イエスの母マリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イエスの母マリア(-はは-、Maria Mother of Jesus)は、イエスの母。ナザレのヨセフの妻。童貞マリア、処女マリア、聖母(マリア)、サンタ-マリア、ミリアムとも。
ヨセフとの結婚前にイエスを身ごもっていた。ヨセフは婚約者のマリアが身ごもっていることを知ると、律法に忠実な義人であればマリアを不義姦通として、世間に公表し、申命記22・23による石打ちの刑にすべきところをそうせず、結婚した。 その後ヨセフとの間にヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの4人の息子と2人の娘を産んだとされているが、カトリックではマリアは一生処女で、彼らは従兄弟とされている。 晩年はイエス・キリストの十二人の弟子・使徒の一人である使徒ヨハネとともに小アジアのエフェソスで余生を送ったと伝えられる。
[編集] 福音書が描写するマリア
福音書に拠れば、処女懐胎により、イエスを身ごもったとされている。 『マタイによる福音書』(1:18-25)では、マリアは聖霊による受胎をすでに知っていたが、ヨセフはナザレではない地で(2:22-23、恐らくベツレヘムで)夢にあらわれた天使のお告げによってマリアと結婚した。『ルカによる福音書』(1:26-38)では、ナザレで、天使ガブリエルがマリアの前に現れ、受胎告知した。(右の絵)
マタイによる福音書やルカによる福音書より、先に著述された『マルコによる福音書』では、イエスが30歳頃に洗礼者ヨハネからヨルダン川で洗礼を受けるところから書き始めている。もしも、イエスが聖霊によって受胎したという話が既にあったのならば、それを書かなかったということが『マルコによる福音書』の著者の信仰を示している。近年紀元後70年代に著述されたという説が強いが、その場合は、マタイやルカと10年~20年しか隔たっていないことになる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク