クロスボーン・ガンダム
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クロスボーン・ガンダムとは、漫画「機動戦士クロスボーン・ガンダム」に登場した架空の兵器(モビルスーツ)の名前である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] クロスボーン・ガンダムX1
クロスボーン・ガンダムX1はクロスボーン・ガンダムシリーズ1番機で、型式番号は「XM-X1」となっているが、開発がサナリィであることを偽装するために付けられた番号であり、正しい形式名は「F97」である。これは他のクロスボーン・ガンダムシリーズも同じ。パイロットはキンケドゥ・ナウ(シーブック・アノー)。
[編集] 機体概要
クロスボーン・ガンダムX1 | |
型式番号 | XM-X1 (上記は偽装されたもの。本来の型式番号はF97) |
所属 | クロスボーン・バンガード |
建造 | 海軍戦略研究所 (SNRI) |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 15.9m |
本体重量 | 9.5t |
全備重量 | 24.8t |
ジェネレーター出力 | 5,280kw |
スラスター総推力 | 25,000kg×4 (最大30,000kg×4) |
装甲材質 | ガンダリウム合金ハイセラミック複合材 |
武装 (X1) | バルカン砲×2 ビームサーベル×2 (ビームガン×2) ヒートダガー×2 シザーアンカー×2 ザンバスター(ビームザンバーとバスターガンに分離可能 ・グレネードランチャーの発射も可能) ブランドマーカー兼ビームシールド×2 |
主な搭乗者 | キンケドゥ・ナウ(X1、X1改) トビア・アロナクス(X1改・改、X1パッチワーク) |
本機は木星圏での運用を念頭に置いた開発がなされている。事実上地球圏ではじめて開発された外惑星用の機体と言ってもよいだろう。そのため大出力の推進器が必要となったが、従来の機体各部に姿勢制御用のバーニアを配置する設計思想では機体の大型化を招くため、背部に大型の可動式スラスターを配置して必要に応じて推進する方向を変更することで姿勢制御をする設計が採用された(もっとも、デザイナーのカトキハジメ本人も認めているように、これが海賊旗などに見られる交差した骨をイメージしたデザインであることは明白である)。この可動スラスターは、元々はブッホの技術である「シェルフ・ノズル」や「フィン・ノズル」を発展させたものであり、このことからF97の開発において、サナリィとブッホとの間で技術交流があった事を示していると言える。また、頭部の骸骨も開発元を隠すための偽装であり、実戦テストのため、X2と共に秘密裏に新生クロスボーン・バンガードに供与された。
また、ガンダムF91では採用されなかったコアブロック・システムを採用している。しかし、RX-78-2 ガンダムやΖΖガンダムなどに見られる機体が3つのパーツに分かれるというものではなく、クラスターガンダム(F90IIIY)で採用された、背面からのドッキング方式を採用している。 前述の可動式スラスターは、ガンダムのメインスラスターであると同時にコア・ファイターのスラスターも兼ねる構造となっているため、コアファイター自体の運動性もかなり高い。また地球上での飛行はギャプランと同じ様にスラスターの推力だけで無理やりに飛行する形式を取る。
[編集] 武装解説
本機の武装は以下の通り。
- ザンバスター×1(バスターガン×1、ビームザンバー×1)
- ビームピストル・バスターガン、粒子加速式ビームサーベル・ビームザンバーの2種類の武器に分離する特殊武器。
- 結合時はビームライフルとして機能する他、先込め単発式のグレネードランチャーとしての機能も持ち、通常弾の他小型核弾頭の射出も可能。
- 通常、腰部両側面のウェポンマウントに分離状態で装備されている(右側にバスターガン、左側にビームザンバー)
- 名前の由来は「斬馬刀」からと思われる。
- ビームサーベル(ビームガン)×2
- コアファイターの機首部ビームガンを、そのままビームサーベルとして使用している。
- 本機の手に持たせる事でビームサーベルとして機能するが、装備状態のままビームガンとして使用する事も可能である。劇中ではビームとビームバルカンの撃ち分けをしている。
