ガンバの冒険
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『ガンバの冒険』(ガンバのぼうけん)は、1975年4月7日から1975年9月29日まで日本テレビ系で全26話が放送された、東京ムービー製作のアニメーション番組。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 原作
- 「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」 斉藤惇夫 (アリス館牧新社、のち岩波書店)
- 1983年度野間児童文芸賞を受賞している。
[編集] ストーリー
港で開かれているネズミたちのパーティ。そこに傷だらけの小ネズミ、忠太が転がり込んでくる。 残忍な暴力と恐怖で故郷の島を支配している巨大な白イタチ、ノロイを倒す力を貸して欲しい、という忠太の言葉に、ネズミたちは冷たかった。 しかし、ガンバを始めとする勇敢な7匹の仲間が集まり、冒険の海へと船出する!
[編集] スタッフ
- 企画:吉川斌
- プロデューサー:上野徹、楠部三吉郎
- シナリオ:馬嶋満、金子裕、吉川惣司、高屋敷英夫、大和屋竺、竹内啓雄
- ディレクター:出崎統
- 演出:さきまくら、御廚恭輔、吉田茂承、竹内啓雄
- 場面設定、レイアウト:芝山努
- 作画監督:椛島義夫
- 美術監督:小林七郎
- 撮影監督:清水達正、若菜章夫
- 録音監督:加藤敏
- 音響効果:片岡陽三
- 録音技術:飯塚秀保
- 美術設定:黒鹿和男
- 文芸担当:飯岡順一、大森俊治
- 色指定:関根栄子、山名栄枝
- 音楽:山下毅雄
- 制作主任:加藤俊三
- 主題歌:「ガンバのうた」(作詞:東京ムービー企画部、作曲:山下毅雄、歌:河原裕昌)
- エンディングテーマ:「冒険者たちのバラード」(作詞:東京ムービー企画部、作曲:山下毅雄、歌:すぎうらよしひろ)
[編集] 主なキャラクター
- ガンバ(声:野沢雅子)
- 自称「がんばり屋のガンバ」。町育ちのネズミで、親友のボーボに海を見せる為に旅に出、辿り着いた港で忠太に出会う。
- 元気で負けず嫌いの性格で勇敢と好奇心の塊。喧嘩も強く、港でのネズミたちのパーティーではヨイショと勝負して、ついに決着がつかなかった。
- ボーボ(声:水城蘭子)
- ガンバの親友。のんびり屋で食いしん坊。イカサマに「ボーボが無事ならみんな無事」と言われ、自分でもそれを認めるほど普段はのんびりしている。が、船酔いすると言葉遣いが乱暴になったり、リーダーを任されるととたんに横暴になったり…と、普段の言動からは想像もつかない一面を持つ。
- 鼻が利き、特に食べ物の匂いに敏感で、ノロイ島への旅の途中には食糧探索係として大いにその鼻を振るった。足手まといになる事が多いが穴掘りが得意で仲間たちの危機を救った事もある。料理が得意という面も。
- ヨイショ(声:内海賢二)
- 船乗りネズミの船長。以前アザラシ島でノロイに襲われて右目を潰されたため、ノロイとの戦いを避けたがっていた。しかし、ガンバの心意気に打たれ、恋人のユリー(声:弥永和子)と子分を捨て旅に出る。相棒のガクシャとは幼馴染みでヨイショが肉体労働、ガクシャが頭脳労働担当となる。
- ガクシャ(声:富山敬)
- ヨイショの幼馴染みで一心同体。物知りで頭が良く大きなメガネが特徴。短い尻尾がコンプレックスだが、「尻尾が短いのは進化の証」と強がっている。
- イカサマ(声:堀絢子)
- 名前の通りイカサマが得意。足の速さから「イダテン」とも呼ばれる。二つの黒いサイコロを肌身離さず持っており、博打に使うほか武器として投げつけることもある。時折「サイコロ占い」と称してサイコロを振り、未来を予見する。
- ガンバたちとは偶然同じ船に乗り合わせただけだったが、ガンバの心意気に惚れて同行することになった。皮肉屋だが情に厚い。
- 劇場版では、最初から仲間になるつもりでガンバたちに近付いたことになっている。
- シジン(声:島田彰)
- ガンバとボーボが港で初めて出会った風来坊の医者ネズミ。いつも酔っ払っては詩を詠う。
- 忠太(声:菊池紘子)
- シオジの弟の島のネズミ。泣き虫だが弱虫ではなく、「仲間を助ける」という強い信念の持ち主。ノロイ島への地図を肌身離さず持っている。
- ノロイ(声:大塚周夫)
