ミネルバ (機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
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ミネルバは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器で、ザフト所属の宇宙戦艦。艦籍番号LHM-BB01。
主人公シン・アスカらが乗艦している新造艦で、飛行機のものに似た翼を持った特長的な外観をしている。艦名の「ミネルバ」はローマ神話のミネルウァからとられている。
艦長はタリア・グラディス。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
ミネルバ | |
型式 | 強襲揚陸型MS運用母艦 |
艦籍番号 | LHM-BB01 |
所属 | ザフト軍 |
全長 | およそ350m |
重量 | 不明 |
武装 |
・陽電子破砕砲「QZX-1 タンホイザー」 |
その他 | ・MS搭載能力 ・大気圏内航行能力 ・デュートリオンビーム送電システム ・カタパルト×2 ・インパルス専用カタパルト |
ユニウス条約締結後建造された最初の戦闘艦でありザフトの従来の艦船同様モビルスーツの運用を前提としている。インパルスを始めとするセカンドシリーズモビルスーツの活動時間を延長させるデュートリオンビーム送電システムの送信機を搭載する。また戦闘中に狙われやすい艦橋を保護するために戦闘時は艦橋が丸ごと下にスライドしてCICとなる特殊な構造を持つ。
単独で大気圏突入が可能であり、また巨大な可変翼を装備し、大気圏内では低空飛行しかできなかったアークエンジェル級と違って航空機のような飛行が可能である。武装も、レールガンに対して圧倒的に弾速が遅く宇宙空間では使い勝手の悪い通常火薬砲を搭載し、宇宙では無用の長物である魚雷まで標準装備しており、宇宙空間よりも大気圏内での運用を重視した設計である。底部に大きな推力装置をもち、1G下でも垂直離着陸が可能。
陽電子破砕砲「タンホイザー」1基、2連装ビーム砲「トリスタン」2基、420mm通常火薬3連砲「イゾルデ」1基、40mmCIWS12基などを装備。また、3基の発進用カタパルトを持つが、そのうち中央カタパルトはシルエットシステムを運用するための専用カタパルトであり、ここからはコアスプレンダーをはじめとする分離状態のインパルスの各パーツが発進・射出され、その他のモビルスーツは両舷に設置された通常のカタパルトから発進する。この特性上、インパルスの専用運用艦と言っても過言ではない。
艦にはインパルス、ザクウォーリア、ザクファントム、ゲイツR2機を搭載していたが、後の交戦においてゲイツRは2機とも撃墜された。
[編集] 劇中での活躍
「アーモリーワン」で進水式を控え停泊中にガイア、カオス、アビスの三機の新型モビルスーツが強奪され、急遽その追撃任務に投入された。
ユニウスセブンが地球へ落下する危険が判明したあとはその落下阻止に投入され、落下するユニウスセブンと共に地球に降下した。地球とプラントとの関係が緊張する中カーペンタリア基地にてセイバーを、ディオキアではグフイグナイテッドを、ジブラルタルではデスティニー、レジェンドを搭載しながら各地を転戦した。
オーブ侵攻戦の後、月のアルザッヘル基地でレクイエムを発動させたロード・ジブリールを討つべくカーペンタリア基地から再び宇宙に上がった。 その後、レクイエムの一次中継ステーションを巡る戦闘でアークエンジェル級#アークエンジェル|アークエンジェルを追い詰めるも、陽電子砲「タンホイザー」をアカツキに防がれ、逆にタンホイザーを破壊されて甚大な被害を被った。
その後のザフトの軍事要塞メサイア及びレクイエムを巡る攻防戦においてもアークエンジェルを追撃するが、最後はバレルロールを敢行したアークエンジェルのバリアントによって主砲の「トリスタン」2基を含む多数の武装を喪失(主砲直下がカタパルトであるため、事実上モビルスーツの発着も不可能である)し、更にインフィニットジャスティスのファトゥム-01の突撃(小説版ではムラサメのビーム)を受けて艦体後部のメインスラスターを全損、月の重力下で姿勢制御不能に陥り、撃沈に近い形で月面に不時着した。最終的には艦長タリアの指示で放棄されクルーは退艦。その使命を終えた。
