あずきちゃん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『あずきちゃん』は講談社の少女漫画雑誌『なかよし』に連載された木村千歌の漫画作品。また、これを原作にした同名のテレビアニメ番組。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
秋元康の原作で、講談社の少女漫画雑誌『なかよし』の1993年2月号~1997年4月号に連載された。単行本は全5巻。主人公あずきちゃんこと野山あずさが小学5年生のまま成長しないアニメ版と異なり、あずさとその同級生達は成長していき中学校を卒業するまでが描かれる。
[編集] 登場人物
[編集] 野山家
- 野山あずさ(のやま あずさ、あずきちゃん)(声:ゆかな、当時:野上ゆかな)
- 通称あずきちゃん。野山家の長女で小学校5年生。性格はドジなところもあるが至ってまじめで成績や運動神経も平均並みの、ごく普通の女の子。リコーダーは苦手。5年生に進級した際に転校してきた勇之助に一目ぼれをする。
- 第1期前半ではあずさの片思いで(勇之助からのアプローチが多かったので、実質両思いだったのではないかとの説もある)、なんとか仲良くなれないかと悩んでいたが、中盤以降はほぼ両思いのような関係になる。勇之助がモテすぎるせいか、大変なヤキモチやきで、勇之助の周りに自分以外の女の子の影がちらつくとすぐに落ち込んだり悩んだりしていた。
- また、あずさの思考傾向も勇之助よりなことが多く、家族旅行などでどこかに出かける際も勇之助と離れるからという理由で気乗りしないことが多いなど、家族や友人よりも勇之助中心で考えることが多かった。だからといって家族や友達思いではないということはなく、弟のだいずとの絆がうかがえる話(第85話)などはファンの間でも評価が高い。 また、同級生のかおるとジダマとは親友の間柄で、勇之助といない時は大抵3人で行動していた。 最終話では再び引っ越していくことになった勇之助を笑顔で送り出すなど心の成長も伺うことができた。
- ちなみに作品のタイトルにもなっている「あずきちゃん」というあだ名は1年生の頃、ケンが「あずさ」という字を「あずき」と読み間違えたことが原因で広まった。以後は自分でもテストの答案に「あずき」と書きそうになるほど定着し、実際身内以外に本名である「あずさ」で呼ばれることはほとんどなかった。
- 野山だいず(のやま だいず)(声:小桜エツ子)
- あずさの弟。小学1年生。姉、あずさより開放的で脳天気、また人懐っこい性格。原作では少ししか出てこないが、アニメでは頻繁に登場し独特なキャラを振りまいている。本人は姉であるあずさが好きなようで、かまってもらいたいばかりに、よくちょっかいをしたり冗談を言ったりしていた。あずさの部屋に入る時にはノックをしないのが通例で(わざとやっているとの見方もある)、そのたびあずさの叱責をくらっているが本人は気にしていない。
- ケンをおやぶんと慕っていて、野球のコーチをしてもらったり、ケンの実家のラーメン屋『満塁軒』の手伝いなどをしたりしており、ケンのつてで野球チームにも入れてもらっている。
- また、1年生ながら女好きで(特に年上のお姉さんタイプ)あずさのクラスメートのヨーコにあこがれていたり、綺麗なお姉さんに優しくされるとはしゃいだりしていた。同じクラスのまどかとは付き合っているらしいが、だいずの方に恋愛感情があるかどうかは微妙なところ。恋人やデートといった存在自体に憧れている節がある。現に一度まどかに「他に好きな人がいるから別れて」と言われた際にショックを受けた様子もなくあっさり了承し、あまつさえ「まだ他に(ガールフレンドが)いっぱいいるもん」と笑っていた。その後まどかが復縁を申出た時も、同じくあっさり了承している。
- 将来の夢は、ラーメン屋や喫茶店のマスター、ブティックの社長などコロコロ変わるがやはり本命はプロ野球の選手と思われる。
- あずさの母(けい子)(声:皆口裕子)
