陸戦型ザクII
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陸戦型ザクII(りくせんがたザクツー、GROUND TYPE ZAKU II)は、ガンダムシリーズのうち、宇宙世紀を舞台とするアニメなどに登場する、架空の兵器。ジオン公国軍の陸戦用量産型モビルスーツである。地上用とも呼ばれるほか、型式番号からJ型とも呼ばれる。(型式番号:MS-06J)
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[編集] 機体解説
陸戦型ザクII(J型) | |
型式番号 | MS-06J |
所属 | ジオン公国軍 |
建造 | ジオニック社 |
頭頂高 | 17.5m |
本体重量 | 56.2t |
全備重量 | 74.5t |
ジェネレーター出力 | 976kW |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | 120mmザク・マシンガン 280mmザク・バズーカ ヒート・ホーク クラッカー 3連装ミサイルポッド 175mmマゼラトップ砲 他 |
主な搭乗者 | トーマス・クルツ キリー・ギャレット |
本来ザクIやザクIIは宇宙空間だけでなく、コロニー内部のような大気のある重力下での使用も考えられてはいたが、ジオン公国軍は地球侵攻作戦に向けて地上での運用を前提とした陸戦用モビルスーツの開発に着手した。しかしながらジオン本国のコロニー内では遠心力による擬似的な重力でしか発生できず、またモビルスーツの本格的な試験を行うにはあまりにも狭い空間であった。そのため十分なデータを収集することができず、シミュレーションを用いても純粋な局地戦用モビルスーツの開発をすることは難しいという結論に達した。そこでザクII F型の高い汎用性(実際に第一次降下作戦に参加したザクIIの殆どがF型であった)に着目し、陸戦型への仕様変更することで対処した機体が本機である。
開発はキャリフォルニアベースで行われ、第一次降下作戦にテストを兼ねて参加している。生産はキャリフォルニアベース、グラナダで行われたが、地球攻撃軍の工作部隊によってもF型からの現地改修が行われた(ノンオプションで地上でも運用可能と言われていたF型であったが、実際には重力下での運用や地形、気候の変化に十分対応できたとは言い難かった)。中期生産型であるF型をベースに推進剤の搭載量削減や宇宙用の装備を取り除き軽量化が図られている。また、ジェネレーターの冷却機構の空冷化、地上での防塵対策など手を加えられ、稼働時間や機動性が改善された。しかし本来の気密性は維持されており、短時間であれば水中や宇宙空間でも稼動することができる。
本機は戦場が宇宙に移行した一年戦争末期にはコロニーや宇宙要塞の工場での量産の必要が無くなり、ズゴックがゼーゴックに改造されたのと同様、融合炉や武装、モノアイなどのコンポーネントがモビルポッドオッゴに流用されることとなった。
[編集] 武装
基本的にF型などと同じであるが、クラッカー、3連装ミサイルポッド、マゼラトップ砲が新たに開発されている。
クラッカーはMS用の手榴弾であり投擲後、6つの弾頭が分離して爆発し威力を増大させる。同様の武器は地球連邦軍側でも開発され、ガンキャノンやガンキャノン重装型に装備されている。
マゼラトップ砲は、口径175mmのマゼラアタックの主砲を取り外してザクに携帯させたものである。この砲は「ガンダムセンチュリー」などでは無反動砲とされているが、劇中それを表す描写は無く、また後述するようにAPFSDSを使用することから説得力に欠ける設定である。また、『第08MS小隊』の劇中の台詞により、使用する弾薬がHEATおよびAPFSDS弾(台詞ではペネトレーター弾)であることが確認できる。これは近距離ならガンダムのシールドを一撃で粉砕したり、陸戦型ガンダムの脚部を損傷できる程度の破壊力を持つ。
[編集] マイナーバージョン
「第08MS小隊」に登場した機体はバンダイのマスターグレード・ザクの設定が元になっており、このためTVシリーズのザクとは各部形状が異なる。さらに、キットとはコクピット周りが異なり乗り込み方が変っており、またシールドにもスパイクが付き、後のプラモデルやトイでは「JC型」と命名されている。
[編集] 劇中での活躍
後述する設定の変遷によりTVシリーズおよび劇場版『機動戦士ガンダム』において、宇宙戦で登場するザクIIをF型、地上戦で登場するザクIIを陸戦型(全てとは限らないが)と解釈するのが一般的となっている。劇中ではランバ・ラル隊のザクがクラッカーを使用している。
OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』でJ型(資料によってはJC型)と設定された機体が登場し、陸戦型ジム相手におおむね互角に戦っている。
OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』では連邦軍に捕獲使用されていたり、また宇宙への撤退時に自衛のため宇宙空間に出てきて「溺れて」しまい、ボールに一方的に屠られるという悲惨な描写もある。
なお、ゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』は地上戦をモデルとしたゲームだが、このゲームに登場するザクIIは何故かF型である(ただしF型は無改造で重力下での運用が可能である)。
[編集] 設定の変遷
TVシリーズおよび劇場版『機動戦士ガンダム』の放映当時、ザクIIはシャア専用機以外には区別がなかった。放映後に出版されたムック「ガンダムセンチュリー」で初めてJ型が設定され、これはバンダイのプラモデルの設定であるMSVにも引き継がれた。これを境に各資料でJ型の存在は述べられるものの、具体的な違いは映像で表現されておらず非公式な存在であった。その後、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』でJ型(またはJC型)として、次いで『MS IGLOO』では「J型」と台詞で語られ、晴れて公式設定となった。
また、最初の『機動戦士ガンダム』に登場したクラッカー及び『MS IGLOO』でも登場した3連装ミサイルポッドは、劇中陸戦の場面でしか使用されず、MSVにおいて陸戦型ザクIIの武装であると設定されている。
なお、バンダイのプラモデル「1/100マスターグレード 量産型ザクII」では、組立の際にF型とJ型が選べるコンパーチブルモデルとなっており、初めて両タイプの違いを表現した。各部の姿勢制御サブスラスターや足裏のノズルの有無、ランドセルとバーニアの構造等が異なっている。
[編集] バリエーション
- MS-06J 陸戦用ザクII
- MS-06J 湿地帯用ザクII
- MS-06J 寒冷地用ザクII
- MS-06JC 陸戦用ザクII(JC型)
- MS-06G 陸戦型ザクII改修型
- MS-06D ザク・デザートタイプ
- MS-06D ディザート・ザク
- MS-06DRC ディザート・ザク・ロンメル・カスタム
- MS-06K(MS-06J-12) ザク・キャノン
- MS-06K ザク・キャノン(ラビットタイプ)
- MS-06L ミサイル装備型ザクII
※これ以外のバリエーションについては、ザクシリーズのバリエーションを参照。
[編集] ザク・デザートタイプ
ザク・デザートタイプ (ZAKU DEZART TYPE) は、アニメ『機動戦士ガンダム』に端を発したモビルスーツバリエーション (MSV) シリーズに登場する架空の兵器。ジオン公国軍の局地戦用モビルスーツ (MS) 。(型式番号:MS-06D)
[編集] 機体解説
ザク・デザートタイプ | |
型式番号 | MS-06D |
所属 | ジオン公国軍 |
建造 | ジオニック社 |
頭頂高 | 17.5m |
本体重量 | 61.3t |
全備重量 | 79.4t |
ジェネレーター出力 | 976kW |
スラスター総推力 | 42,900kg |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | 120mmマシンガン 3連装ミサイルポッド 2連装ミサイルポッド クラッカーポッド G92組立式砲座 |
主な搭乗者 | ロイ・グリンウッド カーミック・ロム |
一年戦争時、地球に侵攻したジオン軍はザクIIをベースに改良を加える事で、いくつかの局地対応機種を開発していった。主に固定武装を強化したMSはグフとして開発が進められており、地球侵攻部隊から最も要請が強かったアフリカ戦線用として熱帯・砂漠戦仕様に特化する形で本機は開発された。開発はキャリフォルニアベースにおいて陸戦型ザクIIをベースにこの実戦データを反映させて進められた。
機体の軽量化と出力の強化と一部装甲の強化と共に地上での冷却力の向上のためバックパックには大型の冷却装置が増設されている。また、広大なサバンナや砂漠地帯での移動力向上のため腰部と脚部に補助推進装置が設置されている。関節部には防塵用の処理が施されている。
頭部にはグフに先行する形で通信用アンテナが設置された。これには砂塵やスコールなどの環境での使用を考慮した三角錐状のマルチブレードアンテナ(シングルアンテナ)と、長短2種類(等長のタイプも確認されている)のロッドアンテナを側頭部に設置したもの(ダブルアンテナ)がある。
実戦テストを兼ねてダブルタイプが第5地上機動歩兵師団第1MS大隊A小隊(通称カラカル部隊)に配備された。この部隊はロイ・グリンウッド少佐を隊長とし、リビア砂漠からスエズ運河西岸を作戦地域とする特務部隊であり、ゲリラ戦法を得意とする。また、ピンクパンサー部隊にはシングルタイプが配備され、サハラ砂漠からジブラルタル海峡までを制圧、ジオン公国軍のヨーロッパ侵攻に寄与している。その他、中東西部に侵攻したアラビアンのパーソナルマークを使用するカーミック・ロム大尉の乗機が知られている(後に遊撃隊スコルピオに編成)。