- 通常のイタチの三倍はある巨体と雪のように白い体毛、赤い目(いわゆるアルビノ)をもつイタチ。殺戮そのものを楽しむ性格で、ネズミたちを少しずつ追い詰めては殺してゆく。ネズミの言葉を話す事が出来、また不気味な笑い声で威圧する。また眼光を利用して催眠術を使う事も出来る。
- 自分の体色と同じ白を何よりも美しいと言う独特の美意識を持つ。そのため白い花を汚した部下に対して、まるで自分自身を汚されたかの様に怒り狂い、容赦ない制裁を加えた事もある。
- 長老ネズミ(声:田の中勇、北村弘一)
- ノロイ島の長老ネズミ。イタチに傷つけられて死んでしまう。
- シオジ(潮路)(声:増山江威子、弥永和子)
- ノロイ島の長老ネズミの孫娘。忠太の美人の姉。
- クリーク(声:森功至)
- ザクリ島のリス。ザクリを倒したがっている。
- イエナ(声:杉山佳寿子)
- クリークの妹。
- ザクリ(声優不明)
- 島リスを殺す黒ギツネ。ノロイのように恐ろしいが単独で行動し、キツネの部下はいない。
- ボスネズミ(声:雨森雅司)
- イカサマの故郷のボスネズミ。以前イカサマの不正を暴いて追放したことがある。帰郷したイカサマが再び不正を働いたことを見抜き、子分と共にイカサマを追い詰めるが、ガンバとボーボの加勢で逃げられてしまう。彼もノロイの話を聞かされると恐れる。(第3話)
- オリュウ(声:増山江威子)
- イカサマのガールフレンド。不正を見抜かれたイカサマが自分の目の前でボスネズミに襲われたため、別れを惜しむ間もなく再び離れ離れになってしまう。(第3話)
- トラゴロー(声:緒方賢一)
- 10年ぶりに故郷に帰る旅ネズミ。旅の途中でガンバ達と合流し、危険を避ける為にガンバ達を利用した。(第11話)
- ピョン(声:松金よね子)
- ウサギの子供。迷子になっていたところをガンバたちに助けられた。そのままガンバたちの旅に同行しようとするが、「命を落とす覚悟が必要な旅に連れて行くわけにはいかない」と考えたガンバたちの手で母親の元に帰された。(第14話)
- 山小屋のガイド(声:伊武雅之)
- カラス岳の山小屋に住む登山ガイドの人間の青年。鷹に襲われて傷を負ったガンバを助け、旅立ちを見送った。
- 本作は全編がネズミの視点で描かれているため、人間は「恐ろしいほど巨大な生物」というイメージで統一され、モノトーン処理され表情も読み取れないのが基本となっている。しかし、この男だけはガンバとの交流を描くためか、表情が読み取れるようにデザインされている。(第15話)
- ツブリ(声:嶋俊介)
- オオミズナギドリのリーダー。巣を離れている間にノロイとその部下にメスを皆殺しにされ、卵もすべて潰されてしまったことから、ノロイに恨みを抱いている。イタチの姿を見ていなかったためガンバたちをイタチと勘違いしたが、誤解が解けてからは良き協力者になった。
- 一郎(声:山下啓介)
- 高倉ネズミのリーダー。太一の裏切りのため、命がけで持ってきた米俵ごと火口に落ちて死んでしまう。
- 又ベエ(声:辻村真人)
- 高倉の老人ネズミ。
- 太一(声:曽我部和行)
- シオジの幼馴染み。ノロイに順太を人質にされ、仲間を裏切ってしまう。その贖罪のため、自らを犠牲にしてノロイの罠を仲間に教えた。
- 劇場版では彼にまつわるエピソードがすべてカットされており、姿は確認できるが台詞は皆無、名前を呼ばれることすらなかった。
- 順太(声:松金よね子)
- 太一の弟。太一を脅すため、ノロイに人質にされる。太一が死んでからシオジの弟になる。
※レギュラーである7匹のネズミ以外は、テレビ版では役名も声優名もクレジットされず、劇場版のエンディングに一部が表記されているのみ。本項の記述は「メイキング・オブ・ガンバの冒険」(LD-BOX及び2001年版DVD-BOXの特典解説書)に従ったものである。また、劇場版にはテレビ版への出演が確認できなかった声優も出演しており、一部配役の変更が行われたと推察される。
[編集] 放送リスト
- 冒険だ 海へ出よう
- ガンバ、船で大暴れ
- 忠太を救え! 大作戦
- 嵐にやられてメッタメタ
- 何が飛び出す? 軍艦島
- たのしいたのしい潜水艦
- ぶきみなぶきみな黒い影
- ボーボが初めて恋をした
- 黒ギツネとの苦しい戦い
- かじって別れた七つのイカダ
- ぺてん師トラゴローを追え!
