宇宙の騎士テッカマンブレード
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『宇宙の騎士テッカマンブレード』(うちゅうのきしテッカマンブレード)は、1992年2月18日から1993年2月2日までテレビ東京系で全49話が放送された、タツノコプロ製作のSFアニメである。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
連合地球暦192年。謎の宇宙生命体「ラダム」が突如として地球に来襲、人類の宇宙進出の夢を懸けて作られた軌道エレベータ・オービタルリングを瞬く間に占拠し、地球侵略を開始した。通常兵器では傷つけることすらできない強靭無比のラダム獣に対し、オービタルリングのレーザー砲を奪われた人類には対抗する術がなく、その侵攻をただ黙って見ているしかできなかった。
そんなある日、地球に降り注ぐラダム獣およびラダム樹の調査・分析をしていた外宇宙開発機構(通称・スペースナイツ)の前に、記憶喪失の男が現れる。「Dボゥイ」と名づけられた男は、ラダムの謎の尖兵と酷似した姿の超人「テッカマン」に変身し、人類が全く歯の立たなかったラダム獣を事もなく打ち砕いてみせた。スペースナイツは、この正体不明の寡黙な青年に不審を抱きながらも、地球連合軍とは別にラダムとの戦いを始めることとなる。
[編集] 特徴
本作は、1975年にタツノコプロで製作された『宇宙の騎士テッカマン』の名を冠しており、設定の一部(スペースナイツ、ブルーアース号、ペガスなど)も流用されているが、全く別の世界観に基づいて作られたリメイク作品で続編ではない。旧テッカマンでは最終的に主人公が死んだはずの父親と対決する予定であったが、番組はその前に打ち切りとなった(当該記事参照)。今回はその時描ききれなかったその部分に力点を置いて作品が作られている。兄妹のなかで、父親にもっとも似ているのが最後の敵となるテッカマンオメガ=ケンゴであることに留意。
スタッフは『機動戦士ガンダム』の洗礼を受けた世代やOVA畑からの人材で構成されている。作品における緻密なSF設定(後述)や、それらを作中で説得力ある描写に仕上げた点は、彼らによるところが大きい。一方で“テッカマン”と呼ばれる戦士が複数存在し、互いに戦いを繰り広げる(テッカマン対テッカマン)という構図は、近年のガンダムシリーズやウルトラマンシリーズといった人気シリーズで行われる描写の先駆けともなった。
地球を守るために肉親や友人・恩師と戦わねばならない主人公という、ハードなストーリー展開が特徴である。シリーズ構成とメイン脚本を担当したあかほりさとるは、後年のインタビューで、
- 敵の走狗となった肉親や知人と戦う宿命を背負った孤独な男が地球に飛来
- 肉親や知人と戦う代わりに、今度は共に戦う新しい仲間ができ、次第に心を開く
- ついには、人の心を持ったまま脱出した妹と再会する
- その喜びもつかの間、妹が自分を守るために肉親達と戦い、散ってしまう
- 自らもテックシステムによって傷つくが、仲間達の助力でシステムを進化させてパワーアップ
- ついには、人の心を持ったまま脱出した妹と再会する
- 肉体の崩壊は抑えられたものの、副作用で脳細胞に影響が波及し記憶を失い始める
- 肉親や知人と戦う代わりに、今度は共に戦う新しい仲間ができ、次第に心を開く
- 人としての自分を捨てて、最後の敵である兄を倒し、記憶を失って地球へ飛来
という、アーチ構造になるようなストーリー構成を関島眞頼と共に練り上げ、それを基に脚本を書き上げていったと明かしていた。このように全体の設計がしっかりとしていたことが、作品の完成度の高さに繋がっていると言われる。主題歌も、前・後期共に世界観を反映した詞が与えられており、小坂由美子の熱唱と相まって視聴者に強い印象を残した。
