ガンダムエピオン
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ガンダムエピオン(Gundam Epyon)は、テレビアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する架空の兵器(モビルスーツ、略称MS)。(型式番号:OZ-13MS)本項では兄弟機であるガンダムアクエリアスの概要も記述する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ガンダムエピオン
ガンダムエピオン | |
型式番号 | OZ-13MS |
所属 | OZ→ホワイトファング |
建造者 | トレーズ・クシュリナーダ |
生産形態 | ワンオフ機 |
全高 | 17.4m |
重量 | 8.5t |
装甲 | ガンダニュウム合金 |
武装 | ビームソード ヒートロッド エピオンクロー×2 シールド |
アビリティレベル | ファイティングアビリティ:レベル160 ウエポンズアビリティ:レベル140 スピードアビリティ:レベル160 パワーアビリティ:レベル150 アーマードアビリティ:レベル140 ※リーオーをオールレベル100として換算 |
主な搭乗者 | ミリアルド・ピースクラフト ヒイロ・ユイ |
[編集] 機体解説
トレーズ・クシュリナーダが、地球に降下した5機のガンダムやトールギスのデータを参考に、極秘に開発させたMS。「エピオン」とはギリシア語で「次の」を意味する。
機体性能はアフターコロニー(A.C.)歴において最強のMSとされるウイングガンダムゼロにも拮抗し、アビリティレベルの総合値では若干ではあるがゼロを上回っている。また変形パターンは異なるが、ゼロ同様高速巡航形態への可変機能を備えている。
武装はトレーズの騎士道精神を色濃く反映しており、左腕シールドより伸びるヒートロッド、両腕のエピオンクロー、そしてジェネレーター直結式のビームソードと言った白兵戦用装備のみで、近代文明が生み出した大量殺戮兵器の端緒である銃器類を一切持たない。[1]言うならば「近代文明を用いて生み出された究極の前近代的兵器」、それが本機の本質と言える。[2]その思想は一見、兵器としての実用性を欠いたものとも言えるが、実戦ではガンダムデスサイズヘル、ガンダムサンドロック改を同時に相手し、なおも互角以上に戦う等接近戦では屈指の性能を誇る。
コクピット内装はモニタリング用のディスプレイが他の機体に比べ少なく、代わりに機体センサーと直接リンクされた専用のデータヘルメットを使用する。
また、本機はウイングゼロ同様ゼロシステムが採用されており[3])、搭乗者にはシステムの支配を跳ね除けるだけの強い精神力が要求される。
トレーズは「敵」を見失うヒイロ・ユイに道標としてこの機体を託すが、「この機体に乗って勝者になってはならない」と忠告する。それはつまり確固たる意思が無ければ、システムに翻弄され無意味な勝利しかもたらされないという事に他ならない。正にトレーズ独特の美学が凝縮されたガンダムと言える。しかしヒイロには彼の哲学が理解し難かった為、後にウイングゼロに搭乗していたゼクス・マーキスと互いの機体を交換している。
[編集] モビルアーマー形態
高速移動用の巡航形態。変形方式は同じ可変機であるウイングゼロ、ウイングガンダムと異なり、両脚部を背部に折り畳み爪先を進行方向に移動、両肘は90°に曲げエピオンクローを展開、シールドを尻部にマウントし変形を完了する。また、同時に内部機構の配置を再構成する事でエネルギー効率を向上させ、長距離の巡航を可能としている。変形後の足首部はサソリや竜の頭の様でもあり、主翼のエピオンウイングや尻尾の様に伸びたヒートロッドを合わせた全体のフォルムは、双頭のワイバーン(飛竜)を連想させる。[4]
[編集] 武装
- ビームソード
- 主武装の大型ビーム剣。パワー供給は通常のビームサーベルに採用されたマニピュレータ経由方式ではなく、グリップエンドと右腰エネルギーサプライヤーに接続されたケーブルを介し、本体ジェネレータから直接供給される。その為より大容量かつ効率的な供給が可能となり、長大なビーム刃の形成が可能となった。その刀身のサイズから、「サーベル」ではなく「ソード」と呼称される。バルジ攻防戦においては、宇宙要塞バルジの中央司令部を一刀の元に破壊、要塞崩壊の引き金となった。
- ヒートロッド
- 楔状の刃を連ねた鞭状の装備。通常の打撃攻撃の他、ブレードを赤熱化させる事で敵の装甲を溶断する。リーオークラスの機体なら一撃で3機を破壊する程の威力を持つ。その独特の軌道故に動きを読まれにくい利点があるが、使いこなすには相応の技量が求められる。
- エピオンクロー
