コシアブラ
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?コシアブラ | ||||||||||||||||
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分類(クロンキスト体系) | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Acanthopanax sciadophylloides | ||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||
コシアブラ |
コシアブラ(学名Acanthopanax sciadophylloides Franch. et Savat. )はウコギ科ウコギ属の落葉性高木である。葉は掌状複葉、小葉は5枚、やや倒卵形、基部には短い柄がある。樹肌は白い。
同じウコギ科のタラノキやウド同様、山や丘の日当たりのよい斜面に多く、春先に伸びる独特の香りを持つ新芽は食用となり、山菜の一種として扱われる。
食用とする場合は、まだそれほど大きく伸びていない芽を摘み取り、元のほうにあるハカマの部分を除いたものを調理する。肥沃な土地にあるものは、太いだけでなく養分が多く美味である。 強い苦味があるため、苦味を和らげる天ぷらにすると食べやすい。またおひたしや和え物などにも調理され、塩漬けにして保存食とされる。
コシアブラの木材は、米沢市に伝わる木工工芸品の笹野一刀彫り(おたかぽっぽ)を作る際の材料として用いられる。また、幹を傷つけたときに得られる樹脂は加工を施すと黄金色に輝く塗料を作成することができ、古来「金漆(ごんぜつ)」と呼ばれ、工芸用塗料として珍重されたが、長くその加工法は忘れ去られ、断絶していた。近年その加工法の再現に成功したとの報道も聞かれる。コシアブラの和名は「漉し油」を意味し、この樹脂の利用に由来する名称である。
「刀の木」とも呼ばれる。コシアブラの枝は、皮をこするときれいに抜け、芯と皮とが分離する。これを刀と鞘に見立て、かつて子供の玩具とされたことに由来する。