あかほりさとるはデビュー当初から現在に至るまでギャグ作品を手がけることが多く、そのためシリアス一辺倒の本作は、過去に関わった作品の中でも一際異彩を放っている。しかし、先に挙げたしっかりとしたストーリー設計とドラマチックなシナリオから、あかほりに肯定的な層からは「ギャグ作品同様に大げさなセリフを要所要所で使ってくる、いかにもあかほりらしい傑作」、否定的な層からも「冗長な面もあるが、あかほりの最高傑作」と、ほぼ一致して高い評価が下されている。
反面、作画の質は全く安定していなかった。大張正己の手がけたオープニングアニメーションや、それを基にしたアクションシーンの評価は高いが、作画監督間でキャラデザインに関する意思疎通ができていなかったのか、それぞれのキャラクターの顔が毎回明らかに変わってしまっており、「同一人物とは思えない」と揶揄されるほどであった。
本作はファンからは強い支持を集めていたにも関わらず、同時期に放映され人気を博した『美少女戦士セーラームーン』の影に隠れてしまったこともあり、長らく「知る人ぞ知る傑作」という扱いをされてきた。しかし、2005年にゲームボーイアドバンス用ゲーム『スーパーロボット大戦J』に取り上げられたことで、リアルタイムで視聴していない世代にも名前が知られることとなり、現在再評価の気運が高まり始めている。ただし、主人公を含めテッカマンとは人体改変を行われたいわば、改造人間のようなものであり、ロボットではない。
[編集] 制作
- 原案:タツノコプロ企画室
- エグゼクティブプロデューサー:穴見礼(テレビ東京)、九里一平(タツノコプロ)
- 企画:青木勇人(テレビ東京)、湯浅昭博(創通エージェンシー)、稲垣光繁(タツノコプロ)
- シリーズ構成:関島眞頼、あかほりさとる
- 脚本:岸間信明、川崎ヒロユキ、千葉克彦、渡辺誓子、山下久仁明
- 演出:殿勝秀樹、澤井幸次、高瀬節夫、千葉大輔、西山明樹彦、友田政晴ほか
- キャラクターデザイン:TOlllO、佐野浩敏
- メカニックデザイン:佐山善則、中原れい
- メカニック設定:小川浩
- 設定協力:出渕裕、結城二十六、スタジオOX
- 作画コーディネーター:湖川友謙
- オープニングアニメーション:大張正己
- 音楽:和田薫
- OPテーマ
- (1~27話)「REASON」(作詞:安藤芳彦 作曲・歌:小坂由美子)
- (28~49話)「永遠の孤独」(作詞:さとうみかこ 作曲・歌:小坂由美子)
- EDテーマ
- (1~27話)「ENERGY OF LOVE」(作詞・作曲・歌:小坂由美子)
- (28~49話)「LONELY HEART」(作詞:さとうみかこ 作曲・歌:小坂由美子)
- 挿入歌
- 「午前0時」(作詞:小坂由美子 作曲:山本智恵子 歌:小坂由美子)
- 「Meditation」(作詞・作曲・歌:小坂由美子)
- 「Once More Again」(作詞:島エリナ 作曲:山浦克巳 歌:三松亜美・山浦克己)
- 「マスカレード」(作詞・作曲・歌:小坂由美子)
- プロデューサー:清水睦夫→吉野文(テレビ東京)、板橋秀徳(創通エージェンシー)、植田もとき(タツノコプロ)
- 監督:ねぎしひろし
- 制作:テレビ東京、創通エージェンシー、タツノコプロ
[編集] 登場人物(キャスト)
[編集] スペースナイツ・地球連合軍
- Dボゥイ/テッカマンブレード(演:森川智之)
- 本作の主人公。テッカマンブレードに変身し、スペースナイツと共にラダムに戦いを挑む。
