スケバン刑事
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『スケバン刑事』(すけばんでか)は、全22巻に及ぶ和田慎二の漫画作品および、アニメ作品である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
1976年1月~1982年12月まで白泉社『花とゆめ』に連載。作者は編集者から「婦警さんの話を描いてみませんか?」と言われたのが発端だったと巻末でコメントしている。
一旦、サキと麗巳との対決で幕を下ろすが、作者が「その次の連載『ピグマリオ』が不人気だった時、第2部という形で連載再開します」と編集部と約束、実際に『ピグマリオ』が受けず、1979年から第2部連載再開の運びとなった。
6巻巻末に美内すずえとのコラボレーションで『ガラスの仮面編』収録があるのは貴重と言える。
現在も根強い人気があり、コミックは累計で2000万部を超えている。その後、愛蔵版、文庫版が発売され、現在はメディアファクトリーのMFコミックスから全12巻の完全版が発刊されている。
[編集] ストーリー
心に傷を持つ札付きのスケバンである麻宮サキ(あさみやさき)を警視庁の暗闇警視が、サキの実父を殺し死刑判決を受けた母の執行停止を条件に学生刑事にスカウト。サキは私立探偵の神恭一郎(じん きょういちろう)たちとともに学園・学校という警察の入り込みにくい組織に次々と起こる事件に挑む。
2部構成になっており、第1部の最初は学園の中で起きる犯罪事件を内部に入り込んで捜査するという学園探偵ものであったが、次第に話のスケールが大きくなり、母校・鷹の羽高校に戻って最初の事件で出逢った、最大の敵でありまた最大の『友』でもある海槌麗巳との戦いまでを描き、第2部では新しい学生刑事との対決と和解、脱出不能の要塞のごとき少年院の脱出劇や番長連合の抗争・共闘を経て、学生による自治政治を目指す『青狼会』と、青狼会は元より日本の政治を影で操る『信楽老(しがらきろう)』との対決を描いている。
実は劇中での時間の経過はかなり曖昧である。「誕生編」で三億円事件の時効が成立したのは12月であり、その後鷹ノ羽高校に戻ったサキが「一年前にこの高校で番を張っていたサキが…」と言われている事から、サキが最低でも2年生であることがわかる。その後グランドスラム作戦が実行されたのは真夏で、最終回の「卒業」で沼先生が「あれから半年・・・」と言っている事から、信楽老を倒したのはサキが3年生の9月頃であるとわかる。以上のことから劇中では1年3ヶ月しか経過していないように思われるが、「毒蛇逆襲編」の時点でサキが既に2年間活動していることが本人の口から語られており、明らかに矛盾している。また、サキの母親に対するトラウマの原因となった事件とその後の経過、美幸が養子に出された時期など、細部の時系列が不明瞭な部分も多い。
[編集] 第1部
- 誕生編(3話すべてに多色・2色カラーページが用意されている。野分三平登場)
- 3匹の蛇~3匹の蛇 逆襲編(最大のライバル海槌麗巳との始めての邂逅)
- 緑の消失点
- 無法の街
- 朝焼けの非常線(サキの妹・美幸登場)
- ふたたび地獄城
- 愛のかたち
- 悪魔のめざめる時(三平が麗巳によって殺害される)
- 毒蛇逆襲編(美幸の死、そして麗巳との最終決戦)
- エピローグ
[編集] 第2部
- 炎の記憶編(後に協力者となるゴルド小松崎とジミー、Missワタナベが登場)
- 紅椿奪回編(美鈴登場)
- 明日への絆編(紆余曲折を経て美鈴が仲間に)
- 魔女狩り~シンデレラの逆襲
- 荊の檻~炎の爪あと(麗巳との最終決戦での記憶が元でサキがピンチに陥る)
- 間奏曲~梁山泊(ムウ・ミサ、ツグミこと小塚佐智子登場。サキの中央連合総番長就任の引金となる)
- 神恭一郎の帰還
- 新たなる戦い(信楽老、鳴海碧子登場)
- セーラ・クルー号襲撃(神の過去の因縁の一部が露見)
- 青き狼の群(青狼会の会長・埴輪一彦登場)
- 謎のグランド=スラム作戦(ツグミの一彦への純愛、そして死)
- 黙示録(学生刑事機構が碧子によって露見)
- 闇の虎(神の高校時代からの地獄のような生い立ちが明かされる。以前に外伝として発表された「神恭一郎白書」での経歴とはかなり異なる部分がある)
- 黄金竜の眠る日(グランド=スラム作戦の全容とそれを阻止する為の戦い。ここで碧子が信楽老の掌の上で踊らされていた事を知る。)
- 紅の血 紅の花(信楽老との最終決戦)
- 卒業
[編集] 登場人物と声の出演
このキャストは後述のビデオアニメ版による。ビデオより前にイメージアルバム(同時期に同じ雑誌から『パタリロ!』『ガラスの仮面』等もアルバム化)にもドラマが入っていたが、キャストは異なる(ちなみにサキ役は戸田恵子だった)。
[編集] OVA
コミックス1巻から3巻を元にビデオアニメ化。『誕生篇』『逆襲編』の全2巻で発売され、メイキング『復習編』も発売された。後に発売されたDVDには全て1枚に収録されている。
[編集] スケバン刑事if
2004年6月、原作第1部のサキと麗巳との出会いが違った形になっていたら、というパラレルワールドとして、下記作品の収録が出版された。
:麻宮サキが「天宮佑希」、海槌麗巳が「氷室麗華」という名前で登場。
- スケバン刑事if(メディアファクトリー『コミックフラッパー』2003年3月号~4月号)
- オリジナル原作に登場した「鳴海碧子」「吉村美鈴」が、其々麗華の友人と部下として登場。
[編集] 関連項目
- ワイルド7(連載開始時期、不良に警察の高い階級が与えられる、最終回近くの仲間の大量死、ドラマ化やアニメ化など、設定上の共通点が多い。両作家には特に交友は無く、もちろん盗用疑惑も無いが、目指していた作品構想が偶然の類似を呼んだと考えられる)
- 物語の類型(例としてスケバン刑事が挙げられている)