- 左右肩部(コクピット上部両側面)に各一基ずつ、合計二基が装備されている。
- ブランド・マーカー(ビームシールド)×2
- 4本のスリットから発振されるビームで四角錐状のビーム刃を形成するビーム発振器。
- 通常、ビーム発振部を拳の前に回し、メリケンサックのように敵をそのまま殴りつける攻撃方法が採られるが、発振部を定位置に固定したまま、裏拳のような攻撃を行う事もできる。
- また、ビームの展開方法を変更する事で、ビームシールドとしても使用できる。
- 両腕前腕上部上面に各一基ずつ、合計二基が装備されている。
- シザー・アンカー×2
- 左右腰部前面のアーマーがそれぞれ変形し、敵を捕獲・拘束するシザース(ハサミ)となる。
- また、基部にはチェーン及びウィンチが装備されており、シザースを射出する事で離れた場所の敵に対しても使用可能。
- ヒートダガー×2
- スラスターの余熱で、刃を白熱化させた小型の実体剣。
- 両脚内部に各一本ずつ、合計二本が装備されている。
- 使用時は人間で言うところのふくらはぎの部分から取り出すが、緊急時には足の裏から高速で射出する事もできる。
- バルカン砲×2
- 両側頭部に各一門ずつ、合計二門が装備されている。
- ABCマント
- 特殊防御兵装として、対ビーム用のリアクティブ・アーマーとして開発された耐ビームコーティングマント(通称ABCマント=Anti Beam Coating Mantle)で、ビームに対する平均対弾数は5発、ヴェスバーのビームに対しては1発の対弾性能を持つ。
- ABCマントを装備時にはX字スラスターはマントの中に折りたたまれた状態で収納されている。
X1~X3もガンダムF91同様にフェイスカバーを解放した強制排熱が行われる。これは本機が接近戦に特化したMSの中でも、殴る蹴るといったインファイトを重視した仕様の為に、機体の運動量が他機に比べて圧倒的に多い。しかし被弾係数を少しでも下げる為か胸部排熱ダクトの面積が抑えられている。その為にF91はおろか通常機に比べても機体温度が上昇しやすい為(これは本機の特殊性故胸部装甲を厚めに設定している事も一因)、一度の戦闘において頻繁に行われる。従ってF91の様な最大出力稼動時のみ行われるわけではない。また質量を持った残像が残る、いわゆるMEPEと呼ばれる現象を引き起こすかどうかは確認されていない。作中では連邦軍のF91パイロット、ハリソン大尉と対決している時にこの強制排熱が起き、何体ものX1が描かれているが、ハリソンの台詞などにも残像については触れられていないので、これはMEPEではなく単なる高速移動の漫画的表現と見るべきであろう。恐らくは、ハリソン機同様に最大出力稼働時の排熱能力の強化とバイオコンピューターの改良によって、MEPEを起こさなくなったものだと考えられる。よって、バイオコンピューター自体はクロスボーン・ガンダムに搭載されている可能性は充分にある。
[編集] 劇中の活躍
本機は新生クロスボーン・バンガードの主力として運用され、シーブック改めキンケドゥをパイロットに木星帝国との戦いに投入される。
死の旋風隊との戦闘の後改修され、木星帝国側に寝返ったザビーネ・シャルのクロスボーン・ガンダムX2と交戦。本機はコクピットブロックを貫かれ、大気圏へと落下する。
しかし、奇跡的に復活し、地球圏での木星帝国との最終決戦に投入される(大気圏突入の際、ブランド・マーカー(ビームシールド)を用いて大気圏に突入し、史上初めてビームシールドによる大気圏の突入を果たしたMSとなった)。戦後はトビアとベルナデットに渡され、コロニー間に争いが起きたり、合法的手段で解決できない問題が発生した際に姿を見せて戦う。その姿から「スカルハート」という通称で呼ばれ、コロニー市民や連邦軍に知られることとなる。
[編集] バリエーション
[編集] クロスボーン・ガンダムX1改
シザー・アンカーの代わりにスクリュー・ウェッブを2本装備する。
これはドリル状の先端を高速回転させる事で貫通能力を高めた鞭であり、死の旋風隊所属のモビルスーツ、クァバーゼの武器、スネークハンドに対抗するため、マザー・バンガードの技師長によって考案・作成された。接近戦における武器のリーチが足りないなら、よりリーチが長い武器を装備すればいいという発想である。 後腰部の左右のアーマーにグリップが格納され鞭の部分を引き出して使用する。なお、鞭の収納にはシザーアンカーの鎖を収納していたスペースを用いているためシザーアンカーは使用できなくなっている。
