神戸電鉄有馬線
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有馬線(ありません)は、兵庫県神戸市兵庫区の湊川駅から同市北区の有馬温泉駅までを結ぶ神戸電鉄の鉄道路線。
六甲山地を50‰の勾配で越えて、神戸と古くからの温泉地である有馬温泉を結んでいる。各駅周辺には住宅地が広がり神戸市中心部への通勤・通学路線となっている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):22.5km
- 軌間:1067mm
- 駅数:17駅(起終点駅・休止駅含む)
- 複線区間:湊川~有馬口間複線、有馬口~有馬温泉間単線
- 電化区間:全線電化(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
[編集] 運行形態
神戸電鉄は神戸高速鉄道南北線の第二種鉄道事業者であり、全ての列車が神戸高速鉄道に直通し新開地駅発着となっている。
ほとんどの列車が三田線・粟生線へ直通するが、朝夕に新開地~有馬温泉間の列車がある。このほか、新開地~鈴蘭台・西鈴蘭台間、有馬口~有馬温泉間の区間列車がある。ラッシュ時の一部列車と5両編成を除き、全線でワンマン運転を行っている。
最近は谷上からの北神急行の延伸で三宮までの所要時間が短縮されたが、運賃は通しの計算でないために割高になっている(皮肉にも距離が長くなる新開地駅経由のほうが安い設定になっている)。そのために箕谷方面へは新神戸トンネル有料道路を経由する神戸市バス(64号系統)に、三田方面へは神姫バスの同じく有料道路を経由する特急バスに苦戦を強いられている。
優等列車の変遷は激しく、沿線の開発度合に応じて準急以外の各列車の停車駅は度々変更されている。
[編集] 列車種別
- 特快速
- 有馬線・三田線における最速達種別であるが、朝に三田駅発新開地駅行きが1日2本(土曜・休日は1本)運行されているのみである。三田線においては唯一線内で通過駅のある種別でもある。
- 英語で特快速は"Special Rapid Exp."、快速は"Rapid Exp."と書かれることから、神戸電鉄では他社の「快速急行」を短縮して「快速」と呼んでおり、それぞれ「特別快速急行」「快速急行」と同じ意味で使用している、ということが伺える(近鉄大阪線でも「区間快速急行」を短縮して「区間快速」と呼んでいる例があるが、神戸電鉄の場合は短縮形が正式な種別名である)。
- 急行
- ラッシュ時のみ運転で、ラッシュ時の速達列車の中心である種別。三田線方面の列車が多いが、一部粟生線方面への運転もある。
- 準急
- 終日運転されており、鈴蘭台駅以北は各駅に停車する。ただし日中は、上りは三田線方面のみ、下りは粟生線方面のみの運転である(日中下りの三田線方面、日中上りの粟生線方面はすべて各駅停車となる)。
- 普通
- 各駅に停車する。日中の鈴蘭台~有馬口~三田駅間では、上りは準急が運転されているため下りのみの運転となっている(逆に粟生線内では日中の下り普通はごくわずかしか運転されない)。
- また、有馬口~有馬温泉間はラッシュ時の一部列車を除き、すべてこの区間折り返しの普通列車のみとなっている。
- 菊水山駅営業時は鈴蘭台発着便など一部を除き、普通列車を名乗っていても菊水山を通過していた。
[編集] 過去の列車種別
- 特急
- 1990年代の一時期だけ設定されていた。しかし、新開地~三田間トータルでも普通との所要時間の差は10分程度と短縮効果が薄かったことから廃止、特快速に格下げされた。廃止前の停車駅は湊川、鈴蘭台、北鈴蘭台、山の街、谷上、有馬口、岡場、道場南口、横山であった。
- 快速
- 新開地~三田間にラッシュ時のみ運行されていた。急行より停車駅が2駅少ない(大池と唐櫃台を通過)。ちなみに「快速」が「急行」より停車駅が少ない列車種別である路線は、他に京成押上線や東武伊勢崎線・東武日光線(2006年3月18日以降)がある。
- 2007年3月31日に行われたダイヤ改正で急行に変更されたことに伴い全便休止。
[編集] 歴史
- 1928年(昭和3年)11月28日 湊川~電鉄有馬(現在の有馬温泉)間が開業。
- 1929年(昭和4年)10月10日 六甲北口駅を六甲登山口駅に改称。
- 1932年(昭和7年)8月1日 小部駅を鈴蘭台駅に改称。
- 1935年(昭和10年)3月15日 峠駅を山の街駅に改称。
- 1940年(昭和15年)10月5日 菊水山駅開業。