- 両腕のガンダニュウム製対装甲クロー。MA時の着陸脚としても使用される。
- シールド
- ヒートロッドのアンカーを兼ねる対ビームコーティングシールド。接近戦での取り回しを重視し、小型軽量にまとめられている。
[編集] 劇中での活躍
ルクセンブルグの古城にある地下施設に隠されていたエピオンは、ヒイロに再び戦う意義を見出させる為に、トレーズによって託される。トレーズは、エピオンで戦った結果選択すべき未来がなければ共にこの世に別れを告げようと提案したが、ゼロシステムに翻弄されルクセンブルク基地で交戦中だったOZのロームフェラ派・トレーズ派双方のMS、モビルドール(MD)を見境無く破壊してしまったヒイロは、自分にはその資格はないと申し出を拒否する。ヒイロはこの機体でサンクキングダム防衛戦に参加したが、王国を守り切る事は出来ず、崩壊したサンクキングダムの沿岸でゼクスのウイングゼロと交戦した後、ゼクスとお互いの機体を交換する。
その後エピオンは、ゼクスがホワイトファングの司令官になると共にその象徴となり、バルジ攻防戦や、ピースミリオンのガンダムチーム、トレーズ率いる地球軍と戦う。最終決戦では全世界が見守る中ヒイロのウイングゼロと交戦。結果的にゼクスは敗れ、地球へ落下を始めたリーブラのエンジンブロックにビームソードを突き立て、機体と共に共に爆炎に飲み込まれる。その時に大破したのか、もうこの機体は必要無いと後にゼクスが自ら破棄したのかは不明だが、その後のエピオンの消息は不明である。[5]
[編集] ガンダムアクエリアス
ガンダムアクエリアス(Gundam Aquarius)は、ゲーム「SDガンダム GジェネレーションF」に登場し、「新機動戦記ガンダムW」に設定上存在する機体。(型式番号:OZ-14MS)アクエリアスとはみずがめ座の意。
ガンダムアクエリアス | |
型式番号 | OZ-14MS |
生産形態 | ワンオフ機 |
全高 | 不明 |
本体重量 | 不明 |
装甲 | ガンダニュウム合金 |
武装 | ドーバー・ガン 105mmマシンガン ヒートロッド シールド アンチモビルドールシステム |
[編集] 機体解説
OZが開発した対MD用試作MS。型式番号からも分かる様にエピオンの兄弟機と呼べるMSである。
本機は対MD用の電子戦装備アンチMDシステムを搭載している。これは本機から半径100km以内に存在する全てのMDにコンピュータウイルスを送信し、機能障害に陥れると言うものである。戦術はアクエリアスがアンチMDシステムでMDを行動不能に陥れ、エピオンがその間に有人の指揮機を撃破すると言う戦法が考案されていた。
だが、ジェネレーターの多くをアンチMDシステムに費やしているため、本機はビーム兵器を一切装備していない。またシステム自体も大型な為、運動性も高いとは言えないが、大気圏内での飛行を可能にする程の大出力スラスターを装備しているので、エピオンに追従出来るだけの機動性は備えている。
この機体はトレーズ・クシュリナーダがOZ総帥の地位を追われた後、彼の支持者によって開発された機体であるが、実戦には一度も参加していない。一説によると、デルマイユ派によって開発者ごと闇に葬られたとも言われている。
[編集] 脚注
- ^ TVシリーズ最終話でバルカンを使用しているとの意見もあるが断定するには疑わしい描写であり、尚且つ作風から見ても考えにくい。また、格闘ゲーム(SFC用ソフト)にて本機が球状のエネルギー体を発射する必殺技が存在するが、開発者の独断と理解不足によるものだと思われる。
- ^ ある意味、A.C.暦のガンダムに見られる特定の性能に特化し汎用性を欠いているという傾向を最も体現している機体とも言える。
- ^ 「エピオンシステム」と呼称する資料も多く存在するが、劇中本機に搭乗したヒイロの台詞から判断するに、機能的な差異はほとんど無いと思われる。また、初起動時にモニターにSYSTEM-EPYONと表記されているが関係は不明
- ^ 尚、変形後の名称はプラモデルのインスト等では「モビルアーマー形態」と呼ばれるが、資料によってはウイングゼロ、ウイングガンダム同様「バード形態」の呼称も用いられている。また、脚部を背後に折り畳む変形パターンは『機動戦士Zガンダム』のハンブラビに類似し、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のバビにも同様の方式が採用されている。
- ^ 漫画版ではヒイロに敗れた後、ゼクスはヒイロ達に協力して6機のガンダムのエネルギーをツインバスターライフルで放ち、リーブラを破壊している為、この機体も残されている可能性が高い。
[編集] 関連項目
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