大村線
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大村線(おおむらせん)は、長崎県佐世保市の早岐駅から長崎県諫早市の諫早駅に至る九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(地方交通線)である。
大村湾の東側に沿って走り長崎県の佐世保市と長崎市を結んでいる。長崎県内のみを走る線区としてはJRでは唯一の存在である。全線でワンマン運転を実施している。
特急「ハウステンボス」が乗り入れるため、早岐~ハウステンボスのみ電化されている。
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[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):47.6km
- 軌間:1067mm
- 駅数:13駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:
- 早岐~ハウステンボス間電化(交流20,000V・60Hz)
- ハウステンボス~諫早間非電化
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
[編集] 運行形態
[編集] 優等列車
優等列車としてハウステンボスオープン時(1992年)から博多~ハウステンボス間に特急「ハウステンボス」が運転されている。
1999年、佐世保~長崎間に特急「シーボルト」が設定されたがシーサイドライナーとさほど所要時間が変わらないことなどから利用が振わず、2003年に廃止されている。
[編集] 普通列車
普通列車は、殆どが早岐駅から佐世保線の佐世保駅、諫早駅から長崎本線の長崎駅へ乗り入れる。また、都市間連絡列車として佐世保~長崎間に快速「シーサイドライナー」が多数運転されている。普通・快速列車には臨時列車を除きキハ66・67系気動車やキハ200系気動車が使用されている。ハウステンボス~早岐間には817系電車やキハ66・67系を使用したシャトル列車が運行され、早岐駅で特急「みどり」と接続している。
なお、快速「シーサイドライナー」の一部が佐世保駅から松浦鉄道西九州線佐々駅まで乗り入れていたが、2006年3月18日のダイヤ改正から中止されている。
[編集] 使用車両
- キハ66・67系気動車(全線)
- キハ200系気動車(全線)
- 783系電車(ハウステンボス~早岐間、特急ハウステンボス)
- 817系電車(ハウステンボス~早岐間、ハウステンボスリレー号)
[編集] 歴史
大村線は鳥栖と長崎を結ぶ長崎線として九州鉄道により建設されたもので、1907年に鉄道国有法により官設鉄道に編入された。現在の長崎本線のルート(有明線)が開通した1934年に長崎本線から分離され、大村線となった。
- 1898年1月20日 【開業】九州鉄道長崎線 早岐~大村 【駅新設】南風崎、川棚、彼杵、松原、大村
- 1898年11月27日 【延伸開業】大村~諫早~長与(鳥栖~長崎間が全通) 【駅新設】諫早 ※関係分のみ
- 1907年7月1日 【買収・国有化】九州鉄道→官設鉄道
- 1909年10月12日 【国有鉄道線路名称制定】長崎本線 鳥栖~早岐~長崎
- 1922年5月25日 【駅新設】竹松
- 1928年4月20日 【駅新設】千綿
- 1934年12月1日 【路線分離】大村線早岐~諫早
- 1944年10月21日 【駅新設】小串郷
- 1945年4月20日 【駅新設】岩松
- 1987年4月1日 【承継】九州旅客鉄道 【貨物営業廃止】全線
- 1989年3月11日 【駅新設】諏訪
- 1992年3月10日 【駅新設】ハウステンボス 【電化】早岐~ハウステンボス(交流60Hz・20kV)
- 2002年3月23日 ワンマン運転開始。
[編集] 駅一覧
駅名 | 早岐からの営業キロ | 快速 シーサイドライナー |
接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
佐世保線佐世保駅まで直通運転 | |||||
早岐駅 | 0.0 | ● | 九州旅客鉄道:佐世保線 | 長崎県 | 佐世保市 |
ハウステンボス駅 | 4.7 | ● | |||
南風崎駅 | 5.6 | | | |||
小串郷駅 | 9.6 | | | 東彼杵郡川棚町 | ||
川棚駅 | 13.6 | ● | |||
彼杵駅 | 19.6 | ● | 東彼杵郡東彼杵町 | ||
千綿駅 | 24.0 | | | |||
松原駅 | 28.5 | | | 大村市 | ||
竹松駅 | 32.8 | ● | |||
諏訪駅 | 34.8 | | | |||
大村駅 | 36.2 | ● | |||
岩松駅 | 40.0 | | | |||
諫早駅 | 47.6 | ● | 九州旅客鉄道:長崎本線 島原鉄道:島原鉄道線 |
諫早市 | |
長崎本線長崎駅まで直通運転 |
- ●:停車、▲:一部の列車が停車、|:通過