- スペースナイツとの遭遇当初は記憶喪失を装い本名を名乗らず、そのため「無茶な行動ばかり取る」ことからD(デンジャラス(日本語に訳すと『危険な』))ボゥイという渾名をノアルにつけられた。元々正義感が強いうえにラダムを倒すという並々ならぬ使命感から、当初は独断専行が多く孤立しがちだった。本名は相羽(あいば)タカヤ。後に妹ミユキとの再会を機に自らの素性やテッカマンとしての秘密を周囲に明かしたが、その後も仲間からはDボゥイと呼ばれた。
- 如月(きさらぎ)アキ(演:林原めぐみ)
- スペースナイツのメンバー。ブルーアース号のパイロット。Dボゥイに好意を寄せているが、女らしさに欠ける面があり、自らもそれを気にしている。物語が進むにつれ、過酷な運命に翻弄されるDボゥイになにもできず、自分が無力だと苦悩する描写が目立つ。如月という苗字は本作の時点では明らかにされず、続編で初めて公開された。劇中では明示されなかったが、伊賀忍者の末裔。
- ノアル・ベルース(演:松本保典)
- スペースナイツのメンバー。ブルーアース号のパイロット。後にソルテッカマン2号機のパイロットも務める。サッカーを中心にスポーツ万能で、好物はチョコバー。義理堅い反面口調は軽く、余計なことを言って相手の反感を買うこともしばしば。軍人の家系で名家の出身だが、それに反発し外宇宙開発機構に参加、実家から勘当されていた。「Dボゥイ」の名付け親であり初めは彼を厄介者扱いしていたが、徐々に厚い友情を築くようになる。
- ミリィ(演:横山智佐)
- スペースナイツのオペレータ。フリーマンと行動を共にすることが多いが、アキの代わりにブルーアース号に乗り込むこともある。優しく純粋な性格。年が近いせいかミユキに重ねられ、Dボゥイが早くから心を開いた貴重な相手。ミレッタ・ルルージュという本名が設定されているが、アキの苗字同様こちらも劇中では明らかにされなかった。
- 本田(演:飯塚昭三)
- スペースナイツのメカニック。貫禄のある体格の通称「おやっさん」。メンバー最年長であり、フリーマンのよき理解者でもある。
- レビン(演:中原茂)
- スペースナイツのメカニックで本田の片腕。オカマ。特に男性が好きというわけではないが、Dボゥイ(テッカマンブレード)のことは気に入っている。ミリィ相手に大人気ない掛け合いをしたり、トラブルに巻き込まれたりとギャグ担当の面が強い。料理上手で、女性らしくないアキをからかうこともあった。
- ハインリッヒ・フォン・フリーマン(演:鈴置洋孝)
- スペースナイツのチーフ。常に沈着冷静で冷酷なように見えることもあるが、内心は情に厚い。戦略眼を持ち政治的な能力にも優れた頼れるリーダー。よくサングラスをかけているが、なぜかしょっちゅう不自然なタイミングで外す。
- ペガス(演:飛田展男)
- 元々はスペースナイツの作業用人型ロボットだったが、Dボゥイのブレードの変身に使うクリスタルの破損を機に、ブレードのサポートロボとして改修された。Dボゥイの変身を手助けするだけでなく、バルカン砲などの兵器も搭載しており、飛行形態にも変形できる。普段は「ラーサ」(スペースナイツで用いられる「了解」の意)しか話さないが、バーナード軍曹から教わった「ダニー・ボーイ」を唄える。余談ではあるが、スーパーロボット大戦Jでは戦闘時にちゃんとした言葉を喋っている。
- バルザック・アシモフ(演:堀内賢雄)
- 地球連合軍少佐。ソルテッカマン1号機パイロット。初登場時は従軍カメラマンを装ったスパイとして、スペースナイツ基地からブレードのデータを強奪した(このときフリーマンに発見されるが、連合軍による対ラダム兵器開発が目的と暗に見抜かれ、わざと逃がされた)。スラム街の出身で、上昇志向の強い性格の持ち主。エビルとの戦いで行方不明となっていたが、その後偶然再会したスペースナイツのメンバーと行動を共にするようになる。
