ビスマス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
|||||||||||||||||||||||||
一般特性 | |||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称, 記号, 番号 | ビスマス, Bi, 83 | ||||||||||||||||||||||||
分類 | 半金属 | ||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 15 (IVB), 6 , p | ||||||||||||||||||||||||
密度, 硬度 | 9780 kg·m−3, 2.5 | ||||||||||||||||||||||||
単体の色 | 赤みを帯びた銀白色![]() |
||||||||||||||||||||||||
原子特性 | |||||||||||||||||||||||||
原子量 | 208.98040(1) amu | ||||||||||||||||||||||||
原子半径 (計測値) | 160 (143) pm | ||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | 146 pm | ||||||||||||||||||||||||
VDW半径 | no data | ||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Xe]4f14 5d10 6s2 6p3 | ||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 18, 5 | ||||||||||||||||||||||||
酸化数(酸化物) | 3, 5(両性酸化物) | ||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | 菱面体晶 | ||||||||||||||||||||||||
物理特性 | |||||||||||||||||||||||||
相 | 固体(反磁性) | ||||||||||||||||||||||||
融点 | 544.4 K (271.5 ℃, 520.7 °F) |
||||||||||||||||||||||||
沸点 | 1837 K (1564 ℃, 2847 °F) |
||||||||||||||||||||||||
モル体積 | 21.31 × 10−3 m3·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
気化熱 | 151 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 11.30 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | 0.000627 Pa (544 K) | ||||||||||||||||||||||||
音の伝わる速さ | 1790 m·s−1 (293.15 K) | ||||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
クラーク数 | 0.00002% | ||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 2.02 (ポーリング) | ||||||||||||||||||||||||
比熱容量 | 25.52 J·kg−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||
導電率 | 1.29 × 106 m·Ω | ||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | 7.87 W·m−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||
イオン化エネルギー | 第1: 703 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||
第2: 1610 kJ·mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
第3: 2466 kJ·mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
第4: 4370 kJ·mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
第5: 5400 kJ·mol−1 | |||||||||||||||||||||||||
第6: 8520 kJ.mol-1 | |||||||||||||||||||||||||
(比較的)安定同位体 | |||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||
注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 |
ビスマス(Bismuth、蒼鉛):原子番号 83の元素。元素記号は Bi。窒素族元素の一つ。淡い赤みがかった銀白色の金属(半金属)で、硬くて脆い。半金属のため電気伝導性や熱伝導性は金属ほど良くない。融点は 271.3℃と低い。このためウッドメタルや、鉛フリーはんだなどの合金成分として利用される。
常温で安定に存在し、凝固すると体積が増加するのが特徴。またビスマス化合物には医薬品の材料となるものがあり、他の窒素族元素(ヒ素やアンチモン)の化合物に毒性が強いものが多いことと対照的である。
天然には硫化物(輝ビスマス鉱)として主に産出するが、自然蒼鉛(しぜんそうえん、native bismuth)としての産出も知られており、鉱物収集家の間では人気が高い。なお、鉱工業上はこれらの鉱物ではなく、主に鉛、モリブデン、タングステン精錬の副産物として生産される。[1]
従来は209Biが陽子数及び中性子数が等しい最重安定同位体とされてきたが、ごくわずかにα崩壊することが分かり(2003年)、鉛(208Pb)にその地位を譲ることとなった。
目次 |
[編集] 用途
他の金属(カドミウム、錫、鉛、インジウム)などと合金化すると融点を下げる。このため、鉛フリーはんだより低温で溶けるウッド合金に使われる。 また、ビスマスは高温超伝導体の材料としても使われている。
ウラン233の崩壊過程でできるビスマス213はがんの治療に期待されている。
[編集] ビスマスの化合物
- 輝ビスマス鉱(Bi3S3)
- オキシ塩化ビスマス(BiOCl)…化粧品、パール塗料の原料。
- 次硝酸ビスマス - 整腸剤(日本薬局方収載)
- 次没食子酸ビスマス - 整腸剤(日本薬局方収載)
- 次サリチル酸ビスマス - 整腸剤
- 次炭酸ビスマス - 整腸剤
[編集] 出典
- ^ http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/bismuth/bismumcs96.pdf Bismuth, Mineral Commodity Summaries(1996)Bismuth, USGeological Survey