再放送
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再放送(さいほうそう)とは、一度テレビ・ラジオなどで一度放送(オンエア)された作品を、再び放送することである。テレビで圧倒的に多くラジオで定期的に再放送されているのはNHK第2の教育・教養番組やNHKFMのクラシックなどの音楽番組やFM放送大学の「大学の窓」位でそれ以外ではラジオドラマやトークの一部などをアンコールや総集編などとして放送されることはあるが、番組自体を定期的に再放送することはきわめて少ない。
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[編集] 再放送される番組の種類、及び時間
テレビではドラマやバラエティ番組、ローカル番組になることが多い。
アメリカでは、ゴールデンタイム、プライムタイムにドラマなどの再放送を行なうが、日本では新作を放送して、劇場用映画を除いて、その時間帯に再放送をすることはほとんどない。ただし、2006年10月9日に古畑任三郎VSSMAPがドラマレジェンドスペシャルとして放送されたように一部のドラマが「総集編」や「完全版」などとして新たなシーンをプラスして放送されることもたまにあり、アニメ『名探偵コナン』は「アンコールスペシャル」と称してゴールデンタイムに再放送されることがあるが、再放送は基本的に日中の時間帯を中心になされる。地上波・BS・CSを問わず、提供クレジットによるスポンサーの表示は行われない場合が多い。
[編集] 再放送される大まかな理由
再放送は、過去のドラマのリメイク版を行う場合の宣伝・新番組の前作を放送する・昼間の空白枠の穴埋め。といった理由が主なものである。
ゴールデンタイムであっても再放送される場合は、『名探偵コナン』のようにネタ切れ、出演声優の産休対策のためで、ドラマなど実写の番組では例えば織田裕二が2001年のドラマ『ロケット・ボーイ』で主演を務めるも、椎間板ヘルニア持病の腰痛が悪化による緊急入院で撮影を中断する事態となったときに『ロケット・ボーイ』を全11話の予定だったものを全7話に再構成して、第2話放映後の4週間ぶんの『ロケット・ボーイ』を休止し『踊る大捜査線』の再放送で穴埋めしたケースや、番組がやらせなどの問題を起こして急に打ち切りになった場合など、突発的に空いた時間帯を埋めるために行われることもある。
よって、テレビ局の営業戦略や都合によって行われているといった面が強く、再放送に力を入れることは稀である。また突然打ち切りといったこともよくある。放送倫理上問題のあるものなどは、本編に差支えがない程度に編集されることもしばしばある。同じ番組を繰り返し放送することもある。民放キー局系のCS放送チャンネル(TBSチャンネル、フジテレビ721、テレ朝チャンネルなど)での再放送ではCMカットで放送したり、ドラマ番組の全話一挙放送がおこなわれている。また、権利上の関係 (主題歌に洋楽が使われているなど)でDVDなどのソフト化が困難な作品も再放送されるケースが多い。
ちなみにドラマなどの場合は、系列局で放送する際、再放送についても契約の中に含まれるという。
[編集] 傾向など
1980年代前半までは各局で夕方の時間帯を独占していたアニメの再放送は、1990年代以降では大幅に減少している。これは少子化による子供の減少と、子供の塾通いやテレビゲームなどライフスタイルの変化によるもので、アニメに代わってドラマの再放送やニュースの時間枠拡大、生活情報番組が増えてきている。
[編集] 地域による違い
たとえば関西地区(特にテレビ大阪)では2005年現在も早朝・深夜を中心にアニメの再放送が比較的多く行われている。また、テレビ神奈川のように21世紀になって深夜の再放送がきっかけでアニメの再放送に力を入れるようになったケースもある。また最近では、深夜にアニメを再放送をするケースやテレビ東京系では空いたアニメ枠の穴埋めに再放送するケースも見られる。
[編集] アニメの場合
本放送では低視聴率で打ち切りになった作品が再放送によって人気が再燃し、リメイクが行なわれることがかつてしばしばあった。例として『ルパン三世』、『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』などである。また、放送局側の権利や再放送作品の選考などの負担の軽減や、打ち切り・番組改編への対応のしやすさから、話数が多く一話完結型の作品(『うる星やつら』、『名探偵コナン』、最近では『ケロロ軍曹』など)が比較的(放送局側に)好まれる傾向にある(厳密に言うと『名探偵コナン』は2話にまたがる話が多いが、再放送の際はまとめて放送されることが多い)。
