シアーズ
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シアーズ (Sears) は、アメリカ合衆国に本部がある百貨店。かつてシアーズ・ローバック社によって展開され、カタログによる通信販売で知られた。また衣料など日用生活品以外に、工具、カー用品などDIY用品の自社ブランドを持つ。2005年に同業のKマートと合併し、持株会社 シアーズ・ホールディングス(Sears Holdings Corporation) 下の事業会社・店舗となっている。
なお、英語の depertment store は百貨店と訳されるが、ブルーミングデールズ、 ニーマン・マーカス、ノードストローム、サックス・フィフス・アヴェニューなどの高級店と違ってシアーズは廉価量販を旨とし、店舗も郊外にあることが多い。いわゆるGMSであり、営業形態としてはジャスコやイトーヨーカドーなど、日本でいう大手スーパーのそれに近い。 本社ビルであるシアーズ・タワーは全米一の高さであり、長らく世界一の坐に君臨した。 今後、Big AppleのWTC跡地に建造される新装WTCが完成すると再び合衆国が世界一の高層建築物を有することとなる。
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[編集] シアーズ・ローバックの歴史
1886年、ミネソタ州で駅員をしていたリチャード・ウォーレン・シアーズは、売れ残りの腕時計を買い取り、通信販売で安く販売する商売を始めた。間もなく時計商アルヴァ・C・ローバックが事業に加わり、1893年イリノイ州シカゴに Sears, Roebuck and Company を設立した。
19世紀末から20世紀初頭のアメリカは農業が中心で、広大な国土に多くの農民が生活していたが、交通手段は主に鉄道や馬・馬車であり、消費者は手間をかけて都市まで行くか、個人商店、行商人から高い値段で商品を買うしかなかった。ここに着目したシアーズは、カタログを郵送して、一括仕入れで安価に商品を提供するダイレクト・マーケティングを推し進めた。
初期のカタログには、やや誇大な宣伝文句と共に「満足していただけなければ返金いたします」といった良心的で誠実な保証がついており、この「満足保証」は後年まで続いた。シアーズのカタログは「消費者の聖書」と呼ばれ、大量に頒布されるカタログは農村で子供の絵本や学習帳の代用に用いられ、最後にはトイレットペーパー代わりに使われるほど身近に親しまれた。また、1908年から1940年の間に組立式住宅「シアーズ・モダン・ホーム」を販売、10万棟以上が出荷され、庶民に近代的な住宅を提供した。1908年から1912年には自社ブランドの自動車もカタログ販売した。シアーズの自動車は他社のコピーではなく、操作が簡単であることを売りにしていた。そのほとんどは2人乗りの軽快な自動車だった。自動車本体の販売撤退後もパーツやアクセサリーの販売はもちろん、メンテナンス・サービス業務を引き続きおこなった。
1925年以降、シアーズ・ローバックは人口の都市への流入とモータリゼーションの到来を予見して、都市の郊外に広い駐車場を備えたデパートを開店させた。第二次世界大戦以降はショッピングセンターの中心店舗として全米の都市に出店した。また自社の顧客を対象とした保険業、金融業、不動産業などに進出。1931年には自動車保険業オールステートを開始。オールステートブランドは自動車アクセサリー販売チェーンとなり、また自動車販売にも利用された。1951年に自動車販売を復活させ、1952年モデルとしてカイザー=フレーザー製ヘンリーJをオールステート(Allstate)ブランドで販売した。しかしこれも1953年モデルで終了している。1985年にディスカバリー・クレジットカードを開始した。
シアーズは1980年代初頭まで全米第1位の小売業者であった。しかし企業の巨大化は組織の硬直化、社内の官僚主義の蔓延といった弊害となって現れ始めた。シアーズの「毎日安売り(エブリデー・ロープライセズ)」戦略は、定期的に在庫一掃を行わないメリハリのなさが顧客離れにつながった(皮肉にも、後に台頭してきたウォルマートの場合、エブリデー・ロープライセズを無在庫経営に活かして成功した)。1973年、シカゴに本社ビル「シアーズ・タワー」を建設、当時世界一の高さを誇ったが、シカゴ市の中心部という立地条件が流通業の本部として使いにくく、その後の経営不振もあってビルを手放し、約十年で元の郊外に再び本部を移している。
