プラン9・フロム・アウタースペース
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プラン9・フロム・アウタースペース Plan 9 from Outer Space |
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監督 | エド・ウッド |
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製作 | エド・ウッド |
脚本 | エド・ウッド |
出演者 | グレゴリー・ウォルコット デューク・ムーア トム・キーン カール・アンソニー トー・ジョンソン ベラ・ルゴシ |
音楽 | フランク・ワース |
編集 | エド・ウッド |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | 6万ドル |
『プラン9・フロム・アウタースペース』(Plan 9 from Outer Space)は、1959年に製作されたアメリカ映画。上映時間79分。監督・脚本・制作エドワード・D・ウッド・Jr.。ティム・バートン監督の映画『エド・ウッド』で注目を浴びた。
「史上最低の映画」という評判にもかかわらず、IMDbの最低100作品リストには入っていない。(ちなみにエド・ウッド脚本の『死霊の盆踊り』はワースト99位) 『エド・ウッド』でベラ・ルゴシ役を演じたマーティン・ランドーは、役作りのためにベラ・ルゴシの全出演作品を見たが、「Bela Lugosi Meets a Brooklyn Gorillaに比べれば、エド・ウッドの作品は『風と共に去りぬ』(のような名作)に見える」とコメントしている。
目次 |
[編集] 製作の経緯
『プラン9・フロム・アウタースペース』は当初Grave Robbers from Outer Space(外宇宙からの墓荒らし)というタイトルで制作されていた。映画『エド・ウッド』の中ではスポンサーであるビバリーヒルズのバプテスト教会からのクレームでタイトルを変更したように描かれているが、これは創作であり、実際にはバプテスト教会もこのタイトルに反対していたわけではなかった。
制作費を捻出するため、エド・ウッドはキャスト全員をバプテスト教会に帰依させた。バプテスト教会では、いわゆる洗礼にあたる儀式の際に全身を水に沈めること(全浸礼)が重要だとしている。このとき、元プロレスラーのトー・ジョンソンの体が浸礼用の桶に入りきらなかったため、スイミング・プールで浸礼を行った。
製作当時は、あまりのつまらなさに上映権の買い手がまったくつかず、結局テレビ局に権利を安く買いたたかれることとなった。そのため深夜テレビで繰り返し放送され、一部でカルト的な人気を得る。やがて1976年に「ゴールデン・ターキー・アワード」という本の中で「史上最低の映画」として紹介され、映画『エド・ウッド』である意味での脚光を浴びることとなった。
[編集] あらすじ
物語のナレーター、クリズウェルの予言から始まる。クリズウェルは未来への注意を呼びかけ、「あの運命の日に何が起こったか」を語りだす。
アメリカン・フライト812のパイロット、ジェフ・トレントは飛行中に突如強風に煽られる。外を見るとそこには「この世のものとは思えない」空飛ぶ円盤が出現していた。
一方で、ひとりの老人の妻の葬式のあと、二人の墓掘り人夫が奇妙な音を聞いた。墓を出ようとしたそのとき、死んだはずの女性が歩いているのに出会ってしまう。その後、妻を亡くした老人も(おそらく)交通事故によって死亡してしまう。なぜか地下墓地に埋葬された老人の葬式の帰りに、参列客が二人の墓掘り人夫の死体を発見し、ダニエル・クレイ警視の率いる警察が現場に到着した。だがクレイ警視もまた死者に襲われ…
[編集] 問題点
この作品には、普通の商業作品には見られないようなミスや手抜きと思われる箇所がいくつも存在し、それがカルト的な魅力ともなっている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 具体例
- プロローグで、クリズウェルは「これから話す未来の出来事」(future events such as see)といいながら、「あの運命の日に何が起こったか」(what happend on that fateful day)を語り出す。
- 同じシーンなのに、ショットごとに昼と夜が入れかわる。
- どう見ても模型にしか見えない円盤
- トー・ジョンソンの巨体が明らかに墓穴に詰まっている。
- 立っていられないほどの風が室内に吹きこんでも、なぜか窓やドアは無事
- ショットの使い回し。特に、制作中に死亡したベラ・ルゴシの出演シーンは撮り貯めを何度も使っている。
- 地上戦用の装備で円盤を攻撃する軍隊