山本和行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
山本 和行（やまもと かずゆき、1949年6月30日 - ）は、広島県広島市丹那町（現南区丹那町）出身のプロ野球選手、野球解説者。ポジションは投手。左投げ左打ち。現役時の背番号は25番。
目次 |
[編集] 来歴・人物
福山電波工(現近大福山高)・村田兆治、尾道商業・大田垣耕造(シドニー五輪日本代表監督)らが同期。1966年、広島商業のエースとして三村敏之（後に広島東洋カープ監督）と共に甲子園に出場も初戦敗退。進学した亜細亜大学でもエースとなり1シーズン70奪三振の当時のリーグ記録を樹立。1971年、第20回全日本大学野球選手権大会で、亜細亜大学を初の日本一に導くなど大学通算で33勝を上げた。
同年、ドラフト1位で阪神タイガース（後に監督となる中村勝広は同期）に入団。フォークボールは人から投げ方を教わる場合が多いが、山本はあえて当時の村山実監督にも教えを請わず、自己流でフォークを開発。同じフォームから投げる瞬間まで同じ握りという、直球とフォークボールを投げ分けるトリッキーなピッチングで1年目から一軍で活躍。この握りのため牽制も天下一品だった。5年目の1976年から主にリリーフとして起用されるようになると一気に才能が開花し、この年6勝3敗18セーブ、防御率2.92という好成績を残した。
この年6月8日の巨人戦、2-0でリードしていながら9回裏に疲れの見えた江本をリリーフ、王を敬遠して無死満塁のピンチを迎え、末次利光に逆転満塁サヨナラホームランを浴びる。この試合では「なぜ（ダブルストッパーのもう一人だった）安仁屋に替えなかったのか？」と吉田監督の采配を疑問視する声もあったが、その後のクローザーとしての山本の活躍を考えると、これだけをもって正邪を論じるのはナンセンスだといえよう。（そうした声が出た背景には、このシーズンは最終的に対巨人戦の勝敗が1つ逆なら優勝できたという事情も存在する）翌、1977年は9勝5敗9セーブ、防御率3.71ながらリーグ最多セーブ投手となる。。
1980年には再び先発として活躍し、15勝11敗2セーブを残した。1982年にはまたもリリーフに転向し、15勝8敗26セーブ、40セーブポイントで最優秀救援投手のタイトルを獲得する。1984年には10勝24セーブで再び最優秀救援投手に輝き、セ・リーグを代表する守護神として君臨した。1984年オフ大リーグ移籍を球団に訴え、ロサンゼルス・ドジャースに入団がほぼ決まりかけていた。事前に渡米し、練習にも参加、年俸も住む家も背番号25も決まっていたが、当時はFA制度はなく球団の保有権の問題もクリアできず断念した。本人はそのドジャースのユニフォームも持っていて阪神のユニフォームより大事にしているという。
1985年には中西清起とのダブルストッパーで、5勝11セーブを挙げ、21年ぶりのリーグ優勝の原動力となるが、9月にナゴヤ球場での中日戦の試合前練習中にアキレス腱を断裂し、シーズン終盤は出場できなかった。翌年は11勝15セーブを挙げて復活。兼任投手コーチとなった1988年に引退。700登板は球団最多記録。先発でも抑えでも好成績を残した。打撃も優れており、阪神甲子園球場のバックスクリーンに本塁打を放ったこともある。
またチーム3試合連続満塁本塁打の日本記録にも貢献している。（その試合（1981年6月23日、対広島戦）では満塁本塁打を打ったあと、今度は広島の山本浩二に満塁本塁打を打たれるという珍記録も残している）自身は石橋貢（大洋）や中井康之（巨人）のような伏兵の右打者に本塁打を打たれるということがあった。引退後は朝日放送の野球解説者、1994年から2年間の広島投手コーチを経て、NHKの野球解説者に就任。
[編集] 略歴
- 身長・体重：175cm 78kg
- 投打：左投左打
- 出身地：広島県広島市
- 血液型：B型
- 球歴・入団経緯：広島商高 - 亜大 - 阪神（1972年～1988年）- ABC野球解説 - 広島コーチ（1994年～1995年）- NHK野球解説
- プロ入り年度・ドラフト順位：1971年（1位）
- 英語表記：YAMAMOTO
- 守備位置：投手
[編集] 通算成績
- 700試合 116勝 106敗 130セーブ 40完投 6完封 1252奪三振 1817 2/3投球回 防御率3.66
[編集] タイトル・表彰
- 最優秀救援投手 2回（1982年、1984年）
[編集] 現在の出演番組
[編集] 関連項目
カテゴリ: 日本の野球選手 | 亜細亜大学硬式野球部の選手 | 阪神タイガース及びその前身球団の選手 | 野球解説者 | 広島県出身の人物 | 1949年生
