麻宮サキ
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麻宮 サキ(あさみや さき)は、和田慎二の漫画『スケバン刑事』、OVA、及びそれを原作とするドラマシリーズ、映画に登場する架空の人物。なお実写作品については『スケバン刑事 (実写版)』を参照。
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[編集] 設定等
学校という社会からはみ出したスケバンだが、その正体は極秘の任務を受けて活動する学生刑事(ドラマ版では特命刑事)、通称スケバン刑事。その存在は警視以上の階級にしか知らされていない(ドラマ版では、存在を知っている者もいる)。その使命は、警察がうかつに介入できない学校内の(特に学生が関わっている)事件を捜査し、解決することである。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 漫画、OVA
連載第1話である1975年12月(OVAでは1991年)の時点で17歳。死刑囚になった母親を救うため、暗闇警視の要請を受けて学生刑事になった。三億円事件と同日に姫ヶ窪高等学校で起きていた一億円強奪事件を時効寸前で解決した後(漫画版のみ)、古巣の鷹ノ羽高等学校に舞い戻った(その後もしばしば任務のため転校している)。
言葉遣いが悪く、未成年者でありながら飲酒や喫煙など問題行動もあるが、正義感の強さと生まれ持った優しさから、敵対する者以外からは慕われることが多い。鷹ノ羽高においては、状況によって生徒達のサキに対する見方は様々であり、時には恐れられ、時には後輩女子生徒からの憧れの的になったりもする。補導部の教師・沼重三とは以前から対立していたが、三匹の蛇事件(舞い戻った後母校での最初の事件)をきっかけに身分を明かし、互いに信頼し合うようになる。
利き手は右手だが、左手も一般人の約2倍の握力を持つ。また、かつて母親から教わったヨーヨーの腕前は超一流で、刑事としての活動の際に大いに役立っている。
もともと勉強が苦手な上に、任務で学習時間が削られることもあって、学校の成績は悪い。特に英語の成績は酷いらしく、沼に「サキの頭は日本語しか話せないようにできている」とまで言われている。
母親が逮捕された原因である忌まわしい事件のトラウマから、自分を憎んでいる母親に対しては複雑な感情を抱いているものの、当人を目の前にするとまったく逆らえなくなってしまう。そのことは何度も彼女自身に精神的苦痛を与えていたが、終盤の梁山泊での闘いでようやく和解した。
[編集] ドラマシリーズ
名前とヨーヨーの設定こそ原作漫画と共通だが、そのキャラクターは周囲の人物も含めて独自にアレンジされている。また、「麻宮サキ」の名は『スケバン刑事II』以降はコードネームとして代々の主人公に受け継がれており、「本当の」麻宮サキは第1シリーズの主人公のみである。
- 麻宮サキ(あさみや さき、演:斉藤由貴)
- ドラマ『スケバン刑事』の主人公。
- 鷹の羽学園の元スケバンで少年院に送られていた少女。少年院を訪れた暗闇指令と神恭一郎から、一度だけ特命を受け、刑事となる事を依頼される。夫殺しの罪を着せられた母親の死刑の無期延期の条件を飲み、スケバン刑事となり事件を解決するサキ。解決後、母校・鷹の羽学園に戻るサキだが、再び現れた神恭一郎がサキの母親を盾に取り、スケバン刑事を続ける事になる。しかし、彼女がスケバン刑事に選ばれた本当の理由は、母親に罪を着せた海槌家の日本支配を打ち砕くことにあった。 海槌家の長女・麗巳との戦いで生死不明に。
- 早乙女志織(さおとめ しおり、演:南野陽子)
- ドラマ『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』、映画(第一作)『スケバン刑事』の主人公。
- 幼い頃から「五代 陽子」という偽名、そして鉄仮面を被せられるという異常な境遇の元、土佐で育つ。「スケバン鉄仮面」の異名を持ち、ゲリラ戦が得意。生死不明となった麻宮サキの後を継ぐスケバン刑事の候補として暗闇指令に目を付けられ、エージェントの西脇に鉄仮面を割られる。スケバン刑事になれば父親を殺して自分に鉄仮面を被せた者の手掛かりを得られると聞かされ、葛藤の末に一度は拒否するものの、最終的には承諾し、二代目スケバン刑事として「麻宮サキ」の名を受け継ぐ。「矢島雪乃」「中村京子」という友を得、謎の集団「青狼会」と裏で糸を引く信楽老と戦う。
- 風間 唯(かざま ゆい、演:浅香唯)
- ドラマ『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』、映画(第二作)『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』の主人公。映画(第一作)『スケバン刑事』にも出演。
