NHKデジタル衛星ハイビジョン
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NHKデジタル衛星ハイビジョン(略称:BShi、ビーエス・ハイビジョン、受信機表示アイコン:NHKh)は、日本放送協会(NHK)のBSデジタルハイビジョン専用チャンネルである。NHKは委託放送事業者として放送を行っている。
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[編集] 概要
高精細なデジタル放送技術とハイビジョンの特性を生かす為、スポーツ中継や教養・ドキュメンタリー番組を中心に編成されている。データ放送を用いた双方向対応番組や5.1サラウンドによる映画・音楽番組も編成されている。なお、総合テレビや教育テレビで放送されている番組の同時放送および時差放送も行っているが、編成の見直しによって番組の数は以前より大幅に減っている。全番組ハイビジョン放送だが、オリンピックやFIFAワールドカップをBS1と同時放送を行う際に途中ではさむNHK BSニュースだけは2006年2月と6月の時点では設備の関係で例外的に4:3標準画面のアップコンバートで放送されていた(2006年9月下旬にBSニュースセンターがハイビジョン対応化されたため今後同時放送される際はハイビジョン放送となる)。
現在、BSアナログ放送(BS9ch)でも同内容でMUSE方式(アナログ)の放送を行っているが2007年9月30日に終了する予定である(放送免許の有効期限は2007年12月31日、停波は2007年11月30日 参照リンク1、2)。
[編集] 沿革
- 1989年6月 衛星第2テレビを使って1時間の実験放送を開始(原則として14時~15時。大相撲期間中は17時~18時)
- 1991年11月 試験放送開始
- BS9ch(アナログ)が割り当てられ、試験放送を当初1日7~8時間(日中中心)で開始。その後段階を追って放送時間を拡大していく。(当時は呼出符号=コールサインはハイビジョン普及協会に対しての割り当てとしてJO2C-BS-TVが用意された)
- 1994年11月25日 実用化試験放送に移行
- NHKと民放各局が曜日・時間帯を振分けて放送するようになる。
- NHK(呼出符号:JO341-BS-HDTV→1997年からJO241-BS-HDTV)は全曜日に対応で、毎週水曜日(夏の高校野球期間中を除く)のみ全放送時間を、それ以外の曜日は1日につき5~6時間程度放送していた。
- 2000年12月1日 デジタル衛星ハイビジョン本放送開始。放送開始当初の名称はNHKデジタルハイビジョンだったが、2003年12月1日に地上デジタル放送でもハイビジョン放送が行われることから区別を付けるために現在のNHKデジタル衛星ハイビジョンという名称に変わった
- 従来の実用化試験放送はNHK所属の放送衛星局「NHKハイビジョン放送」(呼出符号:JO24-BS-HDTV)に移行され、デジタル衛星ハイビジョンと同内容の放送を行う事になった。放送開始当日の7:00~11:00までは実用化試験放送の番組編成で放送された。
- 2005年10月 透かしの「BShi」の大きさを変更。従来より小さいものになった。
- 2006年4月 相次ぐ不祥事による受信料収入の減少を受け、24時間放送を中止。(重大事件・事故・災害が発生した場合、オリンピック・サッカーワールドカップの深夜中継実施時などは、24時間放送または休止時間を最小45分まで短縮する場合がある。ただし停波は行わないので、データ放送とEPGは従来どおり24時間利用可能。)
- アナログ放送の透かしの「BShi」の下に「アナログ」の透かし文字を追加(デジタル放送は変更なし)>
- 2007年1月1日 衛星放送全体の編成見直しにより、それまで放送されていた総合テレビの定時ニュース番組が全て姿を消す(BS2に1本化される。但し、地震・津波警報などの緊急報道がある場合はこれまでどおり放送される。選挙開票速報については放送されるかは不明)。また、時差放送されている総合テレビ・教育テレビの番組の一部についてもBShiでの放送を打ち切り、BS2に集約される。また、総合テレビより30分先行で放送している朝の連続テレビ小説は今まで通り放送するほか、新たに土曜ドラマの先行放送(総合テレビより3時間先行)が開始された。ハイビジョン特集では、毎月1つのテーマを制定し、それに沿ったテーマの番組を放送する
- 2007年9月30日 アナログのハイビジョン放送を終了予定
[編集] 放送形態
2000年12月の本放送開始以来これまで毎日5:00基点の24時間放送を行ってきたが、受信料収入減少による経費削減で2006年4月2日・日曜深夜の放送をもって終夜放送を一旦終了し、2006年度(4月3日・月曜深夜)からは5:00開始・翌日2:00(日曜深夜は1:00)終了の21時間放送(日曜は20時間放送)を基本とし、深夜の時間帯は災害・地震などの緊急報道や特別編成が行われる場合を除き放送休止となった。放送終了時間は番組の編成により変わることがある。なお、独立データ放送は放送休止時間帯に関係なくこれまでどおり24時間放送を実施するため、放送休止時間帯であってもリモコンのdボタンを押してデータ放送画面を呼び出すことができる(NHKデータオンラインも含む 放送休止中は「データ放送、EPGは利用できます」という旨の断り書きが書かれた静止画像となる)。ただし、年1回の大掛かりなメンテナンスがある場合はデータ放送も放送休止となる。NHKの24時間放送を行っていたチャンネルで、それを一旦中止するのはこのNHKデジタル衛星ハイビジョンと教育テレビジョンが初めてである(ただし夏休み期間中や年末年始に限り24時間放送を実施している)。
