人の手により作られた設定が公式設定となったのはこれが初であり、今後もおそらくは無いであろうと思われる。
ただし、このムックのタイトルに『公式設定集』とあるものの、サンライズでは映像化された段階で『公式』とする姿勢であるため、このルールに従うとスウィネンは未だ公式設定ではないことになる。また掲載されたこと自体が、これが個人による非公式設定である事実を認識していなかったものと思われるため、単なるミスとも考えられる。事実プラモデルMGアッガイの解説書など『アナハイムジャーナル』以後に発表された資料においては、スウィネン社の存在は一切語られていない。
[編集] ハービック社
ハービック社 (HERVIC) はアニメ『機動戦士ガンダム』に設定上存在する架空の企業。 地球連邦軍の航空機、特に高高度戦闘機の開発、受注を行っていた。しかしMSの登場によって受注が激減、経営難に陥っているところを宇宙世紀0082年6月アナハイム・エレクトロニクスに買収されAEハービックとなった。
主な製造機はセイバーフィッシュ、TINコッド、コア・ファイターなどである。一年戦争終結後、ガンダム開発計画で開発された、ガンダム試作1号機は、コア・ブロック・システムが搭載されているが、これは、この会社を買収したアナハイムが、この会社のノウハウを使ったものである。
このメーカーはMSV(モビルスーツバリエーション)が初出であり、今のところ映像作品には登場していない。
[編集] ヴィックウェリントン社
詳しくはヴィックウェリントン社を参照。
[編集] 放映当初から劇中に登場する企業
第二のTVシリーズである「機動戦士Zガンダム」では、当初から兵器メーカーであるアナハイム・エレクトロニクス社が登場、さらに後の「機動戦士ガンダム0083」をはじめ、劇中の各勢力に対して企業が及ぼす影響が描かれるようになった。
[編集] アナハイム・エレクトロニクス社
アナハイム・エレクトロニクス社を参照。
[編集] サナリィ
サナリィを参照。
[編集] ブッホ・コンツェルン
ブッホ・コンツェルンを参照。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 生まれてきてすいません - スウィネン社を創作した個人サイト
- 『機動戦士ガンダム公式百科事典』オフィシャルサイト - 設定遊びから始まった、ガンダム専門用語に関する関係者の思い出と見解
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