ホットスパー (コンビニエンスストア)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホットスパー(HOT SPAR)は、関東地方、東北地方、沖縄県などでチェーン展開しているコンビニエンスストア。とりわけ茨城県と沖縄県に強い地盤を持つ。地域にもよるが、通称「ホッパー」または単に「スパー」。
ほとんどの店舗は株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークスを本部とする加盟店である。
目次 |
[編集] スパーとホットスパーの関係
「スパー」は世界最大の食品小売りチェーンである。 日本においても、全国各地の卸売業者、小売業者によって地区本部が設立され、食品スーパーマーケットなどが加盟店となり「SPAR」の看板を掲げた。
1985年に、地区本部の一つである関東地域スパー本部株式会社(後の株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス)が、コンビニエンスストア業態の店舗名として「ホットスパー」の名を使い始め、他の地区本部もホットスパー店舗の運営に乗り出すこととなる(詳細はSPARを参照のこと)。
なお日本以外のスパーでは、日本のコンビニエンスストアに近い業態の店舗を「SPAR Express」などの店名で展開している。
[編集] ホットスパーコンビニエンスネットワークス
設立当初の社名は茨城県地区スパー本部株式会社であったが、他の地区本部から事業譲受を受けるなどして、東北、関東、静岡、沖縄という広い地域でホットスパー店舗を展開するに至る。
さらに、他の地区本部の多くが事業譲渡や他チェーンへの鞍替えなどによりホットスパーから撤退したため、現存するホットスパー店舗のほとんどは、同社を本部としている。
[編集] 企業現況
[編集] 歴史
- 1977年12月 株式会社カスミにより、茨城県地区スパー本部株式会社として設立される。実験店オープン(茨城県土浦市)。
- 1980年5月 社名を関東地域スパー本部株式会社に変更。
- 1985年3月 ホットスパーの1号店オープン。
- 1989年2月 沖縄スパー本部株式会社を完全子会社化。
- 1989年7月 首都圏地域スパー本部株式会社を完全子会社化。
- 1991年9月 社名を株式会社カスミコンビニエンスネットワークスに変更。
- 1991年10月 ボランタリーチェーンからフランチャイズチェーンに移行開始。
- 1993年3月 沖縄スパー本部株式会社を吸収合併するとともに、首都圏地域スパー本部株式会社から営業譲受。
- 1995年10月 東京都内の加盟店主から、損害賠償を求める提訴をされる。
- 以後1998年まで、元加盟店主らから売掛債権の放棄を求められるなど訴訟が相次ぎ、イメージダウンにより新規加盟店が集まりにくくなった。
- 1997年7月 甲信越地域スパー本部のホットスパー事業を譲り受け、株式会社甲信ホットスパーを設立。
- 1998年 甲信ホットスパーを吸収統合。
- 2001年4月 カスミが株式を売却。株式会社ココストアと資本、業務提携し、同社の傘下に。
- 2001年7月 社名を株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークスに変更。
- 2001年10月 完全親会社、株式会社ケイアンドシー設立。
- 2001年 甲信地方から撤退。
- 2002年2月 宮城地区スパー本部株式会社からコンビニエンスストア事業を営業譲受。
- 2002年5月 株式会社イズミックに株式会社ケイアンドシーが保有する株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス株式の全部を譲渡し、完全子会社化。株式会社ケイアンドシー解散。
- 2004年 株式会社エブリワンとエリアフランチャイズ契約を締結し、沖縄県での新店開発を同社に委託。
- ただし同県内の既存店は引き続きホットスパーコンビニエンスネットワークスが運営。
[編集] 関連会社
[編集] ホットスパーコンビニエンスネットワークス以外のホットスパー
少数ながら、同社に属さないホットスパーも存在する。例えば、次のような店舗である。
[編集] 広島県東部地区スパー本部株式会社を本部とする店舗
広島県福山市、尾道市、世羅郡世羅町に展開(2005年時点)。店名はホットスパーであるが、業態としてはスパーに近い。
- 城見町店
- 瀬戸東店
- 南松永店
- 松永店
- 生口店
- 因北店
- 向東店
- 世羅店
[編集] 株式会社エブリワンを本部とする店舗
同社はホットスパーコンビニエンスネットワークスと同じココストアCVSグループである。
2004年にはホットスパーコンビニエンスネットワークスと沖縄地区エリアフランチャイズ契約を結び、以後は沖縄県での新店開発を任されている。
にもかかわらず、同社が沖縄県で展開する下記14店舗はホットスパーのウェブサイトに掲載されていない(2006年4月時点)。
- 名護田井等店
- 名護大北3丁目店
- 名護宮里店
- 豊見城城址前店
- 南風原照屋店
- 南上原店
- 那覇小禄南店
- 島袋店
- 古波蔵店
- 沖縄与儀店
- 沖縄知花店
- 沖縄古謝店
- 浦添学園通り店
[編集] 全国のホットスパーの推移
全国に設立されたスパー本部が、コンビニエンスストア事業(ホットスパー)を行っていたが、合併や営業譲渡により統廃合が進んでいる。
- 1977年に、カスミにより茨城県地区スパー本部株式会社が設立される。1980年に関東地域スパー本部株式会社に、1993年にカスミコンビニエンスネットワークスに商号変更。2001年にココストア傘下になったことに伴い、現在のホットスパーコンビニエンスネットワークスとなっている。関東には、1983年に忠実屋が設立した「首都圏地域スパー本部株式会社」もあったが、1989年にカスミコンビニエンスネットワークスの子会社となり、1993年にカスミコンビニエンスネットワークス(現・ホットスパーコンビニエンスネットワークス)に営業譲渡している。一部店舗ではNTTドコモのiDが利用できる。
- 1977年に、マルイチ産商系列の運営会社・長野県地区スパー本部株式会社発足。1984年に甲信越地域スパー本部株式会社に商号変更。1997年に、コンビニエンスストア事業をカスミコンビニエンスネットワークス(現・ホットスパーコンビニエンスネットワークス)に営業譲渡している。
- 1968年設立の北陸チューリップチェーン株式会社が、1978年に富山県地区スパー本部株式会社となり、1985年には北陸スパー本部株式会社に商号変更。同社が北陸ホットスパー株式会社を設立したが、2004年にポプラに買収され、ポプラに店舗転換。
- 1977年に、株式会社桑宗の系列会社として広島県東部地区スパー本部が設立される。
- 1981年に、九州地域スパー本部株式会社設立。1999年に株式会社コトブキヤ・コンビニエンスシステムズ(現・株式会社エブリワン)や株式会社リョーユーチェーンサポートシステム(現・リックサポートシステムズ)と統合する目的で、九州コンビニエンスシステムズ株式会社を設立。2001年にココストアの傘下となったのち、2004年に同じココストア系列となったエブリワンに吸収合併される。2005年からココストアに店舗転換。
- 1985年に沖縄スパー本部株式会社が設立される。1989年に関東地域スパー本部(現・ホットスパーコンビニエンスネットワークス)の子会社となった後、1993年にカスミコンビニエンスネットワークス(現・ホットスパーコンビニエンスネットワークス)に吸収合併されている。