おまかせ! ピース電器店
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おまかせ! ピース電器店とは、週刊少年チャンピオンにて1996年48号～2001年26号に至るまで連載されていたSF作品である。作者は能田達規。全24巻。同氏が過去に月刊アスキーコミックで連載していた『がらくた屋まん太』がベースになっている。
目次 |
[編集] 概要
舞台は21世紀初頭の東京下町、杉並区高ヶ谷（架空の地名だが、実在モデルは高円寺～阿佐ヶ谷近辺）。主役のピース一家が様々な事件を起こすSFコメディーで、基本は一話完結形式のストーリーとなっている。
[編集] ストーリー
主人公のピース健太郎と父親のピース貫太郎（ピースオヤジ）らが開発する発明品（一部商品化している）が作品のベースとなっており、話の基本はこれらの発明品を使ったことによって生じるドタバタ活劇である。もっとも、バラエティ豊かな展開が見られるのがこの作品の特色であり、時には超人的な活躍で事故現場から救出劇を演じたり、幼馴染み立花桃子とのラブコメが繰り広げられたり、ライバルのアズマ電器と争いを演じたり、主役が妹のピース則子や弟のピース康介、父親のピース貫太郎が演じることもある。傾向は、大爆笑なドタバタ活劇（連載初期はこれが中心だったが、100話を境にテンションが抑えられている）のほか、涙を誘うドラマチックな話、アクション映画ばりのヒロイックな救出劇、本格的なＳＦ、学園ラブコメディーを始め、他にもほのぼのとしたホームドラマやナンセンスな知的ギャグもあり、作中にパロディはかなり多い。一方で、キャラクターや舞台の設定がしっかりしており、あちこちに話の伏線を張り巡らせているのも見事であり、特に、最終章はこれらの伏線が見事に収束していき、作者のストーリーテラーとしての才能を存分に窺わせる。様々な発明品が多数登場することからドラえもんのオマージュとも呼ばれ、カルト的な人気を博した。特に連載中はアニメ化を熱望するファンが非常に多かったことで知られる。
[編集] 主な登場人物
- ピース健太郎
- 本編の主人公で高ヶ谷中2年。トレードマークはいつも着用しているゴーグル。発明を得意とし、理系分野は勉強せずとも好成績だが、文系科目は苦手で、特に英語は赤点続き。また、学校では耐えずトラブルを起こすためブラックリスト扱いされている。ケンカは弱いが運動神経に優れ、時に超人的な活躍をする。幼馴染みの立花桃子とは恋人同士だが、本人にはいたわる自覚がないのか、いつも散々な目に遭わせている。桃子と一緒にいる関係か、男友達より女友達と一緒にいることの方が多い。インドア派で、鉄道関係やゲーム、プラモ、ラジコンなど趣味は多彩。
- ピース貫太郎
- 健太郎の父親で、通称ピースオヤジ。トレードマークは丸縁の眼鏡。MITからNASAと驚異的な学歴を持つ天才科学者。『高ヶ谷すずらん商店街』に家電量販店、ピース電器店を経営する。かなりお茶目な性格で負けず嫌い。そのため、彼が発明するものはただ飛ぶだけの巨大ロボとか用途不明なものも多い。アズコムの東和彦とは大学時代からのライバル。なお、ピース貫太郎という名前は本名ではなく、とある事情によって偽名を名乗っている。太った体格だが、意外と運動神経は良く、草野球では特大ホームランを放っている。
- ピース・M・幸子
- 健太郎の母親で、通称ピースママ。トレードマークは独特の団子ヘアー。アメリカ人とのハーフで、飛び抜けた格闘センスと統率力を持つピース一家のカリスマ。一方で、絵に描いたような良妻賢母で、夫の貫太郎とは鴛鴦夫婦の間柄。その一方で、若い頃は軍に所属し、その暗い過去は謎のベールに包まれているが、彼女に襲いかかるトラウマでもあり、貫太郎と一緒でないと安心して眠れないでいた。
