高橋名人
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高橋名人(たかはし めいじん、1959年5月23日 - )は、1985年~1990年頃にかけて活躍した日本のファミコン名人。ハドソンの社員であり、2006年11月1日より社内での役職も「名人(部長待遇との事)」となった。北海道札幌市出身。 本名は高橋利幸(たかはしとしゆき)。
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[編集] 来歴
札幌市立琴似小学校出身(この小学校は高橋をモデルにしたマンガにもよく登場した)。北海道自動車短期大学中退後、スーパーマーケット(札幌フードセンター)勤務を経て、ハドソンに入社。コンシューマコンテンツ事業本部宣伝部に所属しているが、2006年11月1日付けのハドソン社内での人事発令により、社内での正式な役職も「名人」となった。
特技としてゲーム機のコントローラのボタンを1秒間に16回押すという16連打があり、日本で初めてチャンピオンシップロードランナーを全面クリアした実績を持つ。当時のファミリーコンピュータに夢中になっていた子供たちからの人気は高く、1986年にはライバルである毛利名人との対決を描いた映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」に主演。テレビアニメ「Bugってハニー」登場の高橋原人のモデルにもなった。コロコロコミックには『高橋名人物語』という漫画(河合一慶作)も連載された。主人公キャラとなった高橋名人の冒険島というゲームも発売された。
歌が上手いことで知られ、1986年に「Runner」で歌手デビューも果たしている。2002年以降、高橋名人が出演するライブイベント「高橋名人のBugってナイト」が何度か開催されている。また、2005年10月14日にはNHKテレビ「ポップジャム」に「project430 meets 高橋名人」として出演した。
ほか、1986年11月1日にはTBSテレビのクイズ番組『クイズダービー』にも5枠でゲスト出演した。
全盛期に比べるとメディアへの露出は減ったが、頭髪を剃ってスキンヘッドにしてハドソンで仕事をしている。「高橋名人は今どこで何をしているんだ?」という人が多いが、今も昔もハドソンの社員である。名人としての活動は、ハドソンのプロモーション活動と言える。また、東京ゲームショウのハドソンブースにもゲーム大会などでプレゼンターとして毎年出演している。
ゲームセンターCXが始まってから、メディアで再び取りざたされるようになった。本人も同番組にゲスト出演を果たしている。くしくも地上波TV番組復帰は2003年の12月24日であった。
2006年9月6日には、秋篠宮妃紀子様の御出産について偶然テレビ東京から街頭インタビューを受けた様子が放映され、大きな話題を呼んだ。これについては、後の項で述べる。
かつては「ズームイン!!朝!」の放送中、日本テレビのマイスタジオにいつも並んでいたという。
好物は激辛料理。普通の人では食べられないほどの激辛カレーも平気で食べることができる。
ゲームでは果物で体力回復し、ミルクで体力全回復する。しかし、本人も果物は好きであるが、ミルクはお腹を壊してしまうため飲めないそうである。ちなみに、パワーダウンアイテムに設定されているナスは平気で食べられるとのこと(「こすり合わせたときの音が嫌い」と言われる)。なお、そのゲームはもともと別キャラクターが主人公となる予定だった(もともとはセガのアーケードゲーム『ワンダーボーイ』をそのまま移植していた)が、ハドソン副社長の「名人を主人公にしたほうが面白い」という一言で開発中のゲームの主人公キャラクターを高橋名人にすりかえられることになっため、本人の特徴とは必ずしも一致しない設定となった。
高校時代に陸上部に入部したがトレーニングのジョギング中に山で野生化してしまい一日で退部となったらしい。
猫が大好き。
[編集] 高橋名人物語
河合一慶による、高橋名人の半生を描いた漫画。コロコロコミックに連載された。彼の家族・兄弟や、母校である札幌市の母校の小学校での伝説や、少年時代の高橋の武勇伝などがギャグを交えて描かれている。
- エピソードの数々
- 名人がタイムスリップして戦国時代にワープ、服部半蔵に忍術や「サッポロ取り」を教えた。
- 小学校時代の校長が『水戸黄門』のごとく印籠ならぬ手帳を手に「わしが校長であーる!!」とやっている。
- 高橋の通っていた小学校で起きた「UFO事件」(その後、高橋らの卒業の年に学校に記念として鳥小屋を贈った)。
- 中学校時代では陸上部に入部したものの、砲丸投げで力が入りすぎて校舎に命中してしまい、校舎が全壊、野外授業になった。
- 不死鳥の血をめぐって悪党と対決する。
- 生まれて来る時、へその緒で首が絞まって呼吸困難に陥ったが、自力で引きちぎって産声を上げた。
- トカゲソ(トカゲのしっぽ)を食べると筋肉隆々になり一時的にパワーアップする。
- ゴキブリと意思疎通ができ、幻の料理「ブリバーグ」を伝授される。
