ニューミクロマン
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ニューミクロマンは、株式会社タカラ(現・タカラトミー)から発売されていたミクロマンの1980年からのラインナップ(詳細はミクロマンの項参照)。
本項ではこの1980年から1984年までのニューミクロマンについて詳述する。
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[編集] 玩具としての概要
ニューミクロマンでは増えすぎたラインナップを整理する意味も込めて歴代のシリーズから1タイプづつを抽出して10人とし(後に11人)、カラーバリエーションにより別のミクロマンとはしない形で発売された。また1980年頃のガンプラブームに影響され、ロボットが多くなり、プラモデル形式のキットも発売されている。
[編集] ストーリーとしてのニューミクロマン
ミクロアースに住んでいたミクロ星人(ミクロマン)は、敵対する異星人であるアクロ星人(アクロイヤー)との戦いを繰り返していた。ミクロ星人側には超コンピューター、ミクロム2000がありアクロ星人に対して優位を保っていたがある日アクロ星人の陰謀によりミクロアースは破壊され、わずか10人のみ残ったミクロマンは宇宙を彷徨ったあげく地球にたどり着く。しかしそこへ11人めのミクロマンが現れ重大な事実を告げる。実はミクロム2000は完全には破壊されておらず、地球付近でアクロ星人のためにいくつかのパーツに分解され、地表に落下したという。もしアクロ星人がミクロム2000を悪用したなら全宇宙の危機となる。11人のミクロマンはアクロ星人と戦いミクロム2000の回収を決意した。
[編集] 主な商品
[編集] ニューミクロマン
- 001 アロム:ニューミクロマンのリーダー的存在。ミクロマンのM10Xタイプで成型色はクリアグリーン。
- 002 イリア(イリヤ):ニューミクロマンの作戦参謀。ニヒルな頭脳労働者。ミクロマンのM11Xタイプで、配色はM114ブラッキーと同じ黒と黄色のもののほか、赤と黒のものや、橙と黒のものがある。
- 003 ウイリ:ニューミクロマンの戦闘隊長。ミクロマンのM12Xタイプで、配色はM121メイスンと同じ赤と白のもののほか、黒と黄色のものや、紺と黒のものがある。
- 004 エイジ:ニューミクロマンの名パイロット。どんなメカも操縦できるので新兵器のテストパイロットも務める。M15Xタイプで、配色は青と黒のもののほか、バリエーションが豊富。胸の夜光部品はプラパーツに換えられている。
- 005 オルガ:イリア・ウイリとともに強化スーツ開発に携わった特殊部隊長。M17Xタイプで、配色はM171タクマによく似た赤と黒のもののほか、バリエーションが豊富。胸の夜光部品はプラパーツに換えられている。
- 006 カムイ:両親をアクロイヤーのために失った武器の設計担当。M23Xタイプで色はM234アントニーの逆配色の黄と黒。
- 007 キルク:陽気な性格だが百発百中の射撃の名手。M25Xタイプで色はM252ウィリアムの逆配色の白と青。
- 008 クレオ:自然科学や地球文明に興味を持つ学者肌のミクロマン。M26Xタイプで、配色は橙と黒のほか、バリエーションが存在する。
- 009 ケンジ:メカの整備・修理担当。壊れる前よりも性能を上げるほどの腕前。M27Xタイプで配色は深緑と黒のもののほか、バリエーションが存在する。
- 010 コロナ:ミクロマンの健康管理をする医療担当者。アクロイヤーの生態も分析している。M28Xタイプで青と黒。
- 011 サラム:11人目のミクロマンであり、ロボット工学の第一人者。ミクロム2000の存在を知らせた。M16Xタイプで、カラーバリエーション豊富。胸の夜光部品はプラパーツに換えられている。
- ハイパーミクロマン:バイオスーツに搭乗するミクロマンで、設定ではハイパージャケットなる装甲服に身を包んでいるとされる。なぜかニューミクロマン11人には数えられていない。頭部もメッキされておらず、組み立て形式でリリースされた(BS-1、BS-2で成形色が異なる)。バイオスーツの付属。
- ミクロボーグ:サイボーグ化されたミクロマン。上半身と下半身が分離する。3体存在する。各員にコンピューターボーグという強化パーツ用のアンドロイドが付属。
-
- コズモプラズマ、コズモイナズマ、コズモスパーク
[編集] アクロ軍団
[編集] ニューアクロイヤー
人型のアクロイヤーから、アクロダーマと呼ばれる節足動物状の攻撃形態に変形できる。
- アクロレッド
- アクログリーン
- アクロブルー
[編集] アクロサタン
アクロ星人のミュータント。蓄光素材のベンダブル人形で、プロテクター・パーツ頭部を覆った姿に変形できる。
- サタンレッド
- サタンブルー
- サタンブラック
[編集] ミクロマン側のロボット・スーツ
[編集] 強化スーツ