[編集] クロスボーン・ガンダムX1改・改(スカルハート)
木星戦役後、シーブックからトビアへ譲り渡されたX1。胸部のクロスボーン・バンガードの紋章は消され、X3と同様のドクロのレリーフが付けられた(ガトリング砲は装備されていない)。更に前腰部右アーマーにシザー・アンカーを、後腰部左側にスクリュー・ウェッブを装備した(要するにX1とX1・改の中間になった)。また、「最終兵士」では、ピーコックスマッシャーと呼ばれる9方向への発射が可能なビーム砲を装備した。なお、この武装は何発か撃つと完全にエネルギー切れになり、パーツごと交換する必要がある。
スカルハートというのは胸にドクロのレリーフをつけたガンダムを見た民間人が誰ともなしに呼んだ通称。合法的手段では解決できない問題がコロニー間に発生した際、どこからともなく現れ戦う。普段は上半身に外装をかぶせて、ブラッククロー運送所属の作業用MSに偽装されている。
[編集] クロスボーン・ガンダムX1パッチワーク
月面での対コルニグス戦で中破したスカルハートをX3の予備パーツで修理・改修した機体。破壊された両腕部と胸部をX3の物に交換しており、ビームシールド及びブランドマーカーは使用できなくなった代わりにIフィールドが使用可能になり、胸部のガトリング砲も使えるため戦力的には向上している。カラーリングと頭部を除けばほぼX3といっても過言ではない。なお機体名のパッチワークは「つぎはぎだから」という事らしい。 また、新たな武装として地球連邦のMSが装備しているアンカーシールドをハリソンから拝借する形で貰い、パッチワークの左腕に装備している。
- アンカーシールド
- 釣り針の様なフックがワイヤーに繋がり伸縮自在に伸ばせることが出来る。そして、盾の役割も出来るために実態弾を弾くことも可能である。しかし、劇中では小さめに描かれているために機体を覆う面積が小さく盾の機能を充分に活かせそうではない。腕部Iフィールド発生器のカバーの上に装着されるが、カバーの開閉を妨げることは無くIフィールドは問題なく使用できる。(ただしGFF版では不可)
[編集] クロスボーン・ガンダムX1フルクロス
Crossbone gundam X1 full clothとはフルクロス(Full Cloth)と呼ばれる強化パーツを装着した形態で、第11話より登場する。X1パッチワークのカラーリングをX1本来のものに戻しているが、腕部はフリントの物を流用している(フリントの腕部は元々X1・X2と同一である)。そのため、腕部Iフィールドジェネレータはこちらには装備されていない。また、ありったけの予備パーツを全てこの機体に注ぎ込んだため、この機体が最後のクロスボーン・ガンダムとなった。
フルクロスは、ABC(アンチ・ビーム・コーティング)マントを積層化し特殊加工を施したパーツとⅠフィールドジェネレータ内蔵のショルダーアーマー・スカルヘッドユニットで構成され、対ビーム防御の向上を目的としている。
ABCマントはその特殊性とコストを理由にサナリィからの供給が絶たれていた為、残存した切れ端等を掻き集めた物を利用している。積層化した事と機能を分散させた構造によって耐弾性は向上した。スカルヘッドユニットは、クロスボーン・ガンダムX3用の部品を流用したIフィールドジェネレーターを左右2基づつ内蔵し広範囲のビーム防御が可能になった。また近接戦闘用ナックルガードとしての機能も持っており、その際にはボクシング用グローブの様な形態で使用する。
本ユニットは胴体と肩部アーマーに取付ける形で装着する。腕部の武器の使用や背面のメインスラスターに支障がないように可動軸や装着方法がとられている。
商品は完成品GUNDAM FIX FIGURATIONとプラモデルマスターグレードが発売されている。GUNDAM FIX FIGURATIONではクロスボーン・ガンダムX3のコンバージョンとしてX1改・改とフル・クロスへの換装が可能なパーツが付属しマスターグレードでは漫画版をイメージした頭部が付属している。
なお武装等については両商品共に共通でクロスボーン・ガンダムX1改・改(スカルハート)の武器であるピーコックスマッシャー・クロスボーン・ガンダムX3の武器であるムラマサブラスター・ビーム・シールド用クリアパーツが付属している。
