悪魔が来りて笛を吹く
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
悪魔が来りて笛を吹く(あくまがきたりてふえをふく) は、推理作家横溝正史が著した長編推理小説、及び、それを原作とした映画・テレビドラマ作品である。現在(2007年1月)までに映画2本、テレビドラマ4作品が制作されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
昭和22年(1947年)9月28日、金田一耕助の元を訪れたのは、この春、世間をにぎわした天銀堂事件の容疑を受け失踪し、4月14日、信州霧ケ峰でその遺体が発見された椿英輔・元子爵の娘、美禰子(みねこ)だった。
「……父はこれ以上の屈辱、不名誉に耐えていくことは出来ないのだ。由緒ある椿の家名も、これが暴露されると、泥沼のなかへ落ちてしまう。ああ、悪魔が来りて笛を吹く。……」
父が残した遺書を持参した美禰子は、母・秋子[1](あきこ)が父らしい人物を目撃したと怯えていることから、父が本当に生きているのかどうか、明晩、砂占いを行うことになったことを説明した後、金田一耕助にその砂占いへの同席を依頼する。そしてその砂占いの後、椿邸に居候している玉虫公丸・元伯爵が何者かによって殺されてしまう…。
戦後の混乱と貴族没落、近親相姦を扱ったインモラルな性描写を濃厚に示す作品である。帝銀事件や斜陽などの要素を取り込み横溝が得意とした田舎の因習とはまた異なった陰惨さや本格推理小説の定番「密室殺人」を扱い、他作品とは違った雰囲気をかもし出し作者の人気作品のひとつとなっている。
[編集] 主な登場人物
- 金田一耕助 (私立探偵)
- 等々力大志 (警視庁警部)
[編集] 椿家関係者
- 椿英輔 (つばき ひですけ・子爵)
- 秋子 (あきこ・英輔の妻)
- 美禰子 (みねこ・英輔の娘。禰は示偏に爾)
- 信乃 (秋子の乳母)
- 三島東太郎 (英輔の友人の遺児)
- お種 (女中)
- 目賀重亮 (秋子の主治医・愛人)
[編集] 新宮家関係者
- 新宮利彦 (秋子の兄。子爵)
- 華子 (利彦の妻)
- 一彦 (利彦の息子)
[編集] 玉虫家関係者
- 玉虫公丸 (秋子の伯父。伯爵)
- 菊江 (玉虫伯爵の妾)