ガーディアン
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ガーディアン (The Guardian) はイギリスの新聞である。1959年までマンチェスター・ガーディアンという紙名だったため、今でもこう呼ぶ人も多い。発行部数40万部(2002年)で中道・左翼寄りと言われる一般紙である。週刊の国際版としてThe Guardian Weeklyがある。日曜日は休刊し、代わりにオブザーヴァー(The Observer)を発行している。
[編集] 歴史
マンチェスター・ガーディアンは1821年5月5日にジョン・エドワード・タイラーをトップとする非国教会系の人たちが創刊した。1855年から日刊紙となる。1872年から57年間編集長を務めたC. P. スコットによって有名新聞の仲間入りを果たす。スコットは1907年に創業者の息子の相続人からこの新聞を買収する。1936年、相続税対策としてスコット・トラスト社に経営権を移す。
伝統的に自由党(今のイギリス自由民主党)と友好関係にあり、スペイン内戦の時に国際的評価を集め、左派勢力からの信頼を得る。1959年、紙名をガーディアンに変更する。1964年、ロンドンに本社を移す。
1970年代に突入すると経営不振に陥り、一時タイムズ紙との合併交渉も行われた。 この頃には左翼的傾向がはっきりする。1986年、同じ左翼色の新聞インデペンデントが創刊し、他の新聞を巻き込んだ部数競争に突入する。1988年、紙面のデザインを変更し、それまで多かった誤字脱字を減らした。1993年にタイムズが仕掛けた価格競争には加わらない立場をとる。アメリカのアフガニスタン侵攻とイラク戦争の時期には反戦主義の読者を獲得する。ライバルとなる新聞の少ないアメリカ合衆国でも読者を増やした。
タイムズとインデペンデントがタブロイドサイズで発行した流れを受け、2005年9月12日からガーディアンもベルリンまたはミディと呼ばれるサイズに紙面を変更した。このサイズはタブロイド紙よりやや大きいサイズ (470×315 mm)で、ルモンドなどヨーロッパの多くの新聞が採用している。