また局によっては旧作のアニメを、本放送とは異なる放送局で夕方などに放送するケースもある。
最近深夜などによく放送されている新作のUHFアニメの場合、再放送での放送に制約がかかっていて、地上波での再放送はあまり見られない。
[編集] NHKの場合
深夜時間帯などにレギュラー番組の定時再放送枠が設けられている。(ミッドナイトチャンネルも参照)。
[編集] ラジオの場合
前述でラジオとあるが、ラジオでの再放送はテレビほどでは無い。あったとしても前途にあげたものと開局記念番組程度である。
[編集] CS放送の場合
また、CS放送などの「ニューチャンネル」といわれる局は、「繰り返し放送」と銘打って本放送よりも再放送やリピート放送のほうが圧倒的に多い放送局も多い。これは途中から加入した人も最初から視聴できるようにするのと、既存の視聴者からもう一回見たいと要望があることと用事があって見逃したり、衛星放送の性質上豪雨や大雪などの悪天候で受信しづらくなった場合でもまた見られるようにとの配慮で繰り返し放送していると放送局は言っているが、これらの理由であっても、例えば同じ話を一週間に5~6回も繰り返すのは多すぎることから、番組不足をリピート放送で穴埋めしているだけではないかと指摘する声もある。
その一方で、BSデジタルの番組(特にアニメやドラマ、世界遺産などの番組)は再放送がほとんどないため、放送時間が急に変更されたり、悪天候などで見逃した視聴者からDVDを買わせるために再放送しないのではないかと放送局の公式サイトの掲示板に批判が書き込まれることもある。詳細はTBSテレビ掲示板世界遺産BS-i掲示板を参照。
[編集] その他の場合
地方局では、空白枠の穴埋めの例が最も多い。自主制作番組を再放送することがあるが、これはCS放送のリピート放送の感覚に近い。
1990年代から、本放送中であるにもかかわらず(最終回をまたずに)夕刻や深夜、また昼間帯に、その時までの既放送分を再放送することも行われ始めた。これはテレビドラマの視聴率の低落がとまらぬために、初回・第2回…を見なかった視聴者を本放送に引き戻そうとするものであり、その効果があったという放送関係者もいるが、その効果を疑問視する向きもある。
[編集] よく再放送される番組
[編集] 日本テレビ系
- ルパン三世(最近は数年再放送されていない)
- 美味しんぼ
- 名探偵コナン(東京以外の系列局では夏休みなどに放送されることがありアニマックスでも再放送中)
- タッチ(元々はフジテレビ系で放送された作品だが、高校野球大会のシーズンに合わせて行なわれることがあり独立U局やキッズステーションなどでも放送中)
- 火曜サスペンス劇場(放映権の切れた作品は日テレ系列以外のテレビ局でも放映していることがある)
- 行列のできる法律相談所(NNS系列のほぼすべての局で再放送される)
- 世界一受けたい授業
[編集] TBSテレビ系
- 水戸黄門(TBSチャンネルでも同様)
- 3年B組金八先生
- 月曜ミステリー劇場→月曜ゴールデン
- 渡る世間は鬼ばかり(TBS系列ではほぼ全局にわたって2時間程度の再放送枠が設けられているが、半ば義務的に1時間を渡る世間は鬼ばかりが放送されている。)
- 愛の劇場(放映権の切れた作品はTBS系列以外のテレビ局でも放映していることがある)
[編集] フジテレビ系
- 古畑任三郎
- GTO
- ナースのお仕事
- ショムニ
- ドラゴンボール(2006年10月に終了、TOKYO MXで「Z」が引き続き放映しアニマックスやテレビ大阪で「無印」が放送中)
- ちびまる子ちゃん(アニマックスでも放送中)
- うる星やつら 最近ではフジテレビ自体での放送はなくアニマックス、キッズステーションやTOKYO MX、チバテレビなどの独立U局で放送されている。
- らんま1/2 「キッズステーション」で繰り返し放送されている。
- キテレツ大百科(最近ではアニマックスや独立U局などで放送されている。)
- あらいぐまラスカル
- 東海テレビ制作昼ドラマ(放映権の切れた作品はフジ系列以外のテレビ局でも放映していることがある)