前期にはシングルタイプ、ダブルタイプそれぞれ43機ずつ、後期にはシングルタイプのみが28機、計114機が生産された。一年戦争中期頃から実戦配備が行われ、全機がアフリカ戦線に投入された。配備数の少なかったドムに代わり、主力機として活躍した。
固定武装は左前腕部の増加装甲に装着されるラッツリバー3連装ミサイルポッド。また、作戦に応じて腰部両側のマウントラッチにラッツリバーP-3 2連装ミサイルポッド及び2基のクラッカーを内蔵するSA-712クラッカーポッドを装着することができる。更に頭部にはバルカン砲と思われれる開口部が2ヶ所確認できるがその詳細は明らかになっていない。携行武装として120mmマシンガン(型式番号:M-120AS)を用いる。これはザクII用に開発されたもの(型式番号:ZMC38III M-120A1)を改修したものでスコープを廃止し、バレルやストックが短いものとなっている。軽量化によって保持性が向上している。これらの武装はこれまでの実戦データが反映されており、陸戦型ザクIIのものより実戦向きなものとなっている。G92組立式砲座は分解することで4機で搬送し、目的地に於いて10分程度で組立が可能となっている。
[編集] 備考
初出はムック『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』に掲載されたイラストで、これを元にプラモデル企画「MSV」において詳しく設定された機体であり、アニメでの出番は無いが、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズ等には登場している。
[編集] ディザート・ザク
ディザート・ザク(DESERT-ZAKU)は、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する、旧ジオン軍の量産型モビルスーツである。(型式番号:MS-06D)FZ型のようにある程度のホバリング走行ができる。
- 既成のプラモデルの金型を一部流用して新たなバリエーションを作るという、商品化前提で作られた機体の一つ。
[編集] 機体解説
ディザート・ザク | |
型式番号 | MS-06D |
所属 | 旧ジオン公国軍残党・ロンメル部隊 アフリカ解放戦線・青の部隊 |
建造 | 旧ジオン公国軍 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 44.7t |
全備重量 | 69.5t |
ジェネレーター出力 | 1,440kW |
スラスター総推力 | 18,400kg |
センサー有効半径 | 8,800m |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | ロケットランチャー 改造ザクマシンガン クラッカーポッド 両刃型ヒートホーク ラッツリバー3連ミサイルポッド |
主な搭乗者 | ロンメル部隊兵士 青の部隊兵士 |
ジオン公国時代にザクIIのバリエーションのひとつとして開発されたザク・デザートタイプをベースに、地球連邦軍基地から奪った資材で改修した機体である。旧ジオン軍残党・ロンメル部隊やアフリカ解放戦線・青の部隊の主力である。 また、指揮官機としてザク・デザートタイプ[ダブルアンテナ]がある。 また、ロンメル部隊以外が使用する機体はレプリカという設定も存在する(「レプリカ」という設定か当時から曖昧なため、現在ではあまり語られない)。 目次へ移動する
[編集] 関連項目
- ガンダムシリーズの登場機動兵器一覧
- ザク
- ザクI
- ザクII
- ザクシリーズのバリエーション
- ザク・マリンタイプ
- ザクII強行偵察型
- 高機動型ザクII
- 作業用ザクII
- サイコミュ試験型ザクII
- グフ
- オッゴ
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テレビシリーズ: | 機動戦士ガンダム - Ζガンダム - ガンダムΖΖ - Vガンダム - Gガンダム - ガンダムW - ガンダムX - ∀ガンダム - ガンダムSEED - SEED DESTINY - SDガンダムフォース | |
OVA: | 0080 - 0083 - 第08MS小隊 - Endless Waltz - MS IGLOO - SEED STARGAZER - SD外伝 ジークジオン編 - - GUNDAM EVOLVE | |
劇場版: | 逆襲のシャア - ガンダムF91 - G-SAVIOUR - GUNDAM THE RIDE - グリーンダイバーズ - SD外伝 聖機兵物語 | |
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