1990年代、当時の会長アーサー・マルティネスの元でシアーズ・ローバック社は経営の再建を進め、長年親しまれた通信販売事業を縮小し、最終的に2000年に全廃した。 その役割は1998年に設立されたインターネット上のショッピングサイト「シアーズ・ドットコム」に引き継がれている。
[編集] Kマートとの合併
Kマート(Kmart) は1899年、ミシガン州デトロイトでセバスチャン・S・クレスゲによって創業された、老舗のチェーンストアであるが、陳腐化した店舗の更新に失敗するなどの原因で2002年に破産した。会社更生手続によって生まれた新会社 Kmart Holdings Corporation は投資家エドワード・ランバートの下で積極策をとり、2004年、同業のシアーズ・ローバックに対して買収の意向を表明。業界10位の会社が5位のシアーズを買収する試みは大きく話題となった。2005年、両者は合併し、持株会社の名称を Sears Holdings Corporation とした(NASDAQ上場・証券コードSHLD)。買収した側のKマートがシアーズを名乗るようになったのは、名門シアーズのブランドイメージを利用したい意図があったとみられ、現に2006年から、Kマート店のシアーズ店への衣替えの動きがみられる。このため、流通業界ではシアーズ・ホールディングスを「Kシアーズ」と呼んだりしている。
これにより、Kmart と Sears, Roebuck and Co. は事業子会社となり、ウォルマート、ホームデポに次ぐ全米第3位の小売業者が誕生した。
[編集] シアーズ・ローバック年表
- 1886年 リチャード・ウォーレン・シアーズが時計・宝石の販売事業を開始。
- 1893年 法人化。イリノイ州シカゴに Sears, Roebuck and Company を設立。
- 1896年 最初の大判総合カタログを発行。
- 1908年~1940年 組立式住宅を販売。延べ10万棟を出荷する。
- 1925年インディアナ州エバンズビルにデパートを開店。初めて店舗を持つ。
- 1953年 Robert Simpson company と共同でカナダにシンプソンズ・シアーズ社を設立(現在の Sears Canada Inc.)。
- 1970年代に店名を「Sears」とする。
- 1986年 創業100周年。
- 1993年 大判総合カタログ(ビッグブック)の発行を停止。
- 1998年 ショッピングサイト「 Sears.com 」開設。
- 2000年 カタログ販売を終了。
- 2002年5月 カジュアルウエア通販「ランズエンド」を買収
- 2003年 クレジット部門をシティグループに売却。
- 2004年 デザイナー・ブランド商品の販売を開始。高級化を図る。
- 2005年3月24日 Kmart との経営統合により、Sears Holdings Corporation の傘下に入る。
[編集] Kマート-シアーズ・ホールディングス年表
- 1899年 ミシガン州デトロイトで、セバスチャン・S・クレスゲにより S.S. Kresge Corporation 設立。ディスカウントストア・チェーンを展開する。
- 1962年 ミシガン州ガーデンシティにデパートメントストア型の店舗を開店。
- 1987年 社名を Kmart Corporation に変更。既存の古い店舗の処分を進める。
- 2002年1月22日 会社更生手続を申請。カナダの店舗を Hudson's Bay Company に売却する。
- 2003年5月6日 新会社 Kmart Holdings Corporation を設立。
- 2003年6月10日 NASDAQ上場。
- 2004年11月17日 Sears, Roebuck and Company に買収の意向を伝える。
- 2005年3月24日 Kmart と Sears 合併。持株会社の社名を Sears Holdings Corporation とする。
[編集] 所有専門店
(この項目は編集中)
- 「Dealer Stores」「Hardware Stores」・・・工具、電化製品、ガーデニング製品販売
- 「Tire & Battery」・・・タイヤ、バッテリー販売及びサービス
- 「Sears Outlet Stores」・・・電化製品ディスカウント
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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