フットボール
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フットボール (football) とは、2つのチームが1つのボールを奪い合い相手陣地に運び込む競技のことであり、アメリカン・フットボールやサッカー、ラグビー・フットボールに代表される。「フットボール」またはその派生語はしばしばサッカーを指す(フランス語の football や、ドイツ語で「フットボール」を意味する Fußball は、いずれも「サッカー」(ア式蹴球)のことである)が、国によって事情はかなり異なっている。例えばアメリカ合衆国では、ほぼアメリカン・フットボールを意味し、カナダでは カナディアン・フットボールも表し、オーストラリアでは、地域によってラグビーまたはオーストラリアン・ルールズ・フットボールを表す。つまり、その国で一番人気のあるフットボール競技が「フットボール」と呼ばれるのである。
サッカー(soccer)は英語圏ではオーストラリア、アメリカ、カナダで使われる。(米国領でアメリカ英語を使うグアムのサッカーのナショナルチームのロゴにはサッカーではなくフットボールと書かれている。) サッカー(soccer) は、元はassociation football+-er (アソシエイション・フットボール)が略され転訛したものであると言われており、今はあまり使われないが、ラグビーがラガーと呼ばれたのと同じである。イギリス英語ではサッカーとは言わずフットボールである。
日本語では「蹴球」。
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[編集] 歴史
[編集] 起源
今日「フットボール」として総称されるこれら一連の競技の歴史は定かではないが、これに近い競技がローマ帝国の時代に既に行われていたと言われている。また、サッカーに見られる様な「ボールを蹴って運ぶ」という要素は、古代中国の蹴鞠(日本の蹴鞠も)に由来するとも言われており、こうした競技が主にイングランドで発展、分化し、その一つとして、中世の「懺悔火曜日のフットボール」のような荒唐無稽な「祭り」としてのフットボールになった。一方、イタリアでは『カルチョ』として発展した。これもまた『蹴る』と名付けられていながら、実態は手によるボールの奪い合いだった。
[編集] スポーツへの進化、そして分化
これらに対し、時の権力は度々『フットボール禁止令』を敷いたが、大衆のフットボールへの情熱は消える事を知らなかった。そして、近代イングランドでは、良家の子弟のための全寮制学校、パブリックスクールを中心に、フットボールをスポーツとしてルール化する動きが現れ、これが後のサッカー(アソシエーション・フットボール)としてのフットボールのルール作成、そしてそこからのラグビーの分岐につながった。さらに、このサッカーとラグビーは、当時世界中に存在したイギリスの植民地にも伝わり、アイルランドの旧来のフットボールに影響を与え、またアメリカ、オーストラリアで独自のフットボールが派生して行った。
[編集] 主なフットボール競技
手の使用 | 前方へ投げる | 前方へ落とす | |
サッカー | 不可 | - | - |
インドア・サッカー | 不可 | - | - |
フットサル | 不可 | - | - |
ラグビー | 可 | 不可 | 不可 |
タッチ フットボール |
可 | 不可 | 不可 |
ゲーリック フットボール |
可 | 不可 | 可 |
オージー フットボール |
可 | 不可 | 可 |
アメリカン フットボール |
可 | 可 | 可 |
カナディアン フットボール |
可 | 可 | 可 |
スーパー フットボール |
可 | 可 | ? |
- サッカー
- インドア・サッカー
- フットサル
- フリースタイルフットボール
- ラグビー
- 7人制ラグビー
- ラグビーリーグ (または「リーグラグビー」)
- タッチラグビー
- タグラグビー
- オージータグフットボール
- ゲーリック・フットボール
- オージー・フットボール
- アメリカン・フットボール
- スーパーフットボール
- タッチ・フットボール (アメリカン系など、多様)
[編集] 「フットボール」の意味する競技
- アイルランド: ゲーリック・フットボール、あるいは、サッカー
- アメリカ: アメリカン・フットボール
- イギリス: サッカー、(一部では)ラグビー
- オーストラリア: オージー・フットボール、あるいは、ラグビー (地域により異なる)
- カナダ: カナディアン・フットボール、あるいは、アメリカン・フットボール
- "football"が『本来は「アメリカン・フットボール」を指す』と信じている人も多い。
- ニュージーランド: ラグビー
ja:フットボール