注:本作品はあくまで高橋名人をモデルにして面白おかしく話を膨らませたフィクションであるが、本気にする子供も多かった。
なお、同時期に同誌に連載された「ファミコン探偵団」ではこのマンガとは対照的に至って真面目なキャラクターとして描かれている。
[編集] 16連打
16連打とは、毎秒16回の速さでボタンなどを押すこと。高橋名人の特技として、1980年代半ばにファミコン少年の間で話題となった。
なお、16連射と表記している文章を数多く見かけるが、正しい技名は16連打である。
ハドソン(高橋名人は同社の社員)が連射速度測定玩具『シュウォッチ』を発売したり、同社のゲーム『迷宮組曲』に連射速度測定機能が搭載されるなど、一種の連射ブームが起こった。夏休みのイベントとして行われたシューティングキャラバンでは、スターソルジャーを基に連射回数の測定のみを目的としたソフトも登場した(但し展示のみであり、市販はされていない)。
高橋名人が登場する映画『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』では、16連打でスイカを割るシーンが登場するが、製作側が試行錯誤をこらしてやったトリック(16SHOT RADIOでの名人本人の言葉)であるとのこと。
現在は体力の衰えもあり、16連打は不可能だといわれており、本人によると現在は13連打が限度との事である。また、全盛期でも短い時間だけ16連打ができただけであり、プレイ中常に16連打を継続していたわけではない。なお、全盛期にシュウォッチでスコア170以上(17連打/秒以上)の記録を出した事がある。当初から瞬間速度では16連打以上も可能だったが、語呂の良さや仕事柄16進数に親しみがあったなどの理由から16連打ということにした、と後に語っている。
2005年12月8日にテレビ朝日の深夜番組「やぐちひとり」に出演した際に、連打の速度を計ってみたところ12連打/秒であった。その後「あぁ…全然駄目だ恥ずかしい」との発言を残している。のちの2006年8月にPodcastによるインターネットラジオ内で行った10秒間の連打数計測では、1回目が127回、2回目は125回(12.5~12.7連打/秒)の記録であった。
[編集] 「ゲームは1日1時間」
ファミコンブームの1985年~1987年頃、勉強でも何でもやりすぎは良くない、ゲームにだけ夢中にならず、いろいろなことを経験しようという意味を込めて高橋名人が放っていたメッセージ。このメッセージが最初に放たれたのは1985年7月26日、福岡のダイエー香椎店にて行われたゲーム大会「ゲームキャラバン」で、高橋名人がアドリブで放った言葉である。 それ以後、ハドソン製ゲームソフトのマニュアルや、コロコロコミックなどでもこのメッセージが掲載されていたが、ロールプレイングゲームなどプレイ時間が長時間になるゲームが流行してきたこともあり、次第に使われなくなった。
なお、メッセージはテレビゲーム文化がすぐに飽きられ一時的な流行で終わってしまうことへの危惧から出たものだったことを、ハドソンデジタルエクスプレスのインタビューで明かしている。 また、近年、名人主催のトークイベントにおいて「子供って長時間ゲームやるべ? そうすると親が怒って次のゲームを買って貰えなくなるべ? だけど1時間とか時間を決めてプレイすれば親も怒らないっしょ? (笑)」と、ゲームメーカー側としての戦略でもあったかのような事を話す姿が見受けられる。
他に以下のようなメッセージを発表している。
- ゲームは1日1時間
- 外で遊ぼう元気良く
- 僕らの仕事はもちろん勉強
- 成績上がればゲームも楽しい
- 僕らは未来の社会人!
[編集] 高橋名人逮捕説
高橋名人の人気絶頂期であった1986年から1987年頃、子供たちを中心に「高橋名人がゲームのコントローラーのボタンにばねを仕込んで連射速度をごまかし、警察に逮捕された」といった類のうわさ(都市伝説)が流れた。当時高橋名人は警視庁の依頼を受けて牛込警察署の一日署長を務めたことがあった。それが子供たちを中心に誤った内容で伝聞され(「警察署長をした」→「警察に行った」→「捕まった」)、「高橋名人逮捕」という情報になり、日本の広範囲に広まったといわれている。ほかにも「つかまった理由は脱税」、「非合法なクスリで手首を痙攣させていたのが逮捕の理由」、「そのクスリのせいで死んだ」などのバリエーションもあったといわれる。当時はまだウェブがない時代であったにもかかわらず全国の子供がこれらの噂を耳にしたという点は、当時の名人の人気ぶりを傍証するものであろう。コロコロコミック連載の「ファミコン少年団」(さいとうはるお)では、この伝説をモチーフとした話も描かれた。
この噂がめぐりめぐって名人本人の耳に入った時、「そりゃいいやと思って」実際にコントローラのボタンにバネを仕込んでみたが、バネの厚みでボタンが押せなくなった、と後に述懐している。
[編集] 街頭インタビュー
2006年9月6日朝、銀座数寄屋橋付近(出勤のため、有楽町駅から築地のハドソンへ向かう途中であった)の街頭で、秋篠宮妃紀子様の御出産についてテレビ東京から街頭インタビューを受け、11時6分頃、その模様が同局の番組「NEWS MARKET 11」内で放映された。「喜びに沸く街の声」としての扱いであり、全くの偶然の出来事であった。かつてテレビ東京に多く出演していたのにも関わらず、テレビ東京のスタッフは全く気づいていなかった様子である。