- 宮崎県で育った、自称「九州にこの人ありと言われた大スケバン」。育ての親、帯庵から東京に父と2人の姉がいると聞かされて上京する。父「小太郎」の姿を見るが何者かによって、唯の前で殺害。その後、暗闇機関のエージェントの般若から、三姉妹は忍の血を引いた風魔忍者であるいう事と、180年に一度現れる星と共に蘇った集団「陰」の忍者達と戦う宿命にあると聞かされる。三代目スケバン刑事「麻宮サキ」を襲名し、長女「結花」、次女「由真」と力を合わせて戦う中で絆を深めてゆくが、唯のみが風魔忍者の頭領、小太郎の娘であり、結花と由真は小太郎の部下、小源太の娘であるという事実を知る。しかし強い絆で結ばれた3人は風間三姉妹として戦う。劇中では周囲からコードネームで呼ばれることはほとんど無かった。
[編集] 映画
- K(演:松浦亜弥)。
- 映画(第三作)『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』の主人公。
- 不法滞在でニューヨークから強制送還されてきた少女。自分を引き受けに来た吉良和俊から、スパイ容疑で逮捕された母親を助けるため特命刑事になることを要請される。一度は拒否したものの、逮捕された母親の姿を見せられて承諾し、長らく使われていなかった「麻宮サキ」のコードネームを受け継いだ。アングラ系サイト「エノラゲイ」の謎の動きを探るべく聖泉学園に転校生として潜入、ふとしたことから友人となった今野多英の言葉から「エノラゲイ」の狙いに気付くことになる。その後、捕らえられた多英たちを救うべく、バトルスーツに身を包んで敵地に乗り込み、激しい戦闘を繰り広げた。「期間限定」を自称していたが、最後は自ら日本に残る決意をし、改めて吉良からヨーヨーを受け取った。
- なお、彼女の本名は公式サイトでも「K」というイニシャルが明かされているのみで劇中では一度も本名で呼ばれていない。また、彼女の母親(演:斉藤由貴)もかつては特命刑事で、吉良に助けられたことがある(吉良の台詞からは、この母親こそが初代「麻宮サキ」であることが窺える)。
- 旧シリーズと違ってミニスカートなのは、「松浦亜弥の魅力を活かしたい」という深作健太監督のこだわり。そのため脚にサポーターを付けることができず、激しいアクションが難しくなってしまったため、クライマックスの戦闘では全身を覆うバトルスーツを着用することになった。
- ちなみに松浦は衣裳がミニスカートであるのがガッカリしたと笑っていいとも!のテレフォンショッキングに出演した際に語っている。(ミニスカートは穿きなれているので、長いスカートが穿きたかったそうである。)
[編集] ヨーヨーの設定
スケバン刑事は公式の刑事ではないため、普通の刑事と同様の装備は支給されない。そのため、警視庁が開発した専用のヨーヨーを武器として使う。
ヨーヨーの本体には鉛が仕込まれており、市販のものをはるかに上回る重量と破壊力を持つ。そのため並の人間では使いこなせず、受け止める際に手の骨が砕けてしまう。その衝撃はサキにとっても軽いものではないようで、ヨーヨーを新調した際に薄い鉛板と羊皮を何重にも縫いこんだ強化手袋を受け取り、以後はそれを着けて手を保護するようになった。その側面には、刑事であることを示す桜の代紋が隠されている(警察手帳も支給されないため、これが唯一の身分証明となる)。また、通常の紐ではなく、人間一人の重さに耐えられるほど強靭な極細の金属鎖が使用されており、これを利用して相手の動きを封じることも可能。
OVA版のヨーヨーは超硬質セラミックと重金属で作られており、チェーンではなくアラミド繊維の紐である。
ドラマ版のヨーヨーは重合金製であり、鉄をも砕く破壊力を持つ。紐ではなくチェーンである。原作同様、桜の代紋がヨーヨーの側面に隠されており、主に敵と対峙した時に見せる。二代目は最低3個、三代目は最低2個所持している事がエピソードから伺える。劇場版、第一作では重量が4倍、破壊力が16倍という新超密度合金製のヨーヨー(通称:究極のヨーヨー)が登場した。劇場版第二作では悪の学生刑事達が3枚の刃が出るヨーヨーを武器としたが、このヨーヨーにも桜の代紋が内蔵されている。
2006年の映画版では外観が一新され、桜の代紋を出すギミックも複雑化している。また、公安の特命刑事も同じデザインのヨーヨー(ただしヨーヨーの形状は異なる)を武器としているが、警視庁タイプでは赤い部分が公安タイプでは青になっている。なお、劇中に登場した公安タイプは本体から刃が出現するギミックが仕込まれているが、これが公安タイプの基本仕様なのか、使用者が独自にカスタマイズしたものなのかは不明(特命刑事の本来の目的や使用者の設定を考慮すると、後者である可能性が高い)。
余談だが、ドラマ版の放送当時は「危ないから」という理由で原作者の和田慎二が商品化を断っていた(和田は原作を執筆する以前に市販のヨーヨーを重くしたり紐を長くする等の改造をしたことがあり、それ故に劇中での使い方の危険性を誰よりも熟知していたようである)。しかし商品化を希望する声は後を絶たず、2006年の映画版の公開に合わせて、和田の承諾を得た上で80年代のドラマ版と2006年の映画版の2種類が正式に商品化された。
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