ベリカード
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ベリカード(Verification Cardの日本式省略)とは、聴取者が放送局に受信報告書を送付した際に、その証明として放送局が発行するカードのことである。受信証とも呼ばれる。ほとんどのベリカードはそのまま送れるようにはがきサイズ大の大きさになっている。各放送局によって趣向を凝らしたカードが発行されており、その収集も一つの楽しみとなる。たた特別なベリカードや、例えばハイウェイラジオなどの様に、絵葉書のフォーマットをとっていないベリカードも存在している。
カードではなく文書の形を取った確認証を発行してくれる局(少ないが外国の局に見受けられる)もあり、こちらは特にベリレター(Verification Letter、受信状)と呼ばれる。
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[編集] 受信報告書の書式
ベリカードの発行を受けるには、放送を受信し、その放送局に受信報告書を送付する。住所・氏名を記入し切手を貼付した(海外ならばIRCを同封)返信用封筒も同封して送付する。
- 放送局名(呼出符号も分かれば)
- 受信周波数
- 受信日、受信時間
- 受信番組
- 受信場所
- 使用受信機(ラジオ)、使用アンテナ(ポケットラジオによる受信は「内蔵バーアンテナ使用」になる)
- 受信状態(SINPOコード 他局の混信や放送事故など確認されたら記述するとよい)
- 感想、要望など(「本報告が業務記録と相違なければお手数ながら受信確認証を発行頂きたく」の一筆を忘れない事)
- ベリカードの送付先住所
- ちなみに、ラジオ福島ではWeb上でも受信報告書受付をしている。(外部リンク ラジオ福島ベリカードのページ)
[編集] SINPOコード
ベリカードの受信状態を記載するには、SINPOコードと呼ばれる5桁の数字を用いる。これは上の桁から順に信号強度(Signal)、混信(Interference)、雑音(Noise)、伝搬障害(Propagation Disturbance)、総合評価(Overall Rating)を1から5の5段階評価で示したものである。1が最も状態が悪く、5が最も状態が良い。Oは常に前4つの中で最低の数値を取って表す事に規定されている(54555などとなってはならない)。
詳しくは該当項を参照。
[編集] 特記事項
- ベリカードの発行はあくまで放送局技術部門の厚意によるものである。(書簡の宛先は技師長)受信報告書を送っても返信されない場合もある。
- 民放では静岡放送、福井放送と一部のコミュニティ放送、在京キー局系BSデジタル放送各局を除いてベリカードによる返信を受けることができる。(局によっては番組表などが送られてくることもある)なお、静岡放送と福井放送はかつては発行していたが、山陰放送が発行していなかった。また、北海道放送はこれまではラジオのベリカードしか発行していなかったが、ついにテレビ放送用のベリカードも発行するようになった。BS日テレは、開局から3年ほどは日本テレビ地上波アナログ放送と同じベリカードを発行していたが、現在は発行していない。また、FM-FUJIは現在局の都合により特殊な受信例を除いてベリカードを発行していない。
- NHKでは、総合番組編成のチャンネルで行うローカル放送を除き日本全国共通で番組が行われる事と、放送法に基づき“受信できて当然”であるため、放送センターでは海外で国際放送を受信した場合(本来海外で受信することが目的のため、国内からの場合は開局記念の場合などに限られる。)を除き、原則としてベリカードを発行しないことになっている。放送センターにべリカードを送ると、先述の例外の場合を除き、受信報告を受け付けていない旨が書かれたはがきが返送される。しかし一部の地方局では独自のベリカードを発行したり、あるいはNHKの番組を題材にしたポストカードを代用として発行したり、またEスポなどによる受信障害・混信の報告には応答してくれる事もある。(ただし、全ての地方放送局で行っているとは限らない。)
- また、民放局では地上波放送では発行していてもCS放送では発行しない場合がある。
※放送大学では地上波・CSを問わず、受信報告書を出せばベリカードを発行してくれる。