[編集] 武装
- 陽電子破砕砲:QZX-1 タンホイザー
- 2連装高エネルギー収束火線砲:XM47 トリスタン
- ミネルバ主砲。艦尾両舷に1基ずつ装備されている2連装のビーム砲。ある程度の艦ならば一撃で撃破可能。右舷が1番、左舷が2番である。
- 42cm火薬式3連装砲:M10 イゾルデ
- ミネルバ副砲。艦首中央に装備されている艦砲で、通常は格納されており使用時にせり上がる。大口径のため高い威力を誇る。砲身は、腔線(ライフリング)があるのに伸縮式になっている。
- 40mmCIWS
- 近接防御機関砲。弾幕によってミサイルやMSなどを迎撃する近接防御システム。従来のCIWSに比べ弾芯の改良で一発あたりの威力も高く、至近距離からの集中砲火を浴びせればMSも撃破可能である。
- ミサイル発射管
- 艦の両舷に多数設置されている1基4門のミサイル発射管。用途別に数種類のミサイルを発射可能。劇中のミネルバ副長アーサー・トラインのセリフによれば、ランチャーワンからテンまで最低でも10基40門であると推察される。
- 宇宙用ミサイル:ナイトハルト
- 地上用ミサイル:パルジファル
- 迎撃用ミサイル:ディスパール
- 魚雷発射管
-
- 魚雷:ウォルフラムM25
[編集] 艦載機
デスティニー、レジェンド、インパルス、セイバー、グフイグナイテッド、ザクウォーリア×2(ルナマリア機、第2話にてアスランが避難に用いた一般機)、ザクファントム(レイ機)、ゲイツR×2
[編集] 注
- ^ なお、「アーモリーワン」での強奪事件が無ければガイア、カオス、アビスの三機を搭載していた事が確実であるため、セイバーの搭載が予定されていれば、この艦の最大艦載機数は最低でも9機と思われる(インパルスを除く従来機が最低でも8機の搭載が可能)。ただし、インパルス専用の格納庫が存在し、予備パーツが幾つかあるため(第12話でレッグフライヤー、34話でチェストフライヤー及びフォースシルエットを各1回換装しているため、コアスプレンダーを除いて最低でも2セット分のパーツがあると思われる。ちなみに設定上は常時3セットのパーツが常備されているらしい)、実際に何機が搭載できるかは不明である。
- ^ しかし陽電子砲は射撃時に放射能汚染を引き起こす恐れがあり、過去同様の装備が為されていたアークエンジェルは地球上での陽電子砲の使用を自ら封印していたが、同艦については地球上での使用を躊躇する描写は存在しなかった。これについてはタンホイザーが改修後のローエングリンと同じく、何らかの方法で環境への悪影響を低減したタイプの陽電子砲であるからなのか、単純に運用側が地球環境を考慮しなかったからなのかは不明である。
- ^ これら武装の名前の多くはワーグナーに関連しており、タンホイザーはオペラ「タンホイザー」、トリスタンとイゾルデは「トリスタンとイゾルデ」の登場人物から、ミサイルのパルジファルはオペラ「パルジファル」からとなっている。また、ウォルフラムはドイツ語でタングステンの意。
[編集] 武装に対する余談
本編43話において、水中潜行モードに切り替えたアークエンジェルに対し、ミネルバ艦長タリア・グラディスは「(水中に)潜られたらこちらに攻撃オプションは無い(=水中にいる敵を攻撃する手段が無い)」と言い、アークエンジェルの水中からの一方的な攻撃を避けるため戦域を離脱しようとしたが、ミネルバは魚雷「ウォルフラムM25」を装備しているので実際には攻撃は可能だったのではないかという疑問の声が生まれている。
- シナリオライターが設定(魚雷の存在)を忘れているだけ」という説
- 武装として魚雷があることは判明しているが、VLS等に搭載されるアスロックのような空中発射式ではなく、潜水艦のような魚雷発射管を用いるタイプで「船体が飛行している状態では魚雷を発射することはできなかった」という説
- あのタリアの台詞は「海中に居る敵艦に対して決定打に成り得る武装が無い」(無論この場合、艦船を一撃で沈められる威力のリニアカノンや魚雷を装備した潜水高速戦艦を、離水もせずに4門の魚雷発射管だけで相手にするなど論外である)と解釈すべきであるとする説
など様々な意見が飛び交っている。
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