有田陶器市
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有田陶器市(ありたとうきいち)とは毎年5月、ゴールデンウィークの始めに佐賀県西松浦郡有田町で開催される、陶磁器を販売するイベント。
有田焼など「陶器の町」として知られる有田ならではの有名なイベントで2003年で100回目を数えた伝統がある。メインストリートの皿山通りには様々な陶器が並び、100円という手軽な値段のものから何百万もする豪華なものまでバラエティーに富んだ陶器が販売される。
1896年に香蘭社社長・九代深川栄佐衛門・有田磁器合資会社社長田代呈一を中心に「陶磁器品評会」が始まり、1915年より陶磁器品評会に併せて陶磁器店が在庫品の「蔵ざらえ販売」を始めたのが現在の陶器市の姿になっている。ちなみに「陶磁器品評会」は現在「九州山口陶磁展」となっている。
[編集] 臨時列車「有田陶器市号」
陶器市の最寄り駅である九州旅客鉄道有田駅・上有田駅に向かう臨時列車「有田陶器市号」が設定されている。現在は快速列車のみの運転だが、かつては特急列車・急行列車の設定もあり、1999年までは特急・急行・快速の3種別の列車が走っていた。
なお特に注釈をつけない限り、全列車鹿児島本線・長崎本線・佐世保線経由である。
- 特急「有田陶器市号」:主に博多駅~早岐駅間を485系電車を用いて運行していた。1日2往復の運転が多かったが、このうち1往復ではハウステンボス駅発着の臨時特急「ハウステンボス81・82号」に併結する形を取った。通常特急は通過する上有田駅に特急「みどり」の一部とともに停車し、便宜を図っていた。1999年を最後に「有田陶器市号」としての運行はなくなり、現在は「みどり」の臨時列車として運行している。なお、この臨時「みどり」の一部には通常佐世保線には乗り入れない787系電車が充当されている。
- 急行「有田陶器市号」:主に熊本駅~有田駅間を58・65系気動車を用いて運行していた。1日1往復の設定である。通常この区間に乗車する時は必ず鳥栖駅で乗り換えないといけないが、この列車では乗り換えなくていいというメリットがあった。だが鳥栖駅でスイッチバックを行うこともあって全区間で3時間近くかかり、特急乗り換えの場合と比べて1時間近い差が生じることから利用は伸び悩んだ。末期は上有田駅発着に短縮したりもしたが、2004年の設定を最後に設定されていない。なお、これ以降JR九州管内では臨時列車も含めて急行は全く運転されていない。
- 快速「有田陶器市号」:主に門司港駅・南福岡駅~有田駅(下りは早岐駅)間を811系電車・813系電車などを用いて運行されるものと、上有田駅~長崎駅間を佐世保線・大村線・長崎本線(市布駅回り)経由で58・66系気動車を用いて運行されるものに分かれる。前者は約5往復、後者は1往復の設定である。この列車も通常乗り換えが必要な区間を走り、しかも乗車券だけで乗れるので人気が高い。
この他にも、「有田陶器市号」車両を間合い利用して、時刻表にはない臨時列車が走ることもある。この列車は主に上有田駅~早岐駅間の運転である。
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