ミクロマンに着せるABS樹脂性のアーマースーツ。後にA.F.S.の改造素体となった。
[編集] アーマードスーツ
ミクロマン搭乗型のメカ。箱型変形だがロボット風に見せようとしていた。バルソニックのみはアーマードスーツDXとしてカテゴライズされており、飛行形態に変形可能。やはりガンプラの影響か、リアルタイプも発売された。
- ギャラクスナイパー
- ダブルキャノン
- バルソニック
[編集] ミクロガンダー3
3体のメカが合体する。各メカはマグマガンダー、コスモガンダー、アースガンダー。それぞれミクロロボット1~3との合体も可能。
[編集] ミクロライダー
大型のバイクがロボットに変形する。どちらの形態でもミクロマンが搭乗可能。
[編集] ミクロロボット
ニューミクロマンでもっとも力が入れられたラインナップ。それぞれのロボットが変形・合体を行なう。ロボット単体の変形と各ロボットの組み合わせで様々なバリエーションが可能で、現在のムゲンバインに見られる有形ブロックの元祖とされる。
[編集] ミクロロボット
- ミクロロボット1 M1ゴードン:ロボット、タンク、ジェットの3形態に可変する。3色のカラーバリエーションがある。以下Mナンバーは同じ。
- ミクロロボット2 M2ギャラク::ロボット、タンク、ファイターの3形態に可変する。大型ウィングをもつ。
- ミクロロボット3 M3フラッシュ::ロボット、タンク、ファイターの3形態に可変する。ドリル状の頭部を持つ
[編集] ミクロロボットV(ファイブ)
5体のミクロロボットが合体して完成するミクロロボット。ニューミクロマンシリーズでは人気アイテムであった。
- R4ミクロパイソン:合体後胸になる。単体で変形してパイソンミサイルという砲台になる。
- R5ミクロランダル:合体後頭部と背中ウィング、両腕などを形成。単体で変形してランダルウィングという飛行ユニットになる。
- R6ミクロバズーカ:合体後腰と太ももを形成。単体で変形してバズーカミサイルという砲台になる。
- R7ミクロモーゼル:合体後右脚となる。単体で変形してモーゼルミサイルという砲台になる。
- R8ミクロマグナム:合体後左脚となる。単体で変形してマグナムミサイルという砲台になる。
[編集] ミクロロボットW(ダブル)
R9からR11までは同型のミクロロボット。それぞれに、上半身と下半身とに変形するギミックが仕込まれているために2体で1体のミクロロボットWが完成できる。また、中間変形としてジェット形態にも変形可能。ミクロボーグとの合体も可能。
- R9ミクロハリケーン
- R10ミクロタイフーン
- R11ミクロモンスーン
[編集] スリーウォーカー
3体のミクロロボットに加えてウォーカータンクというコアパーツを加えて合体し、スリーウォーカーとなる。名前の通り『戦闘メカ ザブングル』のウォーカーマシンに似た形であった。スリーウォーカータンクという別形態も組み替え可能。単体での変形は無し。
- R12ミクロラングレー
- R13ミクロスタリオン
- R14ミクロギャラン
[編集] フォーウォーカー
4体のミクロロボットに加えてウォーカージェットというコアパーツを加えて合体し、フォーウォーカーとなる。どちらかといえばヒーロー体型をしている。フォーウォーカージェットという別形態も組み替え可能。単体での変形は無し。
- R15ミクロレオーネ
- R16ミクロサバンナ
- R17ミクロトレディア
- R18ミクロパルサー
[編集] ミクロロボット7(セブン)
スリーウォーカーとフォーウォーカーが合体し大型ロボット、ミクロロボット7となる。
[編集] バイオスーツ
ハイパーミクロマンとセットで販売されていたパワードスーツ。BS-1、BS-2の二種類にカラーバリエーションがある。外見は完全なモビルスーツ風である。内部にハイパーミクロマンを格納できる。
- BS-1鉱物資源探査型
- BS-1耐熱シールド強化型
- BS-2防塵フィルター強化型
- BS-2超深海作業型
[編集] アーマードマシーン
コズミックファイター:電動走行可能な大型ジェット機。パーツの組み換えでヘリコプター、戦車などに組み替えられる。ミクロチェンジを除けば唯一の非人間型メカ。
[編集] ミクロチェンジシリーズ
身近なものが変形してミクロマンの仲間になる、というコンセプトから始まった変形重視のシリーズでニューミクロマン後期のメインアイテムとなった。
[編集] ミクロカセットロボ
それぞれマイクロカセットテープからロボットや動物型に変形する。
- ミクロス:人型に変形。
- ジャガー:ジャガー型に変形。
- コンドル:コンドル型に変形。
[編集] ミクロロボットCAR
ミニカーからロボットに変形する。
[編集] カメラロボ
カメラからミクロファインダー、ミクロシャッター、ミクロワインダーの3機のロボットに分離。
[編集] ウォッチロボ
腕時計から変形。下記4種はカラーバリエーションに個別の名前が付けられているだけで、形態や機能の違いはない。電卓付きのタイプも存在。
- ゴールドウォッチ
- シルバーウォッチ
- ブラックウォッチ
- ブルーウォッチ
[編集] ガンロボ
モデルガンがロボットに変形。銃形態では実際に引き金を引いてスプリング仕掛けの弾丸を発射できる。銃としての外観の完成度があまりにリアルで、親が子供に買い与えるのを渋り、かえって売れ行きが伸びなかったという逸話すらある。
- ガンロボ ブローニング:M1910が変形。
- ガンロボ S&W44マグナム:M29が変形。
- ガンロボ ワルサーP38:またの名をワルサーロボ。スコープ、エクステンションバレルなど付属のカービンタイプも登場。
[編集] カセットマシン
カセットテープ(マイクロカセットではない)が変形し、ミクロマンの乗るビークルになる。
- バトルバイク:バイクに変形。
- ジェットヘリ:ヘリコプターに変形。
[編集] カセットマン
ヘッドホンステレオが変形する。胸に前述のミクロカセットロボをカセットテープ形態で収納可能(カセットマシン不可)な他、ミクロスのカラーバリエーションであるレッドミクロスが付属している。ラジカセとしての機能はない。
[編集] 流星ロボ
メッキ球から人型や動物型に変形する。それぞれ、カラーバリエーション3種類。
- メタルマン:人型に変形。
- メタルレオ:ライオン型に変形。
- メタルホーク:鷹型に変形。
[編集] 実用ミクロチェンジシリーズ
ミクロチェンジ・シリーズの後期商品。玩具は変形モードで実際にラジオや顕微鏡などとして使用できる。
[編集] カギロボ
- ダイヤルマン:鍵に変形する。
- マグネマン:ダイヤルマン同様、鍵に変形するが鍵に磁石が使われている。
[編集] 双眼鏡ロボ
- スコープマン:双眼鏡から変形。双眼鏡として使用可能。
[編集] 顕微鏡ロボ
- ミクロスコープ:顕微鏡から変形。顕微鏡として使用可能。
[編集] サウンド戦士
- ラジカセロボ:内蔵のマイクロカセット内にAMラジオが内蔵され、脚部(変形前は横)のスピーカーから放送が聞こえた。カセットマン同様にミクロカセットロボとの連携が可能。
[編集] トランスフォーマーでの転用
ミクロチェンジシリーズはダイアクロンシリーズと共にトランスフォーマー(以後、TF)の元となった。ここではTFの名称を記載する。
ニューミクロマン時 | トランスフォーマー時 | ||
---|---|---|---|
ミクロカセットロボ | ミクロス | デストロン カセットロン部隊 |
特殊破壊兵フレンジー |
レッドミクロス | 特殊破壊兵ランブル | ||
ジャガー | 諜報破壊兵ジャガー | ||
コンドル | 空中攻撃兵コンドル 空中攻撃兵バズソー |
||
ミクロロボットCAR | ポルシェ924ターボ | サイバトロン ミニボット部隊 |
戦闘員クリフ |
フォルクスワーゲン | 情報員バンブル | ||
4WDオフロード | 探査員ギアーズ | ||
ジープ | 攻撃員ゴング | ||
トランザム | 戦闘員チャージャー | ||
アメリカントラック | 技術員ドラッグ | ||
カメラロボ | デストロン | 光学情報兵リフレクター | |
ガンロボ | ブローニング | ガンマン・ブローニング | |
ワルサーP38 | 破壊大帝メガトロン | ||
カセットマン | デストロン カセットロン部隊 |
情報参謀サウンドウェーブ | |
顕微鏡ロボ | ミクロスコープ | サイバトロン | 科学者パーセプター |
サウンド戦士 | ラジカセロボ | サイバトロン カセットボット部隊 |
通信員ブロードキャスト |
なお、ブロードキャストにはラジカセロボにあったラジオ機能は省略されている。
[編集] こぼれ話
- ニューミクロマンはミクロマンのカラーバリエーションが豊富であるが統一性がないため、しばしばイレギュラーなカラーがニューミクロマンと紹介されることがある。が、ミクロマンはそもそも壊れやすかったので個人で手や足のすげ替えで修理することも多かったため、誤認も多い。
- ニューミクロマン系列の玩具は搭乗タイプが比較的少なかったため、後に箱換えで再販されたものがある。また後にトランスフォーマーとして発売されたものもあるため、シリーズの概要が把握しにくく、コレクター泣かせとなっている。いくつかの研究本も1980年頃のミクロマンまでで終わっていることが多い。
- 「ビームロボ」(懐中電灯に変形)はカタログに試作品が掲載されたものの未発売に終わった。
- 1983年のデュアルマガジン誌に「ミクロマン84」と称する次シリーズがタイトルと開発者の抱負のみ発表されたが、これが結実することはなかった。
- ミクロチェンジシリーズ・ガンロボ、カメラロボのCMソング「ミクロチェンジ~愛・あい・AI~」「グッドラック地球」は水木一郎が歌っていた。当時コロムビアよりレコード発売。
[編集] 関連項目
- ミクロマン
- ミクロマン・マグネパワーズ
- ミクロマン21
- ミクロマン200X