- 優しい口調が印象的な、平均的な良きお母さん、専業主婦である。あずさとは姉妹みたいな親子関係であり、仲がよく秘密を共有する事も多い。かといって放任というわけではなく、過剰な干渉をしない母親である。仙台出身で、仙台には姉がいる。家庭に入るまでは、バイクに乗っていた。考えたり、困った時などには、ほおに手のひらを当てるくせがある。
- あずさの父(正)(声:安井邦彦)
- 初期は勤務先の設定が明確ではなく、「会社」という表現もなされたが、大学の学生課の課長である、という設定に落ち着いた。メガネをかけていて、ちょっと頼りなさそうな外見だが、意外と頑固な一面もあるのは父親(剛造)ゆずりか。野球観戦が好きで、サッカー好きの勇之助より、野球好きのケンを気に入っていた様子。あずさはケンではなく、勇之助のことが好きだと気づくのには相当の時間がかかった。好物は五目すし。酒には弱いようだ。
- あずさの祖父(剛造)(声:小形満)
- 元刑事。妻を亡くして千住で独り暮らし。厳しくて怖い印象が強いが、自分が見立てた浴衣をあずさに着せようとしたり、勇之助との交換日記を快く思わなかったり、と実際には非常に孫娘のあずさを大事にしている。あずさという名前を命名したのはこの剛造である。酒には強い。ほめる時に「なかなかのもんだ」と言う口ぐせは、剛造から息子の正、孫のだいずへと受け継がれている。
[編集] 小笠原家
- 小笠原勇之助(おがさわら ゆうのすけ)(声:宮崎一成)
- 小学5年生。あずさの同級生。5年に進学した新学期に私立の学校からあずさたちのいる学校に転校してくる(転校の理由は不明)。趣味はサッカーとTVゲーム。運動神経は抜群で背も高く、容姿端麗と女生徒の理想を描いたような少年。
- 優しく思いやりがあり、他人の気持ちを察することのできる少年だが、女心には鈍い。何も考えてない彼のヨーコとの悪気ない関わり合いも、心配性なあずさの嫉妬を燃やしてしまう。
- また、女生徒の理想像でありながら、初登場の第一声は、あずさのパンツの色を尋ねる、「ほんとに、あずき色なの?」というとんでもない発言であった(ケンにスカートをめくられ、「あずきのパンツはあずき色」とはやされて怒るあずさに対するもの)。
- 最終話でニューヨークに引っ越し、転校するのだが、またあずさに会えると信じて「さよなら」は言わなかった。
- 原作では20歳であずさと結婚。男女の双子をもうけている。
- 勇之助の父(声:梅津秀行)
- 普段からパリなど、海外に出張中のことが多い。過去にはフォーミュラカーでアマチュアのレースに参戦していて、A級ライセンスを所持している。大学ではバンド(サックス担当)をやっていた。現在は会社の社長で、外見もダンディーであり、派手でカッコイイ父親である。第2期の途中から仕事の都合で海外赴任してしまうため登場しなくなる。
- 勇之助の母(声:安藤ありさ、藤本かをる)
- 派手な勇之助の父の妻としては、やや地味な感じの専業主婦。料理や庭木の手入れ、預かった親戚の赤ちゃんの世話など、一通りの家事は問題なくこなすが、自宅が停電した時は復旧の方法がわからなかった。大学ではスケート部に所属していて、今でもその技術は衰えていない。多少は英会話が出来るようである。3年間の放送期間中、中間の1年間だけ藤本かをるが声の代役を務めた。
[編集] 西野家
- 西野かおる(にしの かおる)(声:川田妙子)
- 小学5年生。あずさの同級生で親友。性格は内気で普段もあまり自分を出すことはないが芯は強い。
- 実家では母が美容院を営んでおり、そのせいかおしゃれに詳しいという一面も持つ。泣き虫である。
- あずさやジダマとは親友の間柄でよく3人で行動している。特にあずさとは恋の悩みを相談したり励ましあったりしていた。
- 3年生のときの雨宿りで傘を貸してくれたケンは濡れて帰ったことから片思いをしており、ケンが問題を起こしたりすると彼の代わりに謝ったり、彼の頼みには喜んで応じるなど、尽くすタイプの女の子。ケンへの想いは強く、彼の照れ屋でいじっぱりな性格のために幾度も傷つけられる言動を受けることがあったが、どんなにひどいことを言われても嫌いになることなど考えられないようだ。
