バセットホルン
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バセットホルン(英:Basset-horn、独:Bassetthorn)はクラリネット属の管楽器。
目次 |
[編集] 構造と音色
バセットホルンは、クラリネットとよく似た、シングルリードで円筒管の木管楽器である。しかしながら、バセットホルンはクラリネットよりも大きく、マウスピース付近で管体が曲がっている(さらに古い時代の楽器の場合、楽器の中心部付近で管体が曲がっている)。また通常のクラリネットがin B♭(変ロ調)もしくはin A(イ調)の移調楽器であるのに対し、バセットホルンは通常in F(ヘ調)の移調楽器である。なお、in G(ト調)やin D(ニ調)のバセットホルンも存在する。また通常のクラリネットの最低音は記音ホまでなのに対し、バセットホルンの最低音は記音ハまで拡張されている。
バセットホルンの音色は、クラリネットの音色と似ているものの、クラリネットより暗く、輝かしくない音である。
注意すべきことは、この楽器はホルンの仲間ではないことである。2006年現在、この楽器はドイツ南東部の街パッサウ在住のA. マイヤーホーファーとM. マイヤーホーファーによって開発されたと考えられている。
[編集] 使用楽曲
現在では、この楽器のために書かれたクラシック作品のほとんどが忘れ去られている。バセットホルン奏者でもあった18世紀のクラリネット奏者、アントン・シュタートラーは、この楽器のための曲を作るように、何人かの作曲家に委嘱を行なった。これらの委嘱された作曲家たちの中で、モーツァルトは最も注目するべき作曲家である。彼はバセットホルンのために、セレナード第10番変ロ長調K.361『グラン・パルティータ』、フリーメーソンのための葬送音楽K.477やレクイエムK.626、それにいくつかのオペラと室内楽曲を作曲した。他の作曲家の作品として、カール・シュターミッツが作曲したG管バセットホルンと小規模オーケストラのための協奏曲がある。この曲は、通常使われているF管のバセットホルンで演奏できるように手直しされた。
19世紀になって、メンデルスゾーンがバセットホルン、クラリネット、そして弦楽器のための2つの小品(作品113と114(弦楽器の部分はしばしばピアノアレンジで演奏される))を作曲したが、その後はリヒャルト・シュトラウスが彼のオペラであるエレクトラ、ばらの騎士、カプリチオ、その他いくつかの作品で使用するまで使われることはなかった。20世紀になって、シュトックハウゼンは彼のオペラ作品リヒトやその他の楽曲の中で重要な役割を与えた。しかしながら、この楽器はあまり使われない。
現代においてはこの楽器の代用として、F管のアルトクラリネットが用いられることがある。
[編集] 現在販売されているバセットホルン
バセットホルン、という名称で販売されている楽器は各メーカーから発売されているが、その多くはF管のアルトクラリネットである。 (YAMAHA等の国内楽器メーカーからは発売されていない)
セルマー社:モデル20 ソプラノクラリネットのマウスピースで演奏する。細管。
ビュッフェ・クランポン社:プレステージ アルトクラリネットのマウスピースで演奏する。太管。