兵庫県南部地震
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兵庫県南部地震(ひょうごけんなんぶじしん)は、気象庁命名の正式名称を平成7年(1995年)兵庫県南部地震といい、日本時間の平成7年(1995年)1月17日火曜日午前5時46分52秒に発生した地震である。多くの被害を出した、阪神・淡路大震災の原因となる。
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[編集] 本震
- 1995年1月17日 火曜日 午前5時46分52秒(JST)
- 震源 : 兵庫県津名郡北淡町(現・淡路市)の北緯34度36分、東経135度02分、深さ16キロの活断層(六甲─淡路断層帯)
- 地震の規模 : マグニチュード7.2(後に7.3に修正)
- 各地の震度
- 最大震度:震度7 - 神戸市須磨区鷹取、長田区大橋、兵庫区大開、中央区三宮、灘区六甲道、東灘区住吉、芦屋市芦屋駅付近、西宮市、宝塚市、淡路島の津名郡北淡町・一宮町・津名町(現・淡路市)の一部
- 震度6 - 神戸、洲本
- 震度5 - 京都、彦根、豊岡
- 震度4 - 岐阜、四日市、上野、福井、敦賀、津、和歌山、姫路、舞鶴、大阪、堺、枚方、高松、岡山、徳島、津山、多度津、鳥取、福山、高知、境、呉、奈良
- 震度3 - 山口、萩、尾鷲、伊良湖、富山、飯田、諏訪、金沢、潮岬、松江、米子、室戸岬、松山、広島、西郷、輪島、名古屋、大分
- 震度2 - 高田、長野、松本、軽井沢、横浜、河口湖、甲府、伏木、高山、静岡、三島、御前崎、浜松、下関、宇和島、宿毛、日田、熊本、人吉、宮崎、都城
- 震度1 - 新潟、小名浜、前橋、宇都宮、水戸、熊谷、秩父、柿岡、東京、千葉、館山、綱代、足摺、福岡、佐賀、佐世保、平戸、阿蘇山、延岡、鹿児島
- (当初の発表は震度計による測定での震度6が最高。震度7は、倒壊家屋の割合が3割を超えた場合で、現地調査によって判定されていた。気象庁が、正式に震度7の地域を発表したのは 2月7日だった。翌年、震度の決定方法が見直され、震度7についても震度計と呼ばれる機械による測定に移行した。この地震で初めて震度7が適用された。)
[編集] 余震
余震の推移を見ると、震度0以上の地震が、本震以後の1995年で2360回、1996年と1997年がともに100回台と、次第に回数が減少し、規模も小さくなっている。最大余震は本震と同日の午前5時50分に起こったM5.2の地震で、神戸で震度4を観測した。
[編集] 構造
余震の分布などから、兵庫県南部地震を起こした断層は六甲-淡路断層帯と呼ばれる断層帯であることが分かった。六甲-淡路断層帯の内この地震で動いたのは、淡路島北側の江井崎から伊丹市中心部付近まで、南西から北東に伸びる約50km、深さ約18km~5kmの断層面であった。野島断層は、この地下の六甲-淡路断層帯が動いたことによって断層のずれが地上にまで現れた部分である。
[編集] 「前震」と前兆現象
本震前日の1月16日の18時28分、明石海峡付近を震源とするM3.3の地震が発生し、神戸で震度1を観測したのを始まりに、16日中に計4回の小さな地震が観測された。これは大方のところ、翌日の大地震の前震だったと見られている。しかし、当時も含め現在、前震から大地震の発生を予測するのは困難であるとされる。これは、無数にある地震のパターンからどのようなものが前震であるかいまだに見つけられていないこと[1]や、前震を捕らえるためには特定の地域を精密に長期的に観測し続けることが必要なことなどが理由として挙げられる。ただ、前震と本震との関連性やパターンが明らかになれば、大地震の予知につながるものだとされ、研究が行われている。
[編集] 関連項目
[編集] 出典・外部リンク
- 兵庫県南部地震の震源断層について 地下構造研究所
- 1995年兵庫県南部地震の余震分布
- 兵庫県南部地震の前震波形の特異性について 京都大学防災研究所 地震予知研究センター