- また、内気な性格でありながらケンのことになると大胆な行動や言動もしばしば見られ、回を重ねるごとに彼女のアプローチは少しずつ積極的になっていった。
- 後半ではケンもかおるに配慮をすることが多くなり、その甲斐があってか原作では25歳でめでたくケンと結婚することになる。
- かおるの父(声:宇垣秀成)
- 松本に単身赴任中。太めでメガネをかけている。自分の勘違いで、娘のかおるへの愛情が押し付けの様な形になり、かえって迷惑がられる事も。かおるは「パパ」と呼ぶが、スタッフロールでは「かおるの父」と表記されていた。
- かおるのママ(声:佐久間レイ)
- 自宅で美容院「西野美容室」を営んでいる美容師。かおると2人暮らし。多忙のせいか、劇中では美容室や自宅から外出する姿は殆ど見られなかった。あずさの親友達とその母親達はたいていここで調髪するので、お互いが出会う事も多く、一種の社交場のような場所である。西野美容室は劇中で開店10周年を迎えたので、かおるが0歳の赤ちゃんの時に開店した事になる。
[編集] 児玉家
- 児玉翠(こだま みどり)(声:松本梨香)
- あずさの同級生で親友。通称は苗字の音読み『ジダマ』。多忙な母に代わり、祖母に育てられる。異常なおばあちゃん子であり、公然と男嫌いである事を主張する。体格がよく、スポーツは得意。気が強く頑固で、スカートをはくのを極度に嫌うなどボーイッシュの面がある。友達や同級女子達とは価値観、特に恋愛観に隔たりがある。また他の子がランドセルを嫌うのに自分だけランドセルを使い続けることにこだわっている。同級生の榊原ヨーコとは仲が悪く、何かと反目しあう時が多い。そんなジダマでも、恋におちたり、榊原ヨーコを心配したりする場面があり、精神的に大きな成長をみせる。
- 児玉葵(こだま あおい)(声:小田木美恵)
- ジダマの母。看護師であり、家事をハルやジダマに任せるほど多忙な毎日を送っている。
- 児玉ハル
- ジダマの祖母。アニメでは背中姿しか登場していない。ジダマの性格形成にはハルの影響が大きい事が、ジダマ自身のセリフに現れている。
[編集] 高橋家
- 高橋朋美(たかはし ともみ)(声:鈴木明子→改名により40話からゆきじ表記になる)
- あずさの同級生で友達。メガネをかけたボブカットの学級委員。通称トモちゃん。坂口まことの事が好き。あずさ・かおるにも好きな男の子がいることを知ると、3人で片想い友の会(略称KTK)を結成する。教室では、あずさ・かおるがそれぞれ好きな男の子と隣同士になれたのに対し、最初こそ隣の席になれたものの、次の席替えでまことと離れ、それ以降隣りになる事はなかった。小柄な彼女は背の高いまこととの身長差が原因だと思い、牛乳をいっぱい飲んでまで身長を伸ばそうとしたがそれも叶わず、落ち込む場面もあった。
- トモの父(声:小室正幸)
- 外見は気難しそうで怖そうな父親。メガネをかけており、従って高橋家は全員がメガネをかけている。都立動物園で獣医を務めている。ニンニクが苦手。
[編集] 高柳家
- 高柳ケン(たかやなぎ けん)(声:真殿光昭)
- あずさの同級生で、幼なじみ。照れ屋で純情な野球少年。野球帽がトレードマークで、授業中もかぶり続けている。プロ野球選手になるのが夢であると語り、野球チームに入ってはいるが、他にもゲームや漫画で過ごす時間もあり、野球にとことん入れ込む、という意思は持ち合わせていない。『満塁軒』の接客や出前を手伝う事もある。あずさに好意を抱いているが、小心者なのか、口下手なのか、それを正面切って伝える事はできなかった。その結果、あずさと勇之助の仲が進展していく様を見せつけられる事となり、やけになって冷やかす場面も見せた。一方、かおるの想いを感じながらも積極的に関わろうとはしない。しかし後半にはそれにも変化がおこる。
- ケンの父(声:矢尾一樹)
- 中華定食屋『満塁軒』を営んでいる。自ら「東京で2番目の味」と冗談半分に豪語するものの、その腕前は確かなもので、新規参入店に顧客を奪われそうになった時も、その味で常連客を確保し閉店を免れている。しかし店は客の入りが少なく、子供達の集会場と化している場面が多い。自身も子供達の相談に乗るなど、『近所のいいお兄さん』的役割も果たしている。顔がケンそっくりであるのも、子供達の人気が高い原因であろう。かつてはみなみ小学校に通い、大迫先生の教え子だった。