- コルベット(演:大滝進矢)
- 地球連合軍准将。非常に功名心の強い性格で、スペースナイツとDボゥイを目の敵にしていた。手段を選ばず非人道的な作戦を繰り返し、狂人ぶりもどんどん加速して部下からの信頼は無いに等しい。最後はフェルミオンミサイルでオービタルリングもろともラダム獣を消し去ろうとするも、地上への被害が甚大になるためミサイルの発射をブレードが阻止。ミサイルの地表近い爆発に巻き込まれて死亡。
- バーナード・オトゥール(演:池田勝)
- 地球連合軍軍曹。スペースナイツとの共同作戦で、Dボゥイに軍人の心得を説き友情が芽生えた。後に部下を率いて独自にラダムへの抵抗を続ける中、Dボゥイと再会。ブレードがブラスター化するまでの時間を稼ぐためランスの前に立ちはだかり、その命を落とした。
- 相羽ミユキ/テッカマンレイピア(演:水谷優子)
- Dボゥイの妹。相羽家の末妹。テックシステムから体質不適合で排除され、兄タカヤにラダムの秘密を伝えるべく、自らの残り少ない命を賭けて単身ラダム基地を脱走して地球に帰ってくる。作中の境遇から病弱なイメージが強い一方、人を守ろうとする気持はDボゥイに引けをとらない。
- 相羽孝三(演:麦人)
- 宇宙物理学の教授。相羽兄弟の父。宇宙船アルゴス号の船長としてタイタン調査団を率い、自分の家族や助手たちと共に土星に向かう旅の途中、ラダムと遭遇してしまう。早い段階でテックシステムから排除され、その命を賭して息子タカヤを救出、地球へと送り込んだ。
[編集] ラダム
- フリッツ・フォン・ブラウン/テッカマンダガー(演:飛田展男)
- ラダム獣を率いて地球に侵略してきた最初のテッカマン。元アルゴス号の乗組員。テッカマンの中で唯一ボルテッカを持たない代わり、ランサーから矢の形をしたエネルギー波「コスモボウガン」を発射する。干渉スペクトル装置を用いてDボゥイの変身を封じ、クリスタルを破壊したが、ペガスにより再び変身が可能となったブレードのボルテッカの前に敗れ去った。
- 相羽シンヤ/テッカマンエビル(演:子安武人)
- Dボゥイこと相羽タカヤの双子の弟。ラダムテッカマンのサブリーダー。アルゴス号の操舵手だった。子供の頃から兄タカヤに対して強いコンプレックスを抱いており、何度となくブレードに戦いを挑んだ。終盤にはブレードの後を追って、ブラスター化も果たした。
- ゴダード/テッカマンアックス(演:島香裕)
- 相羽孝三の親友兼助手。電子工学の専門家。武道・武術に精通しており、タカヤ・シンヤ兄弟の格闘技の師匠でもある。Dボゥイのことを「タカヤ坊」と呼び、ラダムの支配下にあっても彼の成長を喜んでいる節があった。
- モロトフ/テッカマンランス(演:小杉十郎太)
- 元アルゴス号の乗組員。エビルをライバル視し、自分の方が有能だと示すチャンスをうかがっていた。スペースナイツのアラスカ基地に潜入して暴れ回ったが、ブラスター化したブレードの前になす術なく一蹴された。
- フォン・リー/テッカマンソード(演:横尾まり)
- 元アルゴス号の乗組員。ケンゴの婚約者。ケンゴに対して狂気じみた愛情を抱いており、ブレードを排除するためだけに、命を縮めさせることを承知でシンヤにブラスター化を施した。ラダム基地を目指そうとするブルーアース号に襲い掛かるが、搭載されたばかりの干渉スペクトル装置に思わぬ不意打ちを受ける。最後はバルザックとの相撃ちで大気圏に燃え尽きるも、ブルーアース号を墜落させることに成功する。
- 相羽ケンゴ/テッカマンオメガ(演:若本規夫)