[編集] クロスボーン・ガンダムX1フルアーマー
非公式ではあるが、漫画執筆者である長谷川裕一の設定したX1フルアーマーバージョンも存在する。X1改・改のフルアーマー化で、左右の肩にジェネレーター付きアーマーを装備し、右手にジェネレーターと直結したサーベル兼ビーム砲のムラマサ・ハイバスターを持ち、左肩には肩から左腕全体をカバーするパイルバンカーを装着、膝にも同様の近接武器を装備、さらに頭部と胸に増設バルカン砲を装備し、フロントアーマーにはIフィールド発生装置を、そして後部アーマーにプロペラントタンクを装着している。本来は装着したパーツを使い切ったものから次々と切り離し、本体を破損・消耗させないまま敵陣に突入させるというプランに基き製作されている。サナリィの正規品ではなく、メカニックに転向したウモン・サモンを中心とするメカニック達がでっち上げた寄せ集め品だと思われる。このバージョンは、同人誌『長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦・大外伝3』に登場する。 また、月間ホビージャパン別冊『GUNDAM WEAPONS』にてマスターグレードクロスボーン・ガンダムX1Ver.Kaを改修して造られた物が掲載されている。
[編集] クロスボーン・ガンダムX2
本機の型式番号はXM-X2となる。前述の通り、この型式番号は偽装である。正しい番号はX1の項を参照。パイロットはザビーネ・シャル。
[編集] 機体概要
クロスボーン・ガンダムX2 | |
型式番号 | XM-X2 (上記は偽装されたもの。本来の型式番号はF97) |
所属 | クロスボーン・バンガード |
建造 | 海軍戦略研究所 (SNRI) |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 15.9m |
本体重量 | 9.5t |
全備重量 | 24.8t |
ジェネレーター出力 | 5,280kw |
スラスター総推力 | 25,000kg×4 (最大30,000kg×4) |
装甲材質 | ガンダリウム合金ハイセラミック複合材 |
武装 (X1) | バルカン砲×2 ビームサーベル×2 (ビームガン×2) ヒートダガー×2 シザーアンカー×2 ザンバスター(ビームザンバーとバスターガンに分離可能 ・グレネードランチャーの発射も可能) ブランドマーカー兼ビームシールド×2 ショットランサー バスターランチャー |
主な搭乗者 | ザビーネ・シャル(X2、X2改) |
基本性能はX1と全く同一である。違いは機体色がかつての「黒の部隊」同様黒であることとメインの武装がショットランサー、バスターランチャーとなっていること、頭部の仕様が若干異なり、ブレードアンテナの形状とフェイスマスクの形状が変更されていることである。 バスターランチャーに関してはバスターランチャーという名称以外は詳細が語られてはいないのだが、デザイン等からガンダムF90IIロングレンジタイプ用の武装であるロングレンジライフル(実弾とビームを選択して使用可能)と同一のものである可能性が極めて高い。
[編集] 劇中の活躍
本機はX1同様新生クロスボーン・バンガードの主力として活躍していたが、パイロットのザビーネはベラ・ロナを女王としたコスモ貴族主義の復活を目論んでいたが、彼女に全くその気が無く、木星帝国打倒の為だけにクロスボーン・バンガードの名前とコスモ貴族主義を利用していた事に絶望し、機体共々木星帝国へ寝返り、以降木星帝国によって運用されている。
その後、木星帝国からトビアが脱出する際この機体のコア・ファイターを奪取していった為、本機に残されたデータを元に再現されたものの、未知の機体に苦心した事とサナリィとの技術力の差もあり、完全な再現は不可能だったらしく形状が多少異なっている。(主にスラスターが大型化しているが、性能は元の機体と同程度、と思っていい。)また、コア・ファイターによる脱出機能は失われてしまっている。X1・改を激闘の末、一瞬の隙を突き大気圏に叩き落とすなどの戦果を上げるが、最終決戦で奇跡の復活を遂げたX1・改とキンケドゥの前に完全に破壊される。 余談であるが、本機のデータを元に、クァバーゼ・アビジョ・トトゥガの能力を統合したものがアマクサだと思われる。
[編集] バリエーション
[編集] クロスボーン・ガンダムX2改