- ケンの母(声:村上はるみ)
[編集] 坂口家
- 坂口まこと(さかぐち まこと)(声:津久井教生)
- あずさの同級生でケンの友達。現在はだらしなく、目的もなくただ毎日を遊びながら過ごしているかのようであるが、過去にはトモより成績が良かった、徒競走でもいつもトップであったと言われ、普通の小学生であったようだ。変化の原因については明らかにされることは無かったが、それが一層、何を考えてるのか解らない、つかみ所のない少年という印象を与えるのであろう。ゲームを好み、自室で熱中して寝オチしたり、ゲームセンターによく行く。
- 面倒なこと、都合の悪いことを先送り・逃避する傾向が見られるが、それが原因となりトラブルを発生させる事もある。逃避の延長として、ふらりと気分に任せて家出などして周りに心配をかけるが、笑って済まそうとして反省の色は見せない。逆に先送り・逃避できない状況だと認識したときには、誰も出来ないような思い切った言動がとれる。
- 離婚した実母の事を『おふくろ』と呼び、気づかれないように時々顔を見に行く、高山植物に詳しいなど、意外な一面もある。
- まことの父(声:津久井教生)
- 顔も声も、息子のまことにそっくりな父親。かつてはマラソンの選手だった。胆石の手術で入院したことがある。会社を辞めて自営業に転職するらしい。
- まことの母
- 夫と離婚後、横浜のホテルのフロント係として勤務している。まことは時々、その顔を密かに見に行く。みなみ小の芸術発表会の回に、観覧席に似た人物が描き込まれていた。
- 冴子(さえこ)(声:山口由里子)
- まことの3人の姉のうちの一人。この3人の姉たちは、まことのだらしない日常を矯正しようと、まことに「しっかりしなさい」と言い続けている。美人であるが、人前でもお構いなくまことを叱りつける表情は母親の様に真剣である。坂口家を代表する形で、授業参観に出席した事がある。友人の姉でありながら、ケンは冴子の顔を知らなかった様子。
[編集] 榊原家
- 榊原ヨーコ(さかきばら よーこ)(声:佐久間レイ)
- 高慢で慇懃な美少女。ジダマと仲が悪い。勇之助に相応しい相手は自分だと確信しているが、あずさと勇之助が相思相愛なので、三角関係にすらなっていない。勇之助を巡ってあずさに正面対決を挑んだ時、勇之助のどこが好きかを列記して競った場面があったが、あずさは主に勇之助の内面を、ヨーコは彼の外面だけを挙げていた。この時点ではヨーコは、自分の外面(容姿・持ち物・家の資産など)はあずさを超えているので、勇之助は自分を選択するのは当然で、あずさは彼の判断を邪魔して狂わせる存在であると無邪気に思い込んでいた。そんな彼女も、最終回には外面を捨て、自分の感情、気持ちを直接勇之助にぶつけることが出来るほどに成長した。本当の人間の価値がどこにあるかを、恋を教科書にして彼女は知ったのである。
- 原作では勇之助がアメリカへ行ってしまった後に落ち込んだあずさの良き理解者となる。
- ヨーコのママ(声:松本梨香)
- 派手な外見の美しい母親。働いていないので専業主婦と言えるが、主婦らしい家事にいそしんでいる姿は見られなかった。娘と同じく無邪気な所があり、周囲を巻き込んだトラブルの原因にもなった。夫は外国出張が多いらしく、豪邸でヨーコとの実質2人暮らし。榊原家には車が2台あるが、そのうちの赤いセダンを運転する。
[編集] みなみ小学校
- 多胡こうさく(たご こうさく)(声:園部啓一)
- あずさ達のクラス「5年2組」の担任。通称「タコ先生」。野外活動だけでなく教壇に立つときもいつもジャージ姿。生徒の事をよく観察し配慮が出来るいい教師であり、人気は高い。1年生であるだいずからも慕われる程である。ピアノは不得意のようだ。みどり町小学校の教頭先生である妻とマンション暮らしをしている。妻の方が役職が上であり、多忙であるからか、食材の買出しや調理は夫の担当であるかのような描写が多く見られた。千葉県の実家では農業を営んでおり、あずさたちに手伝ってもらったことも。まことの破天荒な行動には最後まで手を焼かされ、矯正させることはなかった。
- 香月美奈(かづき みな)(声:篠原恵美)
- アニメ放映の2期からみなみ小学校に赴任してきた、音楽学校を卒業したての音楽教師。美人で服のセンスもいいことから、男女両生徒からの人気は高い。静岡県西伊豆地方の実家ではみかん農園を営んでいる。劇中で結婚するが、それに至るストーリーが垣間見られた。その後、懐妊した。
- 大迫みちえ(おおさこ みちえ)(声:伊倉一恵)
- アニメ放映の3期からみなみ小学校に転任してきた、校長先生。かつてはみなみ小学校の教師であった。未婚でマンションに一人暮らし。スクーターで登校している。
[編集] テレビアニメ
NHKの『衛星アニメ劇場』で1995年4月4日から1998年3月17日まで放送された。脚本の雪室俊一は117話中116話を手がけた。
あずさとそのボーイフレンド小笠原勇之助の、恋と人間的成長に絞って、小学校から中学校までの時間軸で描いた原作に対し、アニメ版は小学5年生の1年を3回循環させた構造であった。アニメ版では、その情報量の増加がそうさせたのか、それとも、原作者秋元康の計算なのか、あずさの周りの生徒達の描写が増え、小学生版の「男女7人夏物語(秋物語)」を思わせるシチュエーションコメディーといった趣。
キャラクターの言動に落ち度が無い、無駄の無い常識の範囲内の周到な脚本構成などは雪室が元々持っていた長所である。兄弟・家族・親戚・隣人などとオリジナルキャラクターが追加され、視点とストーリーの幅が広がり、そして舞台も多様になる所は雪室脚本の特徴であろう。
このアニメの最大の特色は「小学生が萌え対象になれる」ことを「ヲタ風味を極力廃して」示した点にある。 とはいえ、結局はこの作品にも同人関連は群がってしまうのだが、このシリーズ終了を以ってアニメ業界は萌え全盛期へ突入するのである。『カードキャプターさくら』『おジャ魔女どれみ』『ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー』の傑作群の方向性を予知した名品として評価が高い。主役の野山あずさ役には野上ゆかな(現・ゆかな)が当たった。レギュラー同級生の男子(勇之助・ケン・まこと)を、全て男性声優で演じきったのは珍しい事である。
[編集] スタッフ
- 原作:秋元康、木村千歌
- 監督:小島正幸
- シリーズ構成:雪室俊一
- キャラクターデザイン:川尻善昭
- キャラクター設計:芦野芳晴
- 演出:政木伸一、小寺勝之、片渕須直、桜井弘明、小島正幸ほか
- 絵コンテ:小島正幸、片渕須直、坂田純一、桜井弘明、政木伸一ほか
- 作画監督:金子紀男、芦野芳晴、工藤柾輝、君塚勝教、宍倉敏ほか
- 美術監督:上原成代
- 音楽:辻陽
- 音響監督:鶴岡陽太
- 撮影:スタジオコスモス、サザンクロス、ティニシムラ、エースクリエイション
- 編集:尾形治敏→寺内聡
- 効果:井上裕→野口透(アニメサウンド)
- 制作統括:伊原英夫、佐藤公則、内沢康子、渡辺昭
- プロデューサー:近藤栄三
- アニメーションプロデューサー:吉本聡
- アニメーション制作:マッドハウス
- 共同制作:NHKエンタープライズ21(現:NHKエンタープライズ)、総合ビジョン
- 制作著作:NHK
[編集] 主題歌
- オープニング
- 素敵な君 (RAZZ MA TAZZ)
- エンディング
- 夜明け (RAZZ MA TAZZ)
- 歩こう (野山あずさ)
- 挿入歌
- あずきちゃんたら! (野山あずさ)
[編集] 再放送
BSの初回放送に対し、第1年目(全39話)が終了した直後の1996年1月から4月まで、早くも『ベストセレクション』としての再放送が始まった。衛星ハイビジョンでは1年遅れの1996年4月10日から、またNHK教育テレビでは1年3ヶ月遅れの1996年7月6日の土曜日18:25~18:50に再放送が開始された。初回放送は3年であったため、初回放送の期間中から複数のチャンネルで再放送されていたのである。この事から、本作品は放送中に絶大な人気であった事がうかがえる。現在、海外ではJapan Satellite TVにて再放送中。
