ブギーポップシリーズ
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ブギーポップシリーズは、上遠野浩平著の小説シリーズ。第1作「ブギーポップは笑わない」は第4回電撃ゲーム小説大賞受賞作品で、電撃文庫で最高の発行部数を誇る人気シリーズ。著者のデビュー作でもある。イラストは緒方剛志が担当している。
目次 |
[編集] 概要
“世界の敵”と戦うために一人の少女の中から浮かび上がってくる、ブギーポップと名乗る人格と、さまざまな夢や、希望や、あきらめや、悩みや、いろいろな思いを持っている少年少女達の物語。「ブギーポップ(不気味な泡)」とは、周囲に異変を察知したときに自動的に人格が浮かび上がってくることを由来とする自称名。
この作品のヒットが『ブラックロッド』(古橋秀之著)によって源流が作られた電撃文庫の個性を形作る流れをより強め、ライトノベルのレーベルの中での電撃文庫の位置づけをより確定的なものにすると共に、ライトノベル全体に大きな影響を与えた。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』共々セカイ系と呼ばれる新しいジャンルの確立にも貢献した。
海外アーティスト名を元にしたMPLS能力名の取り方等、『ジョジョの奇妙な冒険』の影響を強く受けている(元になっている音楽ジャンルは異なっている)。また、上遠野は一番好きな漫画家は荒木飛呂彦と発言している。
[編集] シリーズ
- ブギーポップは笑わない(1998年2月)
- それぞれの登場人物の視点から物語を重ねるという手法を取り、全ての物語が重なったとき、全体の物語が浮かび上がってくるという構成になっている。
- ブギーポップ・リターンズVSイマジネーターPart.1、Part.2(1998年8月2巻同時発売)
- VSイマジネーターシリーズは「夜明けのブギーポップ」の一部がPart.3、ナイトウォッチシリーズの「わたしは虚無を月に聴く」がPart.4となっている。
- ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ(1998年12月)
- ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王(1999年2月)
- 英文タイトルが「HeartbreakerII」となっており、「ブギーポップは笑わない」の一編「ハートブレイカー」の続編である事がわかる。
- 夜明けのブギーポップ(1999年5月)
- ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師(1999年8月)
- ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕(1999年12月)
- ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生(2000年2月)
- ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド(2001年2月)
- ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト(2001年9月)
- ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ(2003年3月)
- ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス(2005年4月)
- ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟(2006年4月)
- 短編
- メタル・グゥルー(電撃hp3号掲載、単行本未収録)
- ロンドン・コーリング(電撃hp4号掲載、単行本未収録)
- 死神を待ちながら(電撃hp5号掲載、単行本未収録)
- チャリオット・チューグル(電撃hp6号掲載、単行本未収録)
- ブギートーク・ポップライフ(CD「ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲ブギーポップ・ヴァージョン」に掲載)
[編集] 映像作品
[編集] 実写映画
- 「ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others」
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- なお、一瞬だが上遠野浩平もエキストラ(階段で本を読む男性)として登場している。
[編集] テレビアニメ
- 「ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom」
- 2000年1月5日~3月22日にテレビ東京系で放映(全12話)。
- 小説の『ブギーポップは笑わない』及び『夜明けのブギーポップ』の後日談を描いたオリジナルストーリー。実体を持たないもう一人のブギーポップ(ブギーポップ・ファントム)が登場する。原作と同様に各話の語り手が異なり、全ての話を見ることで事件の全体像が浮かび上がってくる構成となっているが、小説を読んでいないと内容をほとんど理解できない。ほぼ全編を通して明度が抑えられた暗い色調の画面が続き、物語の重奏低音である登場人物の不安や憂鬱と相まって、サイコホラー的な演出効果をもたらしている。後の製作者サイドのコメントによると、色調に関しては特に演出意図はなく、想定していた以上の暗さに製作者も意表を突かれたという。電撃文庫より「ブギーポップは笑わない TVシリーズシナリオ集」(全2巻)も出ている。
[編集] スタッフ
- 原作 : 上遠野浩平
- シリーズ構成 : 村井さだゆき
- 脚本 : 村井さだゆき、水上清資、野尻靖之
- キャラクター原案 : 緒方剛志
- キャラクターデザイン : 須賀重行
[編集] キャスト
- 宮下藤花(みやした とうか)/ブギーポップ(声:清水香里)
- 霧間凪(きりま なぎ)(声:浅川悠)
