システム手帳
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システム手帳(システムてちょう)は、手帳の一種で本体がバインダーでリフィルと呼ばれる用紙部分が交換可能なものをいう。
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[編集] 概要
システム手帳は、イギリスで1921年に「6穴バインダー手帳(ブランド名はFILOFAX)」として発売された。本来は牧師や、副官がいない尉官クラスの将校が、自分の教区や率いる部隊に関する記録を収めておく為の物であった(佐官将官は当然秘書がいるので手帳を持つ必要がなかった)。これらは、随時内容を用紙の差し替えで行い、またあらかじめ用意されたリフィルを利用する事で、利用者の利便性向上が図れ、システマチックに運用可能である事から、日本では1980年代より次第に流行するようになった。
1984年には日本国内でもFILOFAXが正式に発売され、著名人の愛用者がしばしばマスメディア上で「便利な手帳」とするコメントを発した事から、1980年代末~1990年代中頃より類似製品を含めて急速に愛好者が増加した模様だ。テレビドラマなどでも、ビジネスマンや医者・弁護士といった社会的な注目度の高い職業の役柄を強調するための小道具として、度々登場している。なお、日本初の国産システム手帳は、奈良總一郎が1968年に開発した「システムダイアリー」。
用紙サイズによりA4のバインダーノートの下にあたるA5(官製葉書の倍)・A6(葉書サイズ)・A7(葉書の1/2)・14cm×8cmのカードサイズといった様々な用紙サイズのものが見られる。なお用紙サイズによって穴の数に違いも見られる。近年では文具店でも安価な製品が見られるほか、百貨店でも文具売り場の一角を占める様子が見られる。
交換用の用紙であるリフィルには、無地や罫線のみの入ったメモ帳、日付の入っているダイアリー(日記や予定表)、住所と電話番号欄の並ぶ住所録などを基本として、地図(都市図、鉄道路線図など)、分類のための各種インデックスシートなどユーザーのニーズに合わせて各種用意されていて、それを使う人の仕事内容や生活習慣・個人的趣味により自由に組み合わせができる。また電卓や物差しといった文房具もバインダー内に仕込める物が販売されている。更には様々な紙片を入れて保存するためのプラスチック袋や、磁気カード入れ、プリクラ台紙などが販売されている。
たとえばダイアリーは、年間の予定表のようなものから、見開き2ページが一月単位のもの、一週単位、1ページが一日単位のものなど各種ある。1年あるいは数年毎に差し替えて続きのものに取り替えて使う。日付があらかじめ各年のカレンダーに合わせて印刷されたものが販売されておりそれを利用することが多い。一方住所録などは、何年にもわたって蓄積して使うことで、一般の日記型の手帳のように書き写す手間はない。
[編集] 主なサイズ
サイズはメーカーによって微細な違いがあり、また全く互換性のない独自サイズを提供するメーカーもある。ここに挙げたものは、日本国内でKNOX,Bindex等、複数のメーカーからリフィルが提供されているものである。
- バイブルサイズ
- リフィルの大きさ 縦170~171mm x 横95mm 穴数6個
- ミニ6穴サイズ (ポケットサイズ)
- リフィルの大きさ 縦126~127mm x 横80mm 穴数6個
- リフィルの大きさ 縦210mm x 横148mm 穴数6個
- ミニ5穴サイズ
- リフィルの大きさ 縦105mm x 横61mm 穴数5個
- システムダイアリー
- リフィルの大きさ 縦140mm x 横84mm 穴数8個
[編集] 6穴バインダー詳細
手帳のサイズは先に挙げたとおり各種あるが、最も一般的なのは、バイブル(聖書)サイズと言われるものでリフィルサイズは、縦171mm・横95mm(A6)で閉じるための穴は6個である。
バインダー部分の一般的なものは、中央に閉じるための6個のリング、扉部分には名刺などを入れるポケット、ペンを刺すための筒状の突起(ペンホルダー)、閉じたとき開かないように留めるベルトなどで構成される。材質は高級なものはリングに金属・カバー部分には本革、安いものはリングやカバーにプラスチックを使ったものや、またカバー部分は布や紙を利用したものなど各種ある。
また自分で専用のリフィルを作るために、6穴の穴開けパンチも販売されている。ダイアリー部分の栞や定規代わりとして使う幅の狭いプラスチック定規が標準でついており、これはバインダーのリングを開かなくても取り外せるよう穴が開いている場合が多い。
[編集] 関連する製品
電子手帳は、日本に於いてシステム手帳流行と前後して多くが発売されている。しかしこの機器は繊細な電子機器であることから耐久面でシステム手帳に及ばない所がある。検索性に優れる事から住所録などには重宝した。また辞書や特殊な電卓、またはゲームなどの様々な機能を付加することも可能であった。この他にも、この装置には時計が内蔵されており、予定表はカレンダーと連動して「アラームなどにより積極的に所有者に知らせる」という、紙の手帳には無い利便性を提供していた。
携帯情報端末(PDA)は、1990年代より電子手帳と置き換わる形で登場した。この小さく慎ましいコンピュータは、パソコンやコンピュータネットワーク(更にはインターネット)との連携性が高く、出先で入力した情報をすぐさまパソコンに取り込んで利用できるほか、様々なソフトウェアをインストールする事で、住所録やメモとしてはもちろんの事、電卓や辞書、果てはオプション機器を利用する・多機能化するなどしてデジタルカメラやデジタルオーディオプレーヤーといった利用方法も出ている。この頃には予定表も高度化し、日次・週次・月次で予定の有無を確認できる機能が搭載され、また年や月・週単位で予定を繰り返したり、他の機能との連動という形で、やはり紙の手帳には無い利便性を提供した。
しかしこれらの製品は高価である上に、故障すると中のデータが見られなくなるばかりか、最悪の場合修理の過程(ハードウェアリセット)で失われるため、これを嫌う向きは相変わらず手帳を愛用し、必然的にシステム手帳を駆逐するには至っていない。特に電池切れを心配しなくて済む紙メディアの信頼性の賜物である。ただ、流石に紙の手帳には予定を所有者に知らせたり、あるいは書き込んだ内容を種類別に自動で整理(ソートや検索)する機能は無いし、またインターネットとの連携も出来ないため、この部分で電子手帳や携帯情報端末の利用者は、紙の手帳の利用者と住み分けを行っている模様だ。
その後、進化した携帯電話は個人が住所録を持つ必要性を、かなり下げる要因となっている。携帯電話は電子手帳やPDAの機能を取り込みつつダウンサイジングし操作利便性を向上させている。特に本来の通信機能に必要な電話番号やメールアドレスと連動した住所録機能を標準的に持つようになった。
とはいえ「紙と鉛筆やペン」といった単純な記録装置は、教育を受けた人なら基本的に誰でも利用できるため、相変わらず愛好者がおり、やはりシステム手帳を含む手帳の利用者は存在している。愛好者筋の中には、電子機器に対する不信感や入力装置に対する拒否感も見られ、また上に挙げたような不確実性(故障などによるトラブル)により、紙の手帳に回帰したり、あるいは併用する人すら見られる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 日本のメーカー
- KNOX
- ASHFORD
- 日本能率協会マネジメントセンター (Bindex, PAGEM)
- レイメイ藤井 (Davinci, Keyword)
- 良品計画(PBの「無印良品」を展開)
- 株式会社ナラコム(システムダイアリー)
- 文庫屋大関
- デルフィーノ
- 日本以外のメーカー
- Filofax
- Franklin Covey(フランクリン・プランナー)