- ピース則子
- 健太郎の妹で高ヶ谷小4年。トレードマークはヘアバンド。けっこうませた性格で、大人向けの恋愛小説などを読んでいたりする。ソフト開発に強く、コンピュータプログラミングを得意とする。その才能は研究員クラスで、時折近くの大学の講習に通っているほど。一方で、運動音痴、かつ手が不器用で、それをコンプレックスに持っている。けっこう泣き虫で、特に兄の健太郎にはしょっちゅう泣かされている。ミャーのことが好きで、彼の世話は彼女がこなしている。
- ピース康介
- 健太郎の弟で高ヶ谷小2年。楽観的な性格で、根は明るい。とりわけ技術者として優れているわけではないが、健康そのもの、成績優秀、運動神経抜群、おまけに芸術分野でも幅広い才能を持つ。また、手先が器用で重機やメカを簡単に操縦できる。それ故、ピース一家一の逸材とも言われる。大人びた則子と比べるとずっと子供っぽく、特撮映画「ポンポコ戦隊ケモレンジャー」の大ファン。松井サクラというガールフレンド（彼女?）がいる。トレードマークは野球帽だが、いつも被っているのは理由がある。
- ミャー
- ピース一家の一員であるオスの飼い猫。則子が拾ってきた。甘やかしすぎて駄猫となってしまったため、ネズミ一匹捕れない。
- 立花桃子
- 健太郎の幼馴染みで、クラスメート。恋人でもあり、本人は彼に一途だがそれが裏目に出ることもしばしば。大きなリボンがトレードマーク。女友達に桐島キミ子、川崎さゆり、渡辺和子がいる。親は果物店を経営しており、家業をよく手伝う孝行娘でもある。
- 月影アイ
- 健太郎のクラスメート。しかし、それは表向きの姿で、秘密諜報機関「地球防衛軍」からピース一家を監視するために送り出されたスパイでもある。アイはコードネームから。ピース電器の斜向かいにある中華料理店、香港亭に居候している。ピースママ同様、過去は語られていない。
- 立花美果子
- 桃子の姉で、しっかり者。麗子のクラスメート。さっぱりした性格で、ウジウジした人間が大嫌い。現実主義のようで、実は妹の桃子より夢見がち。
- 若松ノブ
- 自転車店、若松サイクルの一人息子で、高校を中退して家業を継いでいる。健太郎と仲がよい。ミュージシャンとしての才能を持っており、ネットで公開して大反響を呼んだこともある。美果子に惚れている。
- 東麗子（西野麗子）
- 世界的IT企業アズコムの令嬢。ピース電器のライバルで、父親の面子を丸つぶれにしたピース父子を目の敵にしている。高校では普通の女子高生らしく振る舞いたい思いが強く、母方の姓、西野を名乗っている。権威主義で高慢な性格だが、その一方でピース一家のような家庭生活に強い憧れを抱いており、その二律背反の感情が二つの姓に表れている。
- 東和彦
- 世界一の富豪とも言われるIT長者で、最大手OS開発企業、アズコムの会長。仕事の鬼で、それゆえに奥さんに逃げられている。ピース貫太郎とはライバル同士だが、変なことで意気投合したりもする。
- 香山美保
- 高ヶ谷中の英語教師で、健太郎の担任。秋田県出身。将来を嘱望された優秀教師であったが、健太郎のせいで歯車が狂い出す。独身で、耐えず両親から縁談を持ち出されうんざりしている。運動神経は良く、スキーの腕はプロ級。
- 松井サクラ
- 康介のガールフレンドで、かなりのおませさん。言いたいことはズケズケ言ってくる。両親は共働きで、母親はデザイナーをしている。
- 今井和夫
- 健太郎のクラスメートで数少ない男友達。オタク気質が強く、ワガママ。
- 桐島キミ子
