農業委員会
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農業委員会(のうぎょういいんかい)は、市町村に置かれる行政委員会で、その職務は、別に法律の定めるところにより、自作農の創設及び維持、農地等の利用関係の調整、農地の交換分合その他農地に関する事務を執行する(地方自治法第202条の2第4項)ことである。
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[編集] 法的根拠
地方自治法のほか、農業委員会等に関する法律に規定されている。
[編集] 委員会
- 農業委員会は、各市町村に1つの委員会を置くのを原則とするが、その区域内の農地面積が200ヘクタール未満(北海道では800ヘクタール未満)の場合には委員会を置かないことができ、市町村の区域又は農地面積が著しく大きい場合で政令で定めるものは、市町村の区域を2つ以上に分けて、各々の区域に農業委員会を置くことができる。
- 農業委員会は次に掲げる委員により組織される。
- 委員の選挙
- 選挙権・被選挙権
- 農業委員の選挙権及び被選挙権は、区域内に住所を有する20歳以上の者のうち、10アール以上(北海道では30アール以上)の農地について耕作の業務を営む者またはその同居の親族・配偶者等に限られる。
- 農業委員の選挙人名簿は毎年1月1日時点で上記の要件を満たす者を本人からの申請に基づいて登載し、3月31日をもって確定する。以後1年間は確定した選挙人名簿に基づいて選挙等が行われる。
- 委員の任期
- 選挙による委員 3年
- 選任による委員 選挙による委員の任期満了の日または推薦団体の理事等でなくなった日まで
- 会長・部会
- 農業委員会に会長が置かれ、また、委員会の下に部会が置かれる。
- 部会の所掌に属せられた事項に関し、部会の議決をもって、当該農業委員会の決定とする。
[編集] 委員会の位置付け、設置の背景
一般に都市部に居住している者には馴染みが薄いものであるが、教育委員会などと同様、市町村単位で設置が義務付けられている。主に、農地売買や農地転用(例えば水田から宅地へ)に際し、乱開発を監視・抑止する役目を担っている。原則として、農地は農家同士の売買以外は認められず、都市計画の用途指定区域にある農地以外を除き簡単に宅地などへ地目変更できない(用途指定区域の農地についても届出は必要)。このことは、農業委員会が許可しないためである。その背景には、農地は個人所有の不動産でありながら国民の大切な食料を生産する公共的役目を持つ一面も有しているからである。よって、所有者の個人的意志のみで勝手に売買処分や地目の変更はできず、一定の制限が課せられているかわりに、固定資産税などは低く抑えられている。
[編集] 複数の農業委員会が設置されている市町村(2006年9月1日現在)
()内は農業委員会数
- 北海道
- 宮城県
- 大崎市(2)
- 秋田県
- 大仙市(2)
- 群馬県
- 神奈川県
- 岐阜県
- 静岡県
- 浜松市(4)
- 新潟県
- 新潟市(6)
- 京都府
- 京都市(2)
- 山口県
- 福岡県
- 北九州市(2)
- 鹿児島県
- 薩摩川内市(2)
[編集] 農業委員会が設置されていない市区町村(2006年9月1日現在)
[編集] 外部リンク
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