- 祭りだ 喧嘩だ 大騒動
- 特訓! モーモー大作戦
- 襲いかかる猟犬の群れ
- 鷹にさらわれたガンバ
- 魔のカラス岳を登れ!
- 走れ走れ ノロイは近い
- 奇妙なふとったネズミたち
- 闇に潜むオオミズナギ鳥
- 白イタチ ノロイを見た!
- 涙にぬれた13の瞳
- 海を渡って来た仲間
- 裏切りの砦
- 白い悪魔のささやき
- 地獄の岩穴
- 最後の戦い 大うずまき
[編集] 関連作品
[編集] グリックの冒険
シマリスのグリックが飼い主の家を飛び出し、自分の故郷を目指して旅する物語。1981年公開。
ガンバと仲間たちも登場するが、制作会社が異なるため(この作品のみスタジオ古留美が制作)東京ムービーが著作権を有するデザインを使用できず、まったく違うデザインに変更された。また、声優も変えられている(ガンバ役は青野たけし)。
原作は3部作の第2部(執筆順では第1作)と位置づけられているが、アニメ版は上記の事情によりシリーズから除外されている。
[編集] 冒険者たち ガンバと7匹のなかま
[編集] ガンバとカワウソの冒険
ガンバたちがシジンの恋人ナギサを探す旅の途中で、野犬に追われるカワウソと出会い、彼らを守るために戦う。1991年7月20日公開。
キャラクターデザインは『ガンバの冒険』に準じているが、デザイナーが変わったため印象が若干異なる。
[編集] ガンバ! GAMBA!~冒険者たち~
「トラマガ」第2号(2002年11月1日号)と第3号(2003年1月23日号)に掲載されたコミック版。「仲間たちの設定を原作通りに戻しつつ、絵はアニメ版を踏襲する」というコンセプトによるもので、アニメ版未登場のキャラクターは椛島義夫が新たにデザインした。一方で鉛筆のタッチをそのまま残した描法を採用するなど、原作のイメージも尊重している。
ストーリーは原作に準じつつ、ガンバの性格はアニメ版に近いなど、原作とアニメをミックスした「第3のガンバ」として発表された。また、連載開始にあたって2回連続で特集記事が組まれている。しかし、雑誌の突然の廃刊によってわずか2回で中断することになってしまい、現在に至るまで再開の見通しは立っていない。
[編集] スタッフ
- 原作:斎藤惇夫『冒険者たち~ガンバと15ひきの仲間』/トムス・エンタテインメント『ガンバの冒険』
- 監修、キャラクター著作:トムス・エンタテインメント
- キャラクターデザイン:椛島義夫
- 作画:一式まさと
[編集] サブタイトル
- (タイトルなし)
- 忠太
[編集] 再放送
- 1995年には、日本テレビで夕方17時から再放送を実施していた。
- 2006年には、CSのアニマックスで再放送された。
- KBS京都で木曜日の7時15分~7時45分に再放送している。
- 2006年9月1日より、東京ムービーONLINE内にてオンデマンド配信されている。
[編集] 外部リンク
日本テレビ系 月曜19:00枠 | ||
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