[編集] 『おねえさん』のコーナー
BSでの初回放送・再放送に限って、番組の前後(本編の開始前2分、終了後3分)に、当日に放送するアニメのサブタイトルやキャラクター、視聴者からの手紙やイラスト・工作物を紹介したり、声優をゲストで出演させた時にはトークを進行させる『おねえさん』のコーナーがあった。これは『衛星アニメ劇場』枠の放送であることから当然なのだが、衛星ハイビジョンや教育テレビでの再放送にはなく、DVD-BOXにも収録されていない。1995年度は矢野晶子、1996年度~1997年度はいいだ美夏が担当した。いいだ美夏は66話でラーメン屋の店員(みい)役の声優としてゲスト出演した。ゲストとしてコーナーに登場した声優は、宮崎一成、野上ゆかな、佐久間レイであった。
原作の漫画が『なかよし』に連載されていた時は、『あずきちゃんネットワーク』という、読者からの質問の手紙を紹介し回答する場所が漫画本編のコマの外にあった。それのTV版という捉え方をした視聴者もいて、『おねえさん』のコーナーにシリアスな恋愛の相談をもちかける手紙もあった。
[編集] 特別番組
初回放送期間中、ファンの声に応える特別番組が放送された。内容は、スタジオに声優やファンを集めてのトーク・本編の放送・アフレコ現場の紹介・アニメ製作過程の紹介などだが、野球選手を引退していた角盈男が司会の一人として登場したのは特筆できる。
[編集] 劇場版
- ホワイト・バレンタイン♥ 恋のチャンスがやってきた!!
3年間の放映の間、1回だけ劇場版が製作され上映された。 1995年12月23日、全国東映系で公開。30分作品。総集編ではなく、完全なオリジナル作品である。
『美少女戦士セーラームーンSuperS セーラー9戦士集結!ブラック・ドリーム・ホールの奇跡』、『スペシャルプレゼント 亜美ちゃんの初恋 美少女戦士セーラームーンSuperS外伝』との同時上映であった。『あずきちゃん』と『美少女戦士セーラームーン』は、共に講談社の『なかよし』連載作品である。
バレンタインデーに手作りチョコを勇之助に渡そうとするあずさの前に次々と障害が現れる。障害に翻弄され続けるあずさが、自身の心も揺れ動かしながら、無事にチョコを渡せるかが描かれる。
[編集] スタッフ
- 原作:秋元康、木村千歌
- 企画:秋元康
- 監督:小島正幸
- 脚本:雪室俊一
- キャラクターデザイン:川尻善昭、芦野芳晴
- 作画監督:芦野芳晴
- 作画監督補:北尾勝、春日井浩之
- 演出助手:小寺勝之
- イラストレーション(エンディングに用いられた):平田敏夫
- 美術:上原成代
- 音楽:辻陽
- 音響:鶴岡陽太
- 編集:尾形治敏、伊藤勇喜子、寺内聡
- 音響効果:井上裕(アニメサウンド)
- 製作:遠藤利男
- 制作:佐藤公則、後藤克彦、近藤栄三
- プロデューサー:丸山正雄、吉本聡
- アニメーション制作:マッドハウス
- 共同制作:総合ビジョン
- 製作:NHKエンタープライズ21(現:NHKエンタープライズ)
[編集] 主題歌
- オープニング
- 素敵な君 (RAZZ MA TAZZ)
- エンディング
- EVEの風景(サウンドトラックより)
[編集] DVD-BOX
2002年9月4日、キングレコード株式会社から、スターチャイルドレーベルで発売された。両面1層の15枚組。特典としてディスク1枚(劇場版:片面2層)、解説小冊子『あずきちゃん同窓会』、野上ゆかなのサイン入り写真が付属し、専用の収納BOXと、茶巾袋に入れた形態で、2000セット限定で生産された。予約限定販売ではなかったので、発売直後は大型店を中心に店頭販売されていた。販売価格は税込68,250円であったが、現在では買取・売り値とも10万円を超える事も珍しくない程の希少価値を見せている。
[編集] 外部リンク
NHK BS2 衛星アニメ劇場火曜18:00枠 | ||
---|---|---|
前番組 | あずきちゃん | 次番組 |
超くせになりそう | カードキャプターさくら |