- 相羽兄弟の長兄。フォンの婚約者。父の助手も務めていた。ラダムテッカマンのリーダー。ラダム基地と一体化しており、基地の中から動くことができない。他のテッカマンに比べてはるかに大型で、腹部にはケンゴの生身の顔がある。
[編集] 基本設定
[編集] ラダムとテッカマン
- 「ラダム」とは、知性のみを高度に発達させた知的生命体、およびその種族の名称である。ラダムは虫状の生物で、知性のみを高度に発達させたため、肉体そのものは非常に脆弱であり、専ら他の生命体の体内に寄生して生きている。外骨格が強固に発達し、巨大化したラダムは「ラダム獣」と呼ぶ。ラダム獣は標的とする惑星に降り立つと、地面に潜って植物化し「ラダム樹」となる。
- 本作における「テッカマン」とは、ラダムによって作られた生体兵器のことを指す。肉体らしい肉体を持たないラダムが、他の惑星への侵略行為を効果的に行うために開発したものである。強靭な肉体を持つ知的生物を「テックシステム」に取り込み、遺伝子レベルで適合性を調査し、ラダムとしての知識・本能を植えつけた後「素体」へとフォーマットする。その後、フォーマットされた肉体(素体)の中枢、すなわち脳髄にラダムが寄生することで、テッカマンが完成する。言い換えれば、テッカマンとは「ラダムが寄生したヒト」であるとも言える。
- テッカマンとして不適合と判定された人間は、フォーマット、或いはその前段階において排除される。排除された人間は、肉体組織が崩壊しているため、やがて確実に死に至る。
- テッカマンへの変身行為は「テックセット」と呼ばれ、調製された者がクリスタル状のシステムボックスを「テックセッター」のキーワードと共に使用することで、人体表面に強固な外殻(外骨格)が形成される(この状態が「素体」)。この外骨格は宇宙服の役割も果たしており、あらゆる環境での活動を可能にしている。続いてシステムボックスのもつ「光=物質変換機能」によって最外層のアーマーやバーニア等の機械的ユニットが形成され、外殻に組み込まれる。
- システムボックスの「光=物質変換機能」はある種の電磁波を利用している。これに「干渉スペクトル」を照射することで、テックセットを妨害ないし強制解除することができる。
- ラダムに支配されない「不完全なテッカマン」であるブレードは、30分以上テックセットをしていると、脳にコピーされたラダムの本能が目覚め、暴走してしまう。ラダム側のテッカマンにはそのような不安定さは見られないが、ラダムの本能の影響か、元々抱えていた性格が攻撃的な方向で極端に増幅されているようである(シンヤのタカヤに対するコンプレックス、フォンのケンゴに対する愛情など)。
[編集] テッカマンの特性
- テッカマンは、人間大の大きさでありながら、超音速を遥かに超えた移動能力と反応弾(核兵器)にも耐え得る強固な装甲を備えている。武器は、白兵戦用の「テックランサー」とランサー回収用の鋼線「テックワイヤー」、反物質ビーム砲「ボルテッカ」が標準装備されており、地球製通常兵器やラダム獣をものともしない、圧倒的な戦闘力を有している。
- 個々のテッカマンの特徴は、人間時の性質・能力に大きく左右される。作中に登場する各テッカマンは、それぞれ以下のような特性に分類される。
- テッカマンブレード:強襲突撃型
- テッカマンエビル:多目的汎用型
- テッカマンレイピア:諜報索敵型
- テッカマンダガー:後方支援型
- テッカマンアックス:接近戦格闘型
- テッカマンランス:参謀型
- テッカマンソード:護衛型
- テッカマンオメガ:司令官型