- 1948年(昭和23年)10月1日 鷹取道駅を丸山駅に改称。
- 1951年(昭和26年)3月20日 唐櫃駅を有馬温泉口駅に改称。
- 1952年(昭和27年)10月1日 丸山駅を電鉄丸山駅に改称。
- 1954年(昭和29年)9月1日 有馬温泉口駅を有馬口駅に改称。
- 1965年(昭和40年)1月26日 鈴蘭台~谷上間複線化。
- 1965年(昭和40年)12月1日 花山駅開業。
- 1966年(昭和41年)3月1日 谷上~有馬口間複線化。
- 1966年(昭和41年)7月1日 唐櫃台駅開業。
- 1968年(昭和43年)4月7日 神戸高速鉄道新開地駅に乗入れ開始。湊川駅地下化。
- 1970年(昭和45年)4月6日 北鈴蘭台駅開業。
- 1975年(昭和50年)6月15日 新有馬駅休止。
- 1988年(昭和63年)3月27日 同年4月2日の北神急行電鉄北神線開業に伴い谷上駅移転、同駅付近経路変更。
- 1988年(昭和63年)4月1日 電鉄丸山駅を丸山駅に、六甲登山口駅を神鉄六甲駅に改称。
- 1990年(平成2年)10月20日 道場川原駅を神鉄道場駅に改称。
- 1995年(平成7年)1月17日 兵庫県南部地震で被災。
- 1995年(平成7年)1月19日 鈴蘭台~有馬口間運転再開。
- 1995年(平成7年)2月7日 鈴蘭台~神鉄長田間運転再開。
- 1995年(平成7年)3月31日 有馬口~有馬温泉間運転再開。
- 1995年(平成7年)6月22日 神鉄長田~湊川間運転再開し全線開通。
- 1995年(平成7年)9月10日 ダム建設に伴い菊水山~鈴蘭台間が経路変更。
- 2001年(平成13年)6月23日 有馬口~有馬温泉間ワンマン運転開始。
- 2004年(平成16年)1月11日 新開地~鈴蘭台間ワンマン運転開始。
- 2005年(平成17年)3月26日 有馬線・三田線ワンマン習熟運転開始、菊水山駅休止。
- 2005年(平成17年)6月1日 ラッシュ時の一部列車を除き、全線ワンマン運転開始。
[編集] 駅一覧
- ●:停車、|↑:通過、↑片方向のみ運転。
- 特快速:毎朝、新開地行きのみ運転。
駅名 | よみがな | 湊川からの営業キロ | 普通 | 準急 | 急行 | 特快速 | 接続路線 | 所在地 | |
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神戸高速線 | |||||||||
新開地駅 | しんかいち | 0.4 | ● | ● | ● | ● | 神戸高速鉄道東西線 | 神戸市兵庫区 | |
有馬線 | |||||||||
湊川駅 | みなとがわ | 0.0 | ● | ● | ● | ● | 神戸高速鉄道南北線、神戸市営地下鉄西神・山手線(湊川公園駅) | 神戸市兵庫区 | |
長田駅 | ながた | 1.9 | ● | ● | | | ↑ | 神戸市長田区 | ||
丸山駅 | まるやま | 2.6 | ● | | | | | ↑ | |||
鵯越駅 | ひよどりごえ | 3.6 | ● | | | | | ↑ | 神戸市兵庫区 | ||
菊水山駅(休止中) | きくすいやま | 4.6 | | | | | | | ↑ | 神戸市北区 | ||
鈴蘭台駅 | すずらんだい | 7.5 | ● | ● | ● | ● | 神戸電鉄粟生線 | ||
北鈴蘭台駅 | きたすずらんだい | 9.4 | ● | ● | ● | ● | |||
山の街駅 | やまのまち | 10.3 | ● | ● | ● | ● | |||
箕谷駅 | みのたに | 12.0 | ● | ● | | | ↑ | |||
谷上駅 | たにがみ | 13.7 | ● | ● | ● | ● | 北神急行電鉄北神線 | ||
花山駅 | はなやま | 15.4 | ● | ● | | | ↑ | |||
大池駅 | おおいけ | 17.1 | ● | ● | ● | ↑ | |||
神鉄六甲駅 | しんてつろっこう | 18.1 | ● | ● | | | ↑ | |||
唐櫃台駅 | からとだい | 18.9 | ● | ● | ● | ↑ | |||
有馬口駅 | ありまぐち | 20.0 | ● | ● | ● | ↑ | 神戸電鉄三田線(直通運転) | ||
新有馬駅(休止中) | しんありま | 21.8 | | | | | 全列車三田線直通 | ||||
有馬温泉駅 | ありまおんせん | 22.5 | ● | ● |