マッハの恐怖
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マッハの恐怖(マッハのきょうふ)は、日本の作家でジャーナリストの柳田邦男が航空事故を扱って書いたノンフィクション作品。
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[編集] 概要
[編集] 「マッハの恐怖」
当時NHK社会部の遊軍記者であった柳田は1966年に連続して発生した「全日空羽田沖墜落事故(ボーイング727)」(2月4日)、「 カナダ太平洋航空機墜落事故(DC-8)」(3月4日)、「英国海外航空機空中分解事故(ボーイング707)」(3月5日)を取材、後にこれらの事故を追ったノンフィクションとして1972年にフジ出版社より出版された。
航空事故とその原因を理論的に分析するマスコミはおろか、書籍も少なかった当時、事故を単なる一過性の「事故」として捕らえず、その事故原因と原因究明に対する事故調査委員会や航空会社、航空機製造会社や当局の姿勢を、高度経済成長を続ける日本と現代社会が持つ歪みをあわせて描いた視点が大きな反響を得て、当時大ベストセラーとなり、1972年度の大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。
[編集] 「続・マッハの恐怖」
「マッハの恐怖」が出版される前年の1971年7月3日に函館で発生した東亜国内航空のYS-11型機の墜落事故、いわゆる「ばんだい号墜落事故」と、1972年に発生した日本航空機の連続事故(羽田空港オーバーラン事故/5月15日、ニューデリー墜落事故/6月14日、金浦空港オーバーラン事故/9月7日、ボンベイ誤認着陸事故/9月24日、シェレメチェボ空港墜落事故/11月28日)などを扱った続編。
上記の他にもデハヴィランド・DH106 コメット機の連続空中分解事故や、アメリカにおけるイースタン航空のロッキードL-1011 トライスター機の墜落事故など、様々な原因によって発生した航空事故を取り上げたことで、より広範囲な視点で航空機事故とそれに至った原因を掘り下げている。
[編集] 図書データ
- 『マッハの恐怖』文庫 1986年 新潮社 ISBN 4101249059
- 『続・マッハの恐怖』文庫 1986年 新潮社 ISBN 4101249067