形式番号XM-X2exであるクロスボーン・ガンダムX2改は、ジュピトリス9に捕らえられたトビアが、X2のコアファイターで脱出した為、コアファイターを失ったX2の本体に残されたデータと、外部から推測された戦闘データを基に、木星帝国の技術で欠落した部分を補い復元させた機体。だが、サナリィに比べ技術力が劣る為、背部スラスターも大型化し(推進力は変わらない)、コアブロックシステムも再現出来ず、脱出は不可能となっている。上記の様にパワーアップ出来ず性能は元のX2とほぼ同程度と思われ、コアブロックシステムも失われていることから改とはなっているがどちらかというと改悪である。
このとき木星帝国側に渡ったクロスボーンガンダムのデータは、後にアマクサや量産型クァバーゼの開発などに援用されることとなる。
そして洗練された技術はコルニグスに応用される。
武装としてはバスターランチャーに似たような木星帝国版バスターランチャーが装備されている。
なお、X2が木星帝国に持ち込まれた際はABCマントを装備していたのだが、以後X2(改)がABCマントを装備する事はなかった。おそらくABCマントも研究に回されたものと考えられるが、コピーが作れなかったのかもしれない。SDガンダム GGENERATIONシリーズではX2とX2改の違いはコアファイターとABCマントの有無である(X2改の方がごく僅か攻撃力が高いが)。ただし、第2次スーパーロボット大戦αでは基本性能も上昇している(第2次αではクスハシナリオを除いて(アラドシナリオでは必ず)本体も奪還されているので1から作り直されたためと思われる。また、敵として出す際のバランスの問題とも考えられる)
[編集] クロスボーン・ガンダムX3
本機の型式番号はXM-X3である。パイロットは主人公トビア・アロナクス。
[編集] 機体概要
クロスボーン・ガンダムX3 | |
型式番号 | XM-X3 (上記は偽装されたもの。本来の型式番号はF97) |
所属 | クロスボーン・バンガード |
建造 | 海軍戦略研究所 (SNRI) |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 15.9m |
本体重量 | 9.5t |
全備重量 | 24.8t |
ジェネレーター出力 | 5,280kw |
スラスター総推力 | 25,000kg×4 (最大30,000kg×4) |
装甲材質 | ガンダリウム合金ハイセラミック複合材 |
武装 (X1) | バルカン砲×2 ビームサーベル×2 (ビームガン×2) ヒートダガー×2 シザーアンカー×2 ザンバスター(ビームザンバーとバスターガンに分離可能 ・グレネードランチャーの発射も可能) 小型Iフィールド×2 ムラマサブラスター オプション型ブランドマーカー兼ビームシールド |
主な搭乗者 | トビア・アロナクス |
本機はX1、X2と比較して、構造的な違いはほとんどないが、武装面でいくつかの新技術が取り入れられており、実験機的な意味合いが色濃くなっている。
[編集] 武装解説
X1、X2との主な相違は以下の通り。
- 胸部前面装甲の強化
- 胸部前面にガトリング砲二門を追加装備
- 専用特殊武装「ムラマサ・ブラスター」を追加装備
- ムラマサ・ブラスター
- 剣状の本体の外縁部に沿って、小型ビームサーベルを合計14基並べた上、本体内部にビームガンを仕込んだ、接近戦・射撃戦の双方に対応したマルチウェポン(ただし、本編では射撃に使用していない)。
- 特にビームサーベルとして使用した際の破壊力は絶大で、ビームシールドでの防御は不可能である(X3のIフィールドならば防御可能)。
- また、外縁部ビームサーベルの発振を止め、ビームガンの砲口よりビーム発振をする事で、ロングビームサーベルとして使用する事もできる。
- 第2次スーパーロボット大戦αではロングビームサーベルと外縁部の14基のビームサーベルからなる木の葉状の刃を持つ巨大なビームサーベルの画像が出てくる(原作ではロングビームサーベルと14基のビームサーベルの同時展開は行っていない)。
- 腰部右側面のウェポンマウントに装着されている。
- トビアがX3を強奪した時に置いてあったのを掴んで戦場へ持ってきたものだが、当初はセーフティが解除されていなかったため、ビームが発振せず、そのままの状態で敵に叩きつけていた(SDガンダム GGENERATIONシリーズではビームを発振していない状態では「ムラマサ・ブラスター」、発振した状態を「B・ムラマサ・ブラスター」としている)。名前の由来は「妖刀村正」だろう。