なお、デジタル衛星ハイビジョンの24時間放送が一旦中止された2006年4月以降でこれまでに24時間放送が行われたのは2006年7月10日の2:00~5:00にかけて放送された2006FIFAワールドカップ決勝戦、2006年12月30日の5:00から2007年1月8日の2:20までの期間限定で年末年始の特別編成として行われたのみである。それ以降では2007年4月8日と9日未明にもMLB・アメリカ大リーグ「オリオールズ」対「ヤンキース」戦の中継で24時間放送が行われた。
[編集] 時刻出し
- 毎日5:00~8:00 それ以外の時間帯でも総合テレビと同時放送の場合や放送休止中に行われる5.1chサラウンドステレオのテストでは10秒間時刻出しが行われることがある。なお、2007年1月13日には13:42から急遽時刻出しがおこなわれた。これは津波警報発令による緊急報道がおこなわれたためである。
[編集] チャンネル内訳
[編集] デジタル放送
テレビ放送
- BS103ch(リモコンキーID3)。臨時放送用にBS104ch,105chが割り当てられている。他のBSデジタルテレビ放送事業者と異なり分割放送ができない為、BS104chを使用してマルチ放送を行う事がある(大リーグ中継などが予定終了時刻より延びた場合、ただし104chは標準画質放送)。
- またリモコンのdボタンを押す事で、データ放送を見られる(デジタル衛星第1・第2テレビ〈お住まいの地域の気象情報のみ〉、デジタル総合テレビ〈一部BS hiと同一内容と地域情報〉、デジタル教育テレビ〈健康、暮らしなど〉でも同様 2006年4月以降、衛星ハイビジョンの放送休止時間帯であってもデータ放送は24時間視聴可能)。いつでもニュース・スポーツ情報・気象情報・番組情報などを見る事ができる。更に双方向によってクイズ番組にも参加できたり、スポーツ大会の最新情報を見る事ができる。また、2005年5月末からはいままで地上デジタル放送のみでおこなわれていたNHKデータオンライン(インターネット回線利用のデータ放送)を開始した(地上デジタル放送受信機能のついたチューナーでLAN端子が搭載されているもののみ受信可能)。
- 双方向番組に参加する際、事前に「かんたん登録」で名前(1人分のみ)・住所・電話番号を受信機に登録する必要がある。これはデジタル総合テレビ、デジタル教育テレビのデータ放送でも設定可能だがBSハイビジョン・デジタル総合テレビ・デジタル教育テレビのいずれかのチャンネルで1度登録すれば、NHK衛星波・地上波の双方向番組のすべてに参加できる(いずれかのチャンネルで1度登録すれば修正がない限り別のチャンネルで新たに登録する必要はない)。
- リモコンの青ボタンを2秒以上押し続ける事で、受信機に挿入されているB-CASカード番号を表示させることができる(デジタル衛星第1・第2でも同様の操作で表示される)。
独立データ放送
- BS700ch,701ch,707ch,708chが割り当てられている(うち708chは未使用で、以前はB-CASカードコピー制御システム対応確認のチャンネルだった)。
- 放送内容は、700chが気象情報、701chがニュース、707chがB-CASヘルプチャンネルである(700ch・701chは、テレビ放送と同時に視聴できる)。
[編集] アナログ放送
- BS 9ch
- 以前はハイビジョン実用化試験放送として、NHKと民放の共同チャンネルだったが、2000年12月1日から、「デジタル方式の高精細度テレビジョン総合放送と同一の放送を、デジタル方式の放送へ円滑に移行するための放送」としてBShiのアナログ放送を放送している。
- データ放送・双方向サービス・字幕放送はなし、5.1サラウンド放送は3-1サラウンドでの放送となる)。
- アナログ放送は2007年9月30日で終了予定。終了後、BS9chの周波数はスター・チャンネル、BS11デジタル(日本BS放送)、TwellV(三井物産子会社のワールド・ハイビジョン・チャンネル)の3社に割り当てられる予定である(いずれもデジタルハイビジョン放送)。これに伴なって、日本ビーエス放送およびスター・チャンネルに従来割り当てられていた合計8スロットはNHKが使用することになり、そのうち2スロットをデジタルBShiのデータ放送の内容拡充に充てる予定である(残りの6スロットはBS1〈従来の6スロットから9スロット〉とBS2〈従来の8スロットから11スロット〉で各3スロットずつ追加され、画質の改善に充てる予定である)。
- 従来のテレビで視聴する場合、従来のアナログBS受信機にM-N(MUSE-NTSC)コンバーターを接続(内蔵された機種もある)すれば標準画質であるものの視聴できる。なお、M-Nコンバーターはすでに生産は打ち切られている。
[編集] オープニング・クロージング
- 2006年4月3日-現在使用中
- オープニング 砂漠の夜明けの映像の中心に、「BShi」のロゴ~ID画面(ID画面はデジタルでは「BSデジタル103チャンネル」 アナログでは「JO24-BS-HDTV」といった表示となる)
- クロージング 宇宙から撮影された地球の静止画(「衛星ハイビジョンはこれで放送を終了します」「デジタル衛星ハイビジョンではデータ放送とEPG(番組ガイド)はご利用いただけます」というテロップとナレーションが入る。)
- 休止中も4:48頃までは水色デザインの背景に「デジタル衛星ハイビジョンでは-」と書かれた静止画が表示されている(無音)(放送休止時間が短い場合は「デジタル衛星ハイビジョンでは-」の下段にこの後の番組名が書かれていた)。その後5.1chサラウンドステレオのテストなどを実施するため、カラーバーと変調音になる。
- 2006年4月2日まで行われていた24時間放送の際のジャンクションは、現行オープニングのID画面が表示されていた。
[編集] 関連項目
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