アルマジロ
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![]() ムツオビアルマジロ |
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分類 | ||||||||||||
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アルマジロ (Armadillo)は、アルマジロ科に属する哺乳類の総称である。体は皮膚が変化した甲羅で覆われている。サイズは、小さいものではピチアルマジロが体長10-15cmほどしかないのに対して、最も大きいオオアルマジロでは、体長80-105cm、尾長40-60cm、体重40-60kgほどもある。
北アメリカ南部からアルゼンチンにかけて分布している。夜行性で、昆虫やカタツムリ、ミミズ、ヘビなどを食べる。
敵に出会うと、丸まってボール状になり身を守るとおもわれているが、実際にボール状になることができるのはミツオビアルマジロ属 Tolypeutesの2種だけである。なお、アルマジロ(Armadillo)という英名はスペイン語で「武装したもの」を意味するarmadoに由来する。
もともとは南米の生物であると思われるが、最近では北米大陸でも見かけるようになりアメリカ南部では一般的に見かけられるようになってきている。また、ペットとして飼育される事例も多く、意外と人になつく生き物でもある。睡眠時間が長く一日18時間も寝て過ごす。野生では巣穴を掘って穴の中で生活しているが、飼育下では無防備にあお向けになって寝る。
南米では、アルマジロの肉を食用としているほか、甲羅はチャランゴなどの楽器の材料に使われている。アンデス地方の先住民族であるケチュア族の言葉ではケナガアルマジロを「キルキンチョ(quirquincho / kirkincho)」もしくは「キルキンチュ(quirquinchu / kirkinchu)」と呼び、ボリビアやペルーではこの名前で呼ばれることが多い。フォルクローレの里として有名なボリビアのオルロでは、自分たちのことを「キルキンチョ」と自称するほど親しまれた動物である。
オルロやラパスなどのアンデス地方の都市でカルナバル(カーニバル)の際によく踊られる「モレナダ」と呼ばれる踊りでは、手にアルマジロの胴体で作ったリズム楽器を持つことがあり、この楽器は「マトラカ(matraca)」と呼ばれる。中に鉄板をはめ込んだアルマジロの胴体に棒をつけ、棒を持って振り回すと鉄板がガリガリと音を出すようになっている。近年のカルナバルでは、本物のアルマジロを使う代わりに、同様のものを木などで作ることの方が多い。踊り手たちが所属するグループを示すものの形をしたマトラカ(運送業者のグループならばトラック型のマトラカなど)を持って踊ることもある。
漫画などでキャラクターのモチーフとして使われることも多い。
アルマジロをモチーフとしたキャラクターの一覧
- 人造人間キカイダー-モモイロアルマジロ
- デジモンアドベンチャー-アルマジモン
- 鳥人戦隊ジェットマン-ライトアルマジロ
- 仮面ライダー-アルマジロング
- ゴジラ FINAL WARS - アンギラス
[編集] 研究
アルマジロは人間以外の自然動物で唯一ハンセン病に感染、発症する動物であるためハンセン病の研究に用いられてきた。
[編集] 分類
- ココノオビアルマジロ属 Dasypus属
- ココノオビアルマジロ D. novemcinctus
- ムクゲアルマジロ
- ナナツオビアルマジロ
- コムクゲアルマジロ
- ムリタアルマジロ
- ヤツオビアルマジロ
- ムツオビアルマジロ属 Euphractus属
- ムツオビアルマジロ E. sexcinctus
- ミツオビアルマジロ属 Tolypeutes属
- ミツオビアルマジロ T. tricinctus
- マタコミツオビアルマジロ
- オオアルマジロ属 Priodontes属
- オオアルマジロ P. giganteus
- ヒメアルマジロ属 Chlamyphorus属
- チャコアルマジロ C. retusus
- ヒメアルマジロ C. truncatus
- ピチアルマジロ属 Zaedyus属
- ピチアルマジロ Z. pichiy
- ケナガアルマジロ属
- アラゲアルマジロ
- ケナガアルマジロ
- ペルーカナガアルマジロ
- スベオアルマジロ属
- スベオアルマジロ
- タトゥースベオアルマジロ
- チャコスベオアルマジロ
- パナマスベオアルマジロ