- テッカマンが装備しているテックランサーは、それぞれの性質に合わせて形状が異なっている。ブレードのランサーは2本に分解して用いることが可能であり、エビルの場合はランサーの分解が不可能であるかわりに、ランサーとは別に固有の武器・ラムショルダーを有している。他にも、ダガーのランサーは弓状に変形してコスモボウガンを放てるようになっており、アックスのランサーは破壊力を重視した斧、ソードのランサーは刃のない棍となっている。
- 装甲を変形させて体をスリム化し、超高速で突進しその衝撃波などで対象を破壊する技は「クラッシュ・イントルード」と呼ばれ、多数の敵を一度に排除する際に多く用いられている。後にこの「クラッシュ・イントルード」は、クリスタルの力で速度・巡航距離が飛躍的に上昇することが判明する。宇宙へ出られる機体が失われた物語後半において、ブレードが月にあるラダム基地を叩くには、まず敵テッカマンのクリスタルを入手する必要があった。(そのため対アックス戦など、クリスタルが残るようボルテッカを撃てず不利になる場面も見られた。しかし圧倒的有利にもかかわらず、ブラスター化した勢いのせいか、ランスを(それも大幅にパワーアップした)ボルテッカで瞬殺してしまった)
- テッカマンには、体内に蓄積された反物質粒子・フェルミオンを加速して放出する「ボルテッカ」という必殺技がある。直撃すればテッカマンをも消滅させるほどの破壊力を誇るが、素体(人体)の体力を大幅に消耗するため、テックセット1回につき1度しか使用できない(ソルテッカマン等のフェルミオン砲も、原理はボルテッカと同じである)。
- ボルテッカの特殊なバリエーションとしては、フェルミオンの放出量(ごく限られた程度の発射回数)や軌道などを自由意志で操り、相手のボルテッカを吸収して無効にできるエビルの『PSY(サイ)ボルテッカ』や、ぺガスに搭載されたフェルミオン砲と連動させて破壊力を増強させたブレードの『ハイコートボルテッカ』、続編では『ボルテッカクラッシュイントルード』がある。また、自らの肉体のエネルギーを全てボルテッカに変換し、自爆することも可能である(レイピア、アックスが使用)。
[編集] ブラスター化
テッカマンには「進化」の余地が備わっており、進化を行うことにより機能を極限まで高めることができる。これを「ブラスター化」と呼ぶ。
ブラスター化に成功したブレードは、以下のような圧倒的戦闘力を有していた。
- 外殻が比べ物にならないほど強化されており、至近距離でランスのボルテッカの直撃を受けたにも関わらず、全くの無傷であった。
- バーニアの出力や機動性も格段に向上しており、特訓により基礎能力が30%アップしていたエビルを圧倒した。また単独での大気圏の離脱、突入も可能となる。
- ランサーの先端から、通常のボルテッカに匹敵する威力のフェルミオンビームを発射。
- 通常では一方向に集中して放つ事しかできなかったボルテッカを、全方位に向けて発射することも可能になった。その破壊力は凄まじく、周囲の地形を変形させてしまうほどである。
しかしブレードは、これら圧倒的戦闘力と肉体の組織崩壊停止と引き換えに、ブラスター化する度に脳神経核が破損し、過去の記憶を失うようになってしまう。また、ブレードに対抗してブラスター化を行ったエビルの場合は、過剰な進化に肉体が耐え切れず、逆に肉体が組織崩壊を起こすようになってしまった。
余談だが、劇中ではブレードの肉体の組織崩壊の原因は、進化せずに「ラダム同士での生存競争」を行ったため、つまり進化すべき状況であるのに進化していないためと説明されていた。
[編集] 放送リスト
- 天駆ける超人
- 孤独の戦士
- 防衛軍の野望
- 理由なき敵前逃亡
- オレを殺せ
- テックセット不能
- 機動兵ペガス発進
- 謎の従軍記者
- 救出! 木星クルー
- 戦火に響く子守歌
- Dボゥイファイル
