キリマンジャロ (山)
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キリマンジャロ | |
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キリマンジャロ(タンザニア側より) |
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標高 | 5,895 m |
位置 | 南緯3度04分東経37度21分 |
所在地 | タンザニア |
山系 | (独立峰) |
種類 | 成層火山 |
初登頂 | ハンス・メイヤー(ドイツ) |
キリマンジャロ (Kilima-Njaro) はタンザニア北部にある山で、標高5,895m。アフリカ大陸の最高峰。山域がキリマンジャロ国立公園に指定されている。
目次 |
[編集] 概要
東南約50km、南北30kmに広がった死火山。西からシラ峰、キボ峰、マウエンジ峰の3つから成る。南東部には巨大なカルデラがある。中央にあるキボ峰が最高峰で、頂上はウフル・ピークとよばれている。ウフルとは独立の意味。ウフル・ピークには、タンザニア初代大統領の言葉が刻まれたレリーフがある。キボ峰の頭頂部は、赤道付近にもかかわらず巨大な氷河が存在する。
スワヒリ語で、キリマンジャロの「キリマ(Kilima)」は「山」、「ンジャロ(njaro)」は「輝く」を意味する。
1848年、ドイツ人の宣教師レプマンにより、ヨーロッパに紹介された。当時キリマンジャロはイギリス植民地領(現在のケニア)に属していたが、後に、アフリカ最高峰だと知った、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世はイギリスに国境線の変更を要求する。結局、その要求は受け入れられ、当初直線だった国境は、キリマンジャロ付近で大きく湾曲した線になっている。
1889年10月5日にドイツ人地質学者ハンス・メイヤーが初登頂。富士山登山をこなせる健常者で万全の準備があれば、山頂までのトレッキングを楽しむことができる。多いときは月に1,000人近くが山頂を目指している。しかし高山病や事故により、毎月数名の死者がでているのも事実である。
1987年にキリマンジャロ山域を含むキリマンジャロ国立公園が、世界遺産に登録される。
また、この山の裾野で採取されたコーヒー豆の銘柄「キリマンジャロ」としても知られる。
[編集] アクセス
実はタンザニアからよりも、ケニア側のアンボセリ国立公園からのほうが、キリマンジャロの山裾の全容を綺麗に見ることができる。
キリマンジャロ登山を目指す場合、キリマンジャロ麓の町、モシまたはアルーシャへ。両方の町には、ナイロビ、モンバサ、ダル・エス・サラームから定期バスがでている。
またアルーシャにアルーシャ空港があり、ザンジバル島からの定期便がある。またアルーシャとモシの間あたりにキリマンジャロ国際空港があり、ナイロビ、モンバサ、ダル・エス・サラームから定期便がでているようである。
[編集] 登山方法
キリマンジャロ登山には、ガイドの案内をつける事が義務付けられている。ほとんどの場合、ガイド・ポーター・コックが付随するツアーに参加するようである。また登山用品は現地で借りることも可能。
登山ルートは何本かある。マラング・ルート(別名コカ・コーラルート)が比較的簡単で、山頂まで最短(それでも最低4泊5日かかるが)のルート。登山者が最も多い。
[編集] マラング・ルート概要
- 第1日目
- モシまたはアルージャから車で、マラングゲート(1,700m)へ。ここで入山手続きを行う。昼前から、登山開始する。ジャングルの中を進む。途中昼食を取り、ゲートから3~4時間で、マンダラ・キャンプサイト(2,740m)に到着。マンダラ・キャンプサイトで宿泊。
- 第2日目
- 朝出発。ジャングルを抜けて、草原地帯に入る。ジャイアント・セネシオなど独特の植物を見ることができる。昼食を挟み、5~7時間で、ホロンボ・キャンプサイト(3,700m)へ。ホロンボ・キャンプサイトで宿泊。高山病の心配がある場合、ここで2泊することも可能。
- 第3日目
- 朝出発。LAST-WATERの看板を抜けると完全に植物の姿は無くなり、砂漠を進む。昼食を挟み、5~7時間で、キボ・キャンプサイト(4,700m)。早めの夕食を取り、仮眠をとる。
- 第4日目
- 深夜零時、山頂へ向け出発。4~7時間で、キボ峰のカルデラの淵であるギルマンズ・ポイント(5,861m)に着く。ここで日の出を迎える。体力と時間があれば、ここから1時間でウフル・ピーク(5,985m)。途中、氷河の壮大な風景を楽しむことができる。登頂後、一気にホロンボ・キャンプサイトへ下る。ホロンボ・キャンプサイトで宿泊。
- 第5日目
- 朝出発。5~7時間で、マラングゲートへ戻る。