ヘルマン・ヘッセ
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ヘルマン・ヘッセ(Hermann Hesse, 1877年7月2日 - 1962年8月9日)は、ドイツの作家。エストニア系の家系で、ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州のカルフ(Calw) に生まれる。神学校に通っていたが逃げ出し、さまざまな職業につきながら作品を発表する。テュービンゲンの本屋で店員をしていた話は有名で、その店にはのちにヘッセ本コーナーもつくられた。風景や蝶々などの水彩画もよくし、南ドイツの風物のなかでの穏やかな人間の生き方を画いた作品群の他に、かれの絵を添えた詩文集は、今でも人気がある。三度目の妻はニノン・アウスレンダー(旧姓ドルビン)。7歳の頃、宣教師である父のつてで新島襄に会う。
1946年に、『ガラス玉演戯』などの作品でノーベル文学賞を受賞。
目次 |
[編集] 作風と思想
ヘッセは、主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツを代表する文学者である。かれの小説は、前期と後期でその作風が大きく異なる。前期は、ノスタルジックな雰囲気の漂う牧歌的な作品が多い。作品の描く世界は、ある意味、一つの価値観に基づいた予定調和の世界である。しかし『デミアン』執筆前後からかれの作風は一変する。この前後、第一次大戦の影響などもあり、ヘッセは深い精神的危機を経験する。ユングの弟子たちの助けを借りながら精神の回復を遂げるなかで、かれの深い精神世界を描いた作品が『デミアン』である。その後の作品には、現代文明への強烈な批判と洞察および精神的な問題点が多く描かれており、ヘッセをドイツ文学を代表する作家に押し上げた。
[編集] 主な作品
- 郷愁 Peter Camenzind(1904年)
- 車輪の下 Unterm Rad(1906年)
- 春の嵐 Gertrud(1910年)
- クヌルプ Knulp(1915年)
- 青春は美わし Schön ist die Jugend(1916年)
- デミアン Demian: Die Geschichte von Emil Sinclains Jugend(1919年)
- メルヒェン Märchen(1919年)
- シッダールタ Siddhartha(1922年)
- 荒野のおおかみ Der Steppenwolf(1927年)
- ナルチスとゴルトムント Narziss und Goldmund(1930年)
- ガラス玉演戯 Das Glasperlenspiel(1943年)
- 晩年の散文 Späte Prosa(1951年) 幸福論などを含む随筆集。
現在臨川書店から全集が刊行中。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Hermann Hesse Portal Sparkasse PF Calw(カルブ地域貯蓄銀行)のヘッセ紹介サイト - 日本語、写真多数、全て著作権了解済み
- and HHPによるヘッセ紹介文 University of California, Santa Barbara, Germanic, Slavic & Semitic Studies の学生用資料ページ。
- プロジェクト・グーテンベルクにおける Works by Hermann Hesse
- ヘルマン・ヘッセに関する文献案内 - ドイツ図書館 Die Deutsche Bibliothek, DDB のカタログ
- Community of the Journeyer to the Easy - in German and English
- Concise Biography - originally published by the Germanic American Institute, by Paul A. Schons
- Article at 'Books and Writers'
- The painter Hermann Hesse Galerie Ludorff, Duesseldorf, Germany
- Book Review of Steppenwolf