- クラスターガンダムのメガビームバズーカの発展型武器である。
- 腕部Iフィールド発生器
- 左右前腕部に防御兵装としてIフィールド発生器を装備
- フィールドは手の平から発生されるため、ビームサーベルの白羽取りすら可能だった。
- 一基につき、Iフィールドを105秒の間継続して展開可能だが、その後は発生器の冷却のため、120秒間使用不能となる。
- 左右二基合わせて、計210秒間はビーム攻撃に対して完全に無敵となり得るが、展開可能時間と冷却時間に差があるため、結果として冷却終了までの15秒間(120秒-105秒=15秒)は、完全に無防備になると言う弱点が生まれてしまった。パイロットのトビアはこの事に関して「実験機だからって無責任なものを!」と発言している。
- オプション型ブランド・マーカー
- ブランド・マーカー(=ビームシールド)の撤去
- Iフィールド発生器の装備に伴い、ブランド・マーカー(=ビームシールド)は本機の基本装備から外された。
- その結果本機は、X1、X2と比較して格闘攻撃力及び実体弾に対する防御能力が低下してしまっている。
- オプションとしてのブランド・マーカー増設は可能であるが、増設用パーツとIフィールド発生器を内蔵した前腕部上面カバーとが互いに干渉し、カバーの開口が妨げられるため、再装備を施した側の腕のIフィールド発生器は稼動不可能になるものと思われる(ビームシールドとIフィールドを同時使用した描写が本編にないため、詳細確認できず)。なお、原作ではブランド・マーカーとしての使用は行っていない。
ムラマサ・ブラスター、Iフィールドと言う最強の攻撃・防御能力を併せ持った本機は、まさしく同時代最強のモビルスーツと言っても過言ではない。
しかし、Iフィールド発生器にしろ、14基ものビームサーベルを一度に稼働させるムラマサ・ブラスターにしろ、エネルギー消費が激しい武装の並列装備は、本機の稼動時間の短縮をも招く事となった。
結果、本機はかつてのΖΖガンダムと同じく、長期戦には向かない短期決戦型の機体となってしまった(ただし、作中はそうした描写は描かれていない)。
[編集] 劇中の活躍
本機は劇中中盤新しく補充された機体で、前述の通り扱いが難しいためキンケドゥなどエースパイロットの搭乗を前提にしていたと思われる。しかし受け渡しの際成り行きからトビアが乗り込むこととなってしまい、そのまま出撃、エレゴレラとの戦闘で小破した。
成り行きで実力不相応の機体を駆る事になったトビアだが、それが却って彼のニュータイプ能力の成長を促進する事となり、地球上では「死の旋風隊」の襲撃を受けるも2機を撃破、木星帝国との最終決戦でもカラスのノーティラスやドゥガチの最終MAディビニダドを撃破するなどの活躍をしている。
ドゥガチとの決戦の際は両手のIフィールドを最大出力で展開。大型メガ粒子砲を押さえ込んだまま、トビアはコア・ファイターで脱出し、本機は失われている。 また、X3用の予備パーツはサナリィに残存していた為に後にX1改・改の修理用パーツとして利用されている。
[編集] クロスボーン・ガンダムX4
本機の型式番号はXM-X4である。公式でのパイロットは不明だが、非公式ながらも、コミックボンボンの読者の命名では、「アイアトム」と言う名前である。
[編集] 備考
コミックボンボン2002年1月号にて、ガンプラの改造コーナーで、SDのガンプラのX1を改造したX4の写真が掲載されている。この時に同時に掲載されたパイロット名が「アイアトム」である。
設定のみ存在する機体で、武装など詳しい点は不明。長谷川裕一は自書の同人誌にて、このX4を出すか、X1のフルアーマーを出すか考えたそうだが、最終的にはX1のフルアーマーを作中に登場させている。 (『長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦 大外伝3』より)
[編集] フリント
型式番号はXM-10(クロスボーン・バンガード)、またはF97-E(サナリィ)である。クロスボーン・ガンダムの地球圏仕様/簡易生産型MSである。
[編集] 機体概要
フリント | |
型式番号 | F97-E/XM-10 |
所属 | クロスボーン・バンガード |