- 赤い戦慄エビル
- 宿命の兄弟
- 血をわけた悪魔
- 蘇る魔神
- 裏切りの肖像
- 鋼鉄の救世主
- 栄光への代償
- 心閉ざした戦士
- 復活! 怒りの変身
- 愛と死の予感
- ミユキの決意
- 傷だらけの再会
- 引き裂かれた過去
- 新たなる悪魔
- 死をかけた戦い
- 残りし者への遺産
- 白い魔人
- 戦いの野に花束を
- 父の面影
- 復讐の街
- 待ちわびた少女
- 荒野の再会
- 光と影の兄弟
- 霧の中の敵
- 決戦!! アックス
- 蝕まれた肉体
- 死への迷宮
- 超戦士ブラスター
- 愛と戦いの二人
- エビル・蘇る悪魔
- 激突! 赤い宿敵
- 訣別の銃弾
- 迫り来る闇
- 真実の侵略者
- 時の止まった家
- 闇と死の運命
- 壮烈! エビル死す
- 燃えつきる命
[編集] ネット局
- 同時ネット:テレビ東京、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ北海道
- 時差ネット:テレビ大阪、テレビ愛知、東日本放送、山形放送、テレビ信州、チューリップテレビ、石川テレビ放送、静岡第一テレビ、奈良テレビ、テレビ和歌山、テレビ新広島
[編集] その他
- 本放送当時、テレビ大阪とテレビ愛知の同時刻枠は他系列放映作品も含むテレビアニメの再放送枠となっていた為、時差ネットとなっていた。特にテレビ大阪の場合は毎週のように変更されて関西圏の視聴者泣かせの作品としても有名であった(この項を参照)。
- 『宇宙の騎士テッカマン』のメインキャラ(南城二、天地ひろみ、アンドロー梅田)や『ガッチャマン』の南部博士がカメオ出演的に登場したことがある。
- 主演の森川智之は、ボルテッカのシーンのアフレコで絶叫しすぎてしまい、マイクを二度壊してしまったことがある。
- テッカマンレイピア/相羽ミユキの名はあかほりさとるの妻、漫画家の北川みゆきから。名前を決定する際にそのあまりに不幸な運命から「今一番不幸な女性が誰か」という話になり「それなら、あかほりと結婚する某みゆきちゃんでしょ」ということで決まった。
- 本放送と並行する形で、デラックスボンボンと月刊コミックコンプにコミカライズ版が連載されていた。アニメ版と比べ、ボンボン版(作:井上大助)はギャグタッチの全く異なった雰囲気の作品になっており、コンプ版(作:鈴木典孝)はペガスがラダムによって作られたものであるなど、設定やストーリー展開に大きな違いが見られる。
- 1992年、ベック社からスーパーファミコン用ソフト、ユタカ社からゲームボーイ用ソフトとして、本作のゲームが制作された。また1994年には、マトリクス社よりPC-9800シリーズ用ゲームソフト「宇宙の騎士テッカマンブレード オービタルリング奪回作戦」が発売されている。
- バンダイから発売された本作のプラモデルは、グッドデザイン賞を受賞している。リリースされたのは、ブレード、エビル、ソルテッカマン2号機、ブラスターブレードの4種類。
- 本作はVHS版とLD版が発売されているが、どちらも現在は生産中止となっている。2001年にはDVD-BOXが発売されたが、こちらは完全限定予約生産であった。
- 放映終了後も続く根強い人気を受け、1994年にOVAで続編『宇宙の騎士テッカマンブレードII』が制作されている(詳しくは内部リンク先参照)。
[編集] 関連項目
テレビ東京系 火曜18:30枠 | ||
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前番組 | 宇宙の騎士テッカマンブレード | 次番組 |
緊急発進セイバーキッズ | 疾風!アイアンリーガー |