放映前の時点で、既に本人のブログにインタビューを受けたことが記事として書かれており、「そっくりさん」ではなかったことが初めから証明されていたため、このインタビューの放映直後から、2ちゃんねるやブログなどのインターネットコミュニティ上では爆発的な話題を呼んだ。また、放送されていたインタビュー画面を取り込んだ画像や動画が第三者により公開され、そこから飛び火してハドソン本社に問い合わせや「インタビューを受けたことに関しての取材」の申し込みが殺到したり、東京スポーツの記事として取り上げられたりするほどであった。
なお、この日は大阪で商談があったため、私服である普段とは違い、偶然にもスーツで出勤していた。私服ではインタビューされなかったことが考えられるため、いくつかの偶然が重なり合って起こった奇跡の出来事といえよう。
[編集] 音楽作品
[編集] シングル
- RUNNER B面:FIGHTER
- スターソルジャーのテーマ B面:青春惑星
- 1986年7月発売。「RUNNING BOY-スターソルジャーの秘密-」挿入歌とエンディング。
- ホの字のゲーム B面:高橋名人のシンクロナイズド冒険島
- Fun Houseに移籍。それに伴いアーティスト表記を「高橋名人」から「高橋利幸(高橋名人)」に変更。
- 1986年9月発売。「高橋名人の冒険島」主題歌。
- 愛はメリーゴーランド B面:Bugってハニー
- 友だちよ B面:青春惑星
- 1987年発売。映画「はっちゃき先生の東京ゲーム」主題歌。
- グレートキャラバン'87
- ハートに16連射
- ファミってオールナイト!~黄金の指伝説~
[編集] アルバム
- RUNNING BOY スターソルジャーの秘密
- 1986年7月発売。
- Bugってハニー
- 1986年12月発売。
- 高橋名人ソングコレクション~16連射 20TH ANNIVERSARY~
- 初のベストアルバム。2005年10月5日発売。
[編集] 他アーチストとのコラボ
- ロッケンロール・ランデブー featuring 高橋名人
- YMCKのセカンドアルバム「ファミリーレーシング」収録曲へのゲスト参加
[編集] 出演
[編集] テレビ番組
- レギュラー出演
- ゲスト出演
- クイズダービー(TBSテレビ、1986年)
- 文珍なぞなぞランド(ABCテレビ、1986年)
- ポップジャム(NHK総合、2005年)
- やぐちひとり(テレビ朝日、2005年)
- カルチャーSHOwQ~21世紀テレビ検定~ (テレビ神奈川他、2007年4月2日)
[編集] 映画
- 『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』
- 毛利名人と対決。「東京国際ファンタスティック映画祭2003」でも上映。高橋名人の舞台挨拶、トークショーも開催された。会場は「万雷の拍手」であったと言われている。
- 『はっちゃき先生の東京ゲーム』
[編集] CM
- ハドソン-ゲームソフトや、シュウォッチなどのCM
- 明治製菓-同社から発売されていたチョコスナック「ハイスコア」のCM。高橋名人が1秒間に16個食べて16連打を披露した。スナックには高橋名人の似顔絵マークがプリントされていた。
- 月星シューズ-同社から発売されていた、子供用シューズのCM。高橋名人の顔がポイントとして印刷されていた。
[編集] 関係する人物
- はるな友香 - 1986年に行われた「高橋名人の妹コンテスト」でグランプリに輝き、芸能界デビュー。高橋とともにレコーディングやテレビ番組出演、イベント出演を精力的にこなした。現在、うちやえゆか名義で歌手として活動中。
- 桜田名人 - 1986年『高橋塾』の第1期生から合格、新たに誕生したファミコン名人。
- 川田名人 - 桜田と同様に、高橋塾第1期生から誕生した名人。「Bugってハニー」のカワダチューのモデルにもなった。
- 毛利名人 - 高橋名人と同時期に活躍、ライバルとして映画「GAME KING」でも対決した。
- 井上明子 - テレビ「高橋名人の面白ランド」でパートナーを務めた。
- 田中秀幸 - アニメ映画『RUNNING BOY』(「GAME KING~」と同時上映)で高橋名人の声を務めた声優。
- 悠仁親王 - 誕生したときにテレビ東京より街頭インタビューを受けた。ネット上で話題になり、東スポでも記事になる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 高橋名人オフィシャルサイト「16SHOT」
- 漫画「ファミコンランナー高橋名人物語」
- 映画「GAMEKING 高橋名人VS毛利名人」
- 映画「ファミ通 東京国際ファンタスティック映画祭2003」
- ブログ 高橋名人
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