建造 | 海軍戦略研究所 (SNRI) |
生産形態 | 簡易生産機 |
頭頂高 | 15.8m |
本体重量 | 不明 |
全備重量 | 不明 |
ジェネレーター出力 | 5,280Kw |
スラスター総推力 | 不明 |
装甲材質 | ガンダリウム合金ハイセラミック複合材 |
武装 | バルカン砲×2 胸部バルカン×2 ビームサーベル×2 (ビームガン×2) マシンガン ビームザンバー ショットランサー型ザンバスター ブランドマーカー兼ビームシールド×2 |
主な搭乗者 | ウモン ヨナ ジェラド |
F97(クロスボーンガンダム)の地球圏仕様で木星圏での活動に必要な装備を省略・整理し製造コストを下げた事によって、クロスボーンガンダムの簡易生産型ともいえる機体となった。その為、額部のV字アンテナ、シザーアンカーなどは省略されているが、背面のX型のバーニアは受け継がれており、高い機動性を持つ機体となっている。
サナリィはこの機体を『F97』として地球連邦軍に売り込む予定だったが、木星帝国軍との戦闘が地球圏に移り海賊軍への援助が露見するのを恐れ販売計画は頓挫してしまった。
[編集] 武装
ビームサーベル、ビームシールド等はクロスボーン・ガンダムと同一のものが装備されており、基本性能はクロスボーン・ガンダムと比べても遜色のないものとなっている。武装はマシンガン、改良型ザンバスターであるショットランサー型ビームライフル(ビームサンバーとバスターガンへの分離ができる。)、頭部バルカン×2、胸部バルカン×2、ビームサーベルなどとなっている。また、コアファイターも引き続き搭載されている。
- 改良型ザンバスター
- ショットランサーの型とヴェスバーの型を合わせたような形状である。
- 劇中では普通のビームとビームマシンガンを撃ち分けている。
[編集] 劇中での活躍
作中では3機がまず実戦配備され、木星戦役末期に活躍している。木星戦役後は確認できるだけでも4機に増え、作業用MSに偽装されて使用されていたが、木星帝国残党のアマクサとの戦闘で3機が大破している。主なパイロットはウモン・サモン、ヨナ、ジェラド。
[編集] 備考
2007年2月号のホビージャパンで機体のスペックと全武装が掲載されている。 そこでの設定ではフリントの色は紫色で、ジェネレーター出力はF97と全く同じ5,280Kwある。また、装甲材質が「ガンダリウム合金ハイセラミック複合材」であるとされている。(資料設定を作成するためにホビージャパン編集者が長谷川氏に直接聞いたもようである。)
[編集] デザインについて
クロスボーン・ガンダムX1からX3までとフリントのデザインはカトキハジメである。ただし全てをカトキが行ったわけではなく、原案デザインは長谷川の手によるもの(そのデザインはX1よりもむしろX3に似た外観である)で、これを元にカトキがデザインラフを製作し、それを長谷川がクリンナップする形で完成している。 その後、商品化の際にカトキによってリデザインされた物も存在する。
カトキはデザインの際に最も重視した点として、この機体が大河原邦男がデザインしたガンダムF91と、カトキ自身がデザインしたVガンダムの間に位置すること、また設定上製造者が同じサナリィであることを考慮して、両方のガンダムから説得力のあるラインをどう導き出すかだったと回想している。
そのため脚やすね、胸部などのラインにはガンダムF91やクラスターガンダムなどの面影を色濃く残し、特徴的なスラスターもF91や同世代MSのものを発展させた、と仮定してデザインしている。また全体として見るとVガンダムやV2ガンダムと同様に丸みを帯びている部分も多く(例えば上腕や大腿部が人間のそれと同じような丸みがある。長谷川クリンナップ版では指も「角指」から「丸指」になっている。ただし少年エースでの連載第1回時に掲載されたカトキのイラストでは角指)、どことなく人体的なイメージがあったり、両者で採用されたハードポイントシステムも採用している。
また、長谷川は連載直前に登場したゴッドガンダムにも多大な影響を受けたようで、ゴッドガンダムの持つギミックに類似した物も多く備えている。
なお、クロスボーン・ガンダムの特徴的な装備であるABCマントだが、実際には作画の手間を省くためという理由もあったようだ。
[編集] 関連項目
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