- 百合原美奈子(ゆりはら みなこ)/ブギーポップ・ファントム(声:浅野まゆみ)
- 早乙女正美(さおとめ まさみ)(声:福山潤)
- 如月真名花(きさらぎ まなか)(声:小林沙苗)
- 殿村望都(とのむら もと)(声:能登麻美子)
- 来生真紀子(きすぎ まきこ)(声:伊藤美紀)
テレビ東京 水曜25:45~26:15枠 | ||
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前番組 | ブギーポップは笑わない | 次番組 |
セラフィムコール | カユイトコ |
[編集] 漫画作品
- ブギーポップは笑わない(コミック版)
- 原作上遠野浩平、作画緒方剛志。小説の挿絵担当者による原作第1巻のコミック化(全2巻)。
- ブギーポップ・デュアル 負け犬たちのサーカス
- 原案上遠野浩平、作画高野真之のコミック(全2巻)。小説版とは別の「ブギーポップ」が登場する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
ブギーポップシリーズの登場人物を参照のこと。
[編集] 用語
- 深陽学園
- 竹田、藤花ら何人かの登場人物が通う高校。いくつかの事件の舞台となる。
- 世界の敵
- この世界の持つ可能性を閉ざしてしまう危険を秘めた存在だと言われている。
- MPLS
- 人類の進化した姿といわれている、何らかの特殊能力をもつ人間。
- 統和機構
- この世界を裏で操っていると言われる存在。中枢(アクシズ)と呼ばれる存在によって統制されているが、その実体は組織と言うよりシステムと言った方が正しい。合成人間の製造技術を実質独占し、世界中のあらゆる場所、政治経済エリートから地域社会の隅々に至るまでに端末と呼ばれる構成員をおく。戦闘用合成人間およびMPLSといった戦力も独占状態といってよく、様々な反統和機構組織とは全く勝負にならない。構成員は中枢の名で発せられる命令に従って動き、MPLSの探索および危険と判断された場合の排除を主な活動内容とする。
- 中枢
- 統和機構のエージェントたちが受けた命令の発信者を漠然と指すときに用いられる言葉であるが、統和機構全体の最高指揮権を有する存在そのものを指す言葉でもある。実体は統和機構のエージェントたちにすら不明で、個人、権力者の会議、スーパーコンピューター等様々な説がある。
- 合成人間
- 人工的に造られた特殊能力をもつ生体兵器。その製造技術は統和機構しか持っていないが、稀に流出した技術で他の組織によって造られる事もある。ビートのディシプリンでは合成人間誕生の秘密の一部が明かされている。
- MCE(ムーンコミュニケーションズ・エンタープライゼス)
- 実業家 寺月恭一郎が設立した巨大企業。その実体は統和機構が経済を操作するための存在であった。
- I.C.E[アイス](In・Complete Error)
- 未完成で失敗作。ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師
- PW
- MCEのアイスクリーム部門。一風変わったアイスを売り、大変な人気を呼ぶ事になる。
- ダイヤモンズ
- 反統和機構組織の中でも有力な存在。世界各地に拠点を有し、統和機構と暗闘を繰り広げている。
- 集団昏睡事件
- とある街で高校生たちが昏睡状態に陥り、病院に運ばれたものの回復しないで眠り続ける状態となった事件。各方面の関心を呼んで調査が始まる。
- ロックボトム
- 正体が全く不明な世界の敵のひとつ。
- ジンクス・ショップ
- 楢崎不二子が起業した小さな店。その名の通り“ジンクス”を売り、高校生層を中心に口コミで評判になる。ここでいうジンクスとはある種のちょっとした未来予測とそれへの対処法を意味する。
- 牙の痕
- 郊外の丘にあるなぞの地形。
- 提案者
- 飛鳥井仁がMPLSが相互に助け合うことを目的に設立。高代亨・霧間凪・軌川十助らが所属し、九連内朱巳グループとも連携していることからかなりの戦力を有すると考えられる。統和機構の注意は引かない方針を取っているらしいが、実際は複数の統和機構がらみの事件で被害にあった人々を救援する活動を行っている。事件そのものが世界中で起こる以上とても対処しきれず、常に人手不足に悩まされている。
- クレイムクラブ
- 統和機構の活動を分析し、そこから利益を引き出すことを目的に設立された。
以上で、作品の核心的な内容についての記述は終わりです。
[編集] 関連作品
- ブギーポップと同一の世界設定と作品内の年代を共有し、合成人間ピート・ビートを主人公として物語が進展する。
- わたしは虚無を月に聴く
- ナイトウォッチ三部作の2作目。ブギーポップの遥か未来の物語だが、ブギーポップのある登場人物が重要な役割で登場する。
- しずるさんシリーズ
- ブギーポップと同一世界の物語。しずるさんの入院している病院は「ホーリー&ゴースト」に登場するスリム・シェイプが入院している病院と同じところである。
- ブギーポップと同一世界の物語。ブギーポップやしずるさんに登場したキャラクターや用語が多数登場している。
- ギニョールアイの城
- 『殺竜事件』シリーズの外伝。「ホーリィ&ゴースト」に登場する雨宮世津子はこの作品が初登場。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- メディアワークス公式
- アニメ「ブギーポップは笑わない」
- w:en:Boogiepop Phantom(アニメ版の英語版記事)
電撃ゲーム小説大賞
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第2回
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ブギーポップは笑わない
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第6回
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