おれはジャイアンさまだ!
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おれはジャイアンさまだ!は、アニメドラえもんの中(特に2005年3月までのシンエイ動画版)で挿入歌として使われた曲。作詞者はジャイアンのシンエイ版初代声優のたてかべ和也(本当はある作詞家との共同で作っていたが、その方がたてかべに詞を譲るということで、単独での発表となった)、作曲・編曲者は菊池俊輔。
普通の挿入BGMとして利用されるときはインストゥルメンタル(歌なし)だが、ジャイアン本人が熱唱することがある。自らを自己紹介する「♪おれはジャイアン ガキ大将~♪(以下は著作権を勘案し省略)」の歌い出しで始まるこの歌は、あまりの音痴さから大勢の人々を苦しめてきた。まさに気絶するほどの歌声である。しかし、時としてそれは有効な武器にもなる。漫画のときは歌声は「ボエ~」「ホゲ~」等と表記される。歌詞の内容は、当人を自ら褒め称えたものであり、調子のいいものである。
[編集] ジャイアンの歌声が道具として利用された例
- 「驚音波発振式ネズミ・ゴキブリ・南京虫・家ダニ・白アリ・虫退治機」の本物の害虫駆除用の驚音波テープの代わりに。
- 「ジャイアン殺人事件」(てんとう虫コミックス39巻)では、音楽学校の宣伝用テープの「通学前の音痴の声」としての使用が検討された。
- 大長編ドラえもん「のび太の魔界大冒険」で、魔界の人魚と肉食怪獣ツノクジラを追っ払う。
- 大長編ドラえもん「のび太と翼の勇者たち」で、コエカタマリンと併用して飛行用具に(このとき叫んだのは「ホ」「ゲ」)。
[編集] その他
- ジャイアンは、他にも持ち歌がある。
- 実際にアニメから歌声を聴くと、聴けない歌声ではなく、たてかべ和也本人から歌を生で聴いた人も倒れた様子がないので、音痴であるという設定は原作やアニメの中だけの事である(ただしアニメ版とCD版では歌い方が異なり、CD版はちゃんと音程に合っているが、アニメ版はたてかべがわざと音程を外して歌っている)。
- ジャイアンが歌を歌うと、画面が揺れる。また、時にはガラスが割れたり、空を飛ぶ鳥が落ちたり、入院患者が出たり、機械が故障したりもする。ジャイアンがリサイタルする会場は大抵近所の空き地だが、近隣住民への被害状況は明確に描かれていない。
- ただし、実際の被害例は原作の第8巻で掲載されている。「声のキャンデー」を服用してTVののど自慢生放送にジャイアンは出演した。天地真理の声で歌うつもりであったが、ドラえもんがアメの効き目を30分しか持たない事をジャイアンに知らせていなかった。このため全国ネットでジャイアンの歌声が放送され、その結果「全国各地でテレビが故障した」り、「大勢の視聴者が倒れて救急車で運ばれた」と翌日しずかやスネ夫が話している。
- また、原作第10巻の「おそだアメ」の巻では、リサイタルを逃れるためにのび太がアメをジャイアンに食べさせようとしたところ、ジャイアンは全部服用した。音声を遅らせる作用があるこのアメの効能で、真夜中遅れた声だけが原っぱに大音量で響き渡り、安眠妨害された周辺住民が集団で剛田家へ抗議に行くシーンがオチで描かれている。
- さらに、ドラえもんがジャイアンの夢を叶えるべく、誰にも影響しない真夜中の放送を終了したテレビ局でリサイタルを放送したところ、偶然視聴した先生が強烈な歌声に気絶してしまい、翌日のテストが中止となっている。
- その一方で前記の「驚音波発生器」のエピソードにあるとおり、ゴキブリなど衛生害虫には絶大な駆除効果を発揮する。
- 唯一ジャイアンの歌に心から感動したのは、「のび太の南海大冒険」に登場したベティ。
- コナミの音楽ゲーム「ポップンミュージック11」には、初代声優のたてかべ和也本人が歌うこの歌の新録音バージョンが収録されている。ジャンル名表記はそのまま「ジャイアンリサイタル」。これはCD版と同様、音は外れておらずちゃんと音程に合ったものとなっている。
- ジャイアンリサイタルの開演時間はいつもの空き地で午後3時開催というのが定番だったが、1度だけ、開演時間が夕方5時開催というのがあった(TC第41巻)。