- 桃子の親友の一人。桃子より気が強い。放送部所属で、野生児タイプの男性が好み。
- 渡辺和子
- 桃子の親友の一人。クラス委員長で口うるさい。かなりコレクター癖がある。
- 川崎さゆり
- 桃子の親友。この作品に登場する女性キャラでは珍しく大人しい性格。密かに健太郎に憧れを抱いている。愛犬家でケンケンという犬を飼っている。
- 浜田安太郎
- 高ヶ谷商店街の鮮魚店「魚安」の店主。大手スーパーの進出で売り上げ不振に悩んでいたところを、健太郎の発明品によって助けられる。子供の頃はヤンキーだった。あおいという娘がいる。
- 柴田犬丸
- 健太郎のライバルとして現れた転校生。ペットショップを経営している関係か、無類の動物好きで、犬やネコ、オウム、果ては牛やライオンまで飼っている。
- 大門大作
- 健太郎の友人。至って無口な武闘家で、いつも学校や妹を放って修行に明け暮れている。その所為で進級の単位が足りずに一年生からやり直しになる所だったが、健太郎の機転によって救われる。大の妹思いで、妹を泣かす相手は容赦なく吹っ飛ばす。
- 大門文子（だいもんもんこ）
- 則子の親友。団子ヘアーが特徴の活発な女の子。中国で雑伎団の経験を持っているため、運動神経は抜群。「～ナリ」が口癖。大の兄思い。
- 安田セイタロ
- 古書店「かえる堂」を営む傍ら漫画家を兼業している青年。漫画に関しては求道的とも呼べる部分があり、一切の妥協を許さない。
- 佐々木ゴン太
- レンタルビデオショップを経営する青年。セイタロとは仲がよい。B級映画（本人曰くダメ映画）の大ファンで、成り行き上、彼の店はダメ映画ファンの聖地となってしまった。
- 高木タマ子
- タカギベーカリーの一人娘。則子の親友で、気立ての優しい性格。
- カメバー
- 駄菓子店「亀田屋」を仕切るお婆さん。カメバーとは子供たちが呼ぶ愛称。ピースママとは毎日挨拶を交わす間柄。年老いているが仕事はテキパキとしている。
- ドクターDEX
- 診療所を開業している怪しげな中国人。腕は立つが、けっこう仕事は手荒。山中トモミという美人の助手がおり、彼女に好かれている。大の偏食家で、野菜しか食べない。
- 花山スミレ
高ヶ谷商店街の一角にある生花店の一人娘。大学に通う傍ら、家業を手伝っていた。心優しく、穏和な性格で、ノブ君は当初、彼女に惚れていた。
- 野原美智子
高ヶ谷中の国語教師兼2年1組担任。フリルの付いた服を好み、とても教師とは思えない格好をしている。彼氏とは熱愛中であり、全く遠慮のない性格なので、香山先生は彼女を快く思っていない。
- 松山光太郎
高ヶ谷小学校4年2組、則子の担任教師。爽やかな二枚目で、青春に突っ走る傾向がある。則子は彼に憧れを抱いている。
- 青木クニ子
則子の親友。しっかり者で、則子が苛められたときは率先して彼女を庇う。桃子に対するキミ子に似た存在。
- 杉並カンナ
則子のクラスメートで、高慢なお嬢様。親は大病院の院長を務めており、かなりの豪邸。クラスメートの木村君に憧れる余り、彼が関心を示している則子に対して敵対意識を持つようになる。
- 桜井薫
高ヶ谷小学校2年3組、康介の担任教師。理想の教師を夢見ているが、若さ故に現実を突きつけられる度、泣かされている。
ほか多くのキャラが登場する。
[編集] 一回きりの登場人物
- 早川里華
- 健太郎のクラスメート。トゥルーラブストーリーの水谷由梨香がモデルと思われる。
[編集] 余談
45話については、事情により単行本に掲載されていない（外部リンク参照）。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 漫画作品 お | 週刊少年チャンピオン
