おとめ座
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おとめ座 (Virgo) | |
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略符 | Vir |
属格 | Virginis |
英語での意味 | the Virgin |
赤経 | 13 h |
赤緯 | 0° |
観測可能地域の緯度 | 80° - -80° |
正中 | 9 p.m., May 25 |
広さの順位 - 総面積 |
2位 1294 平方度 |
明るい星の数 視等級 < 3 |
3 |
最も明るい星 - 視等級 |
スピカ (α Vir) 1,0 |
流星群 |
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隣接する星座 |
おとめ座(乙女座)は黄道十二星座のひとつ。トレミーの48星座のうちの1つ。大きく、明るい1等星スピカもあることから見つけやすい。
目次 |
[編集] 主な恒星
スピカ、Spica (α Vir)以外にも名のついた星がある。 Zavijah (β Vir), Porrima (γ Vir), Auva (δ Vir) , Vindemiatrix (ε Vir)。
またそれほど明るくないが、以下の星にも名前がついている。 Heze (ζ Vir), Zaniah (η Vir), Syrma (ι Vir) , Rijl al Awwa (μ Vir).
おとめ座70番星は、木星の6.6倍の質量を持つ惑星を持っている。
[編集] 主な天体
おとめ座付近にはおとめ座銀河団と呼ばれる銀河団が存在するため、銀河がたくさんある。この場所は、恒星Vindemiatrix (ε Vir)の西 5°から 10°の場所にある。
具体的には、M49(楕円)、M58(渦巻)、M59(楕円)、M60(楕円)、M61(渦巻)、M84(楕円)、M86(楕円)、M87(楕円、有名な電波源)およびM90(渦巻)の各小宇宙がある。この銀河団のメンバーではないが、近くにある特筆すべき銀河としてM104がある。この楕円銀河はソンブレロ銀河と呼ばれ、スピカの10°西に位置する。
[編集] 由来
この乙女が誰なのか、さまざまな説がある。ギリシア神話では、イシュタル、イセト、デメテル、ペルセポネ、キュベレ、アテナといった著名な女神たちは、みなこの星座にまつわる神話を持つ。しかし、最も有名なのは、アストライアの神話である。
昔、人間が仲良く暮らしていた時代は、神もまた地上で人間と仲良く暮らしていた。しかし後に現れた人間たちは争ってばかりだったので、神は1人ずつ天に帰っていった。最後まで残ったのが正義と天文の女神アストライアで、1人地上に残り、人間に正義を教えていたが、彼女も人間に失望し、自ら天に昇っておとめ座となった。
もう1つ有名な神話は、豊作の神デメテルの娘ペルセポネであるともいう。ペルセポネは冥神ハデスの妻となり、年のうち8か月は天上で、残り4か月は冥界で過ごす。この4か月はおとめ座が天に上がらない季節であり、穀物の育たない季節である。明るい1等星スピカは、ラテン語で麦の穂を意味する。あるいは、おとめ座はデメテル本人であるともいう。
またまた別の神話では、アストライアが正義と天文と豊作の神をすべて兼ねているともいう。
もっと別の神話では、そもそもの由来はアストライアであったが、後にデメテルとアストライアが混同されるようになったともいう。
いずれにしても、黄道十二星座であるこの星座は、メソポタミア文明に由来する可能性が高く、ギリシア神話もあとからつけ加わった可能性がある。
[編集] 関連項目
黄道十二星座 |
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