アビスガンダム
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アビスガンダム(Abyss Gundam)は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:ZGMF-X31S)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 機体解説
アビスガンダム | |
型式番号 | ZGMF-X31S(RGX-02) |
所属 | ザフト→地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン” |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 17.84m |
重量 | 92.39t |
装甲 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
武装 | ・MMI-GAU1717 12.5mmCIWS(MS時) ・MMI-GAU25A 20mmCIWS×2(MS時) ・MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲(MS時) ・MA-X223E 3連装ビーム砲×2(MS時) ・MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷×4(MA時) ・M68 連装砲×2 ・M107 バラエーナ改2連装ビーム砲 ・MX-RQB516 ビームランス |
主な搭乗者 | アウル・ニーダ マーレ・ストロード |
ユニウス条約締結後ザフトが開発した新型実験機群のカテゴリー「セカンドステージシリーズ」の可変MS。水中用の潜水艇型モビルアーマーへの可変機能を有している。なお、この機体にも他のセカンドステージ機同様、デュートリオンビーム送電システムが採用されている。
なお、ファントムペインに奪取されたため、一度も使われなかった。
本機の最大の特徴は前述どおり、潜水艇型MA形態への可変機構を有する事である。アビス以前にもザフトにはグーン、ゾノと言った水中用の機体は存在していたが、これらの機体は水中での運用を重視する余り陸上での機動性は殆ど考慮されておらず、揚陸作戦などにおいては殆どいい的でしかなかった。その点アビスは基本形は従来のMSと同じ純粋な人型であるため、陸上での機動性も確保されている。さらに宇宙空間で運用する事も可能であり、水陸両用MSとしての汎用性はグーンやゾノを大きく上回る。
とは言え、水中での設備を備えたため、他のセカンドステージシリーズに比べれば水中以外での機動性が劣ることは否めない事実である。その為アビスは陸上では機動性をあまり重視されない火力支援用の機体として運用される事を想定し、多数のビーム砲(砲門の数はフリーダムすら上回る)や敵と間合いを取るためのリーチの長い格闘兵装を備えている。
過剰と思える程のビーム兵器と海中戦闘用の魚雷を併せ持つ機体はその主戦場を考えれば、明らかに地球上での活動を想定している。開発当時、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは穏健派と言われていたが、MS設計陣は明らかに「やる気」であったようだ。特に高性能の水中用モビルスーツ開発に関しては、前大戦後期の第2次カサブランカ沖海戦での手痛い敗北(グーン、ゾノの部隊が少数のディープフォビドゥン、フォビドゥンブルーにより壊滅状態に陥れられ、これによりジブラルタル基地を放棄せざるを得なかった)に対するリベンジの意味合いが強かったようだ。
なお、劇中28話で撃墜された時、母艦のモニターに「RGX-02」と表示されていたが、これは地球軍の鹵獲機に付けられる番号と後になって解説された。
「アビス」とは「深淵」を表す。由来はエジプトの神「アビス」で、牡牛の姿をしている。
[編集] 武装
- MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
- 頭部ブレードアンテナの上部に装備された近接防御火器システム。
- MMI-GAU25A 20mmCIWS
- アビスを含め全てのセカンドシリーズ系列機に装備された兵装。
- MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
- アビス最大のビーム兵器で胸部に装備されている。対ビームコーティングシールドを一撃で破り、尚且つ背後の敵機をも破壊する程の威力を有する。
- 尚、後に開発されたストライクフリーダムの腹部にも同様の装備が採用されている。そちらのものより破壊力連射力はやや劣る。
- M107 バラエーナ改2連装ビーム砲
- フリーダムの「M100」の発展型である高エネルギービーム砲。ビーム兵器である水中戦では使用不可だが、浅水域からの対空攻撃に威力を発揮する。
- MX-RQB516 ビームランス
- 先端部にビーム刃と実体刃を複合装備させた槍。アビスの全長にも匹敵するリーチを持ち、決して取り回しが良いとは言えないが、これは敵と接近戦になった際、相手と広い間合いを取る事によって、本来遠距離砲戦型のアビスの攻撃を有利に進める為の工夫である(同様の発想がZGMF-X56S/γブラストインパルスのデファイアントビームジャベリンにも見られる)。又、柄部分は対ビームコーティングがなされており、ビームサーベルを受け止める事も可能。
- 実体刃が付属しているのは水中でも格闘兵装として運用する為で、MA形態時は実体剣部分が機体最前部に来る形で機体下部にマウントされる。
- MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷
- MA時の主兵装で両肩のシールドに内蔵されている。発射口は左右合わせて4門ある。
- MA-X223E 3連装ビーム砲
- 両肩シールドの内側に内蔵されるビーム砲。左右計6門のビーム砲を一斉発射する事で、広域に存在する目標に対し同時攻撃が可能。基本的にカリドゥスと同時使用されるケースが多い。
- M68 連装砲
- これも両肩のシールドに装備される武装で、砲門数は計4。実弾兵器だが、炸裂式の砲弾を装填している為威力は高い。水中でも使用可能。
- 両肩部シールド
- MA-X223E 3連装ビーム砲とM68 連装砲と共に、外装にPS装甲と対ビームコーティングを施した攻防一体の盾。尚、あくまでも『アビスのパーツの一部』という位置付けで、装備としての固有の名称はない。この扱いはインフィニットジャスティスガンダムのファトゥム01に組み込まれた対装甲ナイフにもみられる。 MA形態時は頭部を覆う形を取る。
[編集] 劇中での活躍
第1話でカオス、ガイアとともにザフトの軍事工廠から強奪され、地球連合軍によって使用されることになった。その後、本機は強奪した特殊部隊ファントムペインとともに地球に降り、再三、ミネルバの攻撃に投入された。16話では劇中において初めてモビルアーマーへと変形し、水中戦で無類の強さを発揮した。また、その戦闘でミネルバに随伴していたボズゴロフ級潜水艦ニーラゴンゴを撃沈した。23話では損傷したミネルバに水中から迫ったものの、戦闘に介入したフリーダムにレールガンで推進器を破壊され、早々に戦線を離脱した。28話のクレタ島沖の戦闘ではブラストインパルスと交戦、水中からの砲撃でブラストシルエットを大破させたが、その直後にビームジャベリンの投擲によってコクピットを貫かれ、海中で爆散した。この際、パイロットのアウルも戦死した。
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