ヨーデル号 (高速バス)
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ヨーデル号(ヨーデルごう)は、青森県弘前市と岩手県盛岡市を結ぶ昼行高速バスである。
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[編集] 運行会社
[編集] 歴史
従前、弘前市から東北新幹線を利用するためには、青森駅・盛岡駅と2度の乗り継ぎをするか、所要時間の長い奥羽本線・田沢湖線経由、または花輪線を利用するしかなかった。
東北新幹線上野開業に合わせて、弘前市の諸団体が弘前と盛岡を結ぶ高速バスを運行してほしいという要望から、地元の弘前側拠点事業者である弘南バスは、盛岡側拠点業者である岩手県北バスと共同で弘南バスターミナル~大鰐バスストップ~盛岡駅間を申請した。
しかし国鉄は利用者減少が見込まれたことから、盛岡側の拠点事業者である国鉄バス(東北地方自動車部)が先に開業していたとわだこ号同様の「バス指定券」方式で弘前駅~盛岡駅間を、さらには盛岡側の拠点事業者の岩手県交通が同じ国際興業グループで中間拠点事業者の秋北バスとともに盛岡~弘前間の運行と「小坂」停留所を設置する申請を相次いで出した。
しかし、5社では過剰供給となると東北陸運局が判断したため5社間で協議が行われ、結果的に秋北バスの参入と「小坂」停留所設置が先送りされる形となった(この時見送られた秋北バスの参入と「小坂」停留所設置は、あすなろ号で実施)。また参入した各社とも担当便が数本程度になり、高速バス初参入の岩手県交通は1往復のみとなった。
このバス路線の開業により、弘前からの東北新幹線が格段に便利になった。かつて同路線は利用者数が多く、しばしば続行便を出すという、弘南バスをはじめとする担当するバス会社のドル箱路線であった。「ヨーデル号」で成功した4社はのちに高速バス路線網を広げていくことになった。特に弘南バスは対東京への夜行バス需要があることを確信、これが夜行高速バスノクターン号の運行開始へ繋がった。
しかし、2002年12月の東北新幹線八戸延長で八戸~弘前間の特急「つがる」が運転を開始したことから、利用客数が激減している。
[編集] 年表
- 1985年3月14日 - 9往復で運行開始(国鉄3往復、弘南3往復、県北2往復、県交1往復)。ただし東北道碇ヶ関IC~十和田IC間は未開通により国道282号を走行(営業キロ150.0km)。
- 1986年7月31日 - 碇ヶ関IC~十和田IC間開通に伴い国道282号から東北道走行へ変更(営業キロ146.8km)。所要時間短縮(2時間20分に)、13往復に増発(各社1往復ずつ増発)。
- 1987年4月1日 - 国鉄民営化のため、国鉄バス担当便はJR東日本バス(東北自動車事業部)に継承される。
- 1988年4月1日 - JR東日本の自動車部門分社化のため、JR東日本バス担当便はJRバス東北に継承される。
- 2003年10月1日 - 盛岡駅乗り場を東口から西口バスターミナルへ変更。
[編集] 経路
○:降車のみ ▲:一部便のみ停車(乗車のみ) △:一部便のみ停車(降車のみ) -:停車せず |
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五所川原駅前 | 鶴田神社前 | 板柳十文字 | 藤崎表町 | 弘前バスタ丨ミナル | 弘前駅前 | 大鰐弘前IC | 東北大鰐 | 花輪SA | 盛岡IC | 盛岡駅前 | |
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五所川原・弘前→盛岡 |
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五所川原・弘前←盛岡 |
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- 五所川原~弘前間は1日1往復のみ(弘南バス五所川原営業所担当便、特急五所川原~弘前線として運行。弘前バスターミナル8:55発(五所川原駅前7:30発)と盛岡駅西口15:40発の便)。
- 尚、鶴田神社前・板柳十文字・藤崎表町の各バス停の通過時刻は、弘前バスターミナル・五所川原営業所への問い合わせか弘南バスホームページを参照してほしい。
[編集] のりば
- 弘前バスターミナル…1番ホーム2番のりば
- 弘前駅…1番のりば
- 盛岡駅…西口バスターミナル2番のりば
[編集] 乗車券
- 片道乗車券は乗車日の一ヶ月前からJRみどりの窓口で、乗車当日に弘前バスターミナル自動券売機、JRバス盛岡駅きっぷうりば自動券売機、盛岡駅西口マリオス内自動券売機で発売、または当日下車時精算。また旅行会社でも「船車券」として発売している。また、五所川原駅発のみ弘南バス五所川原駅ターミナルでも発売している。
- 往復乗車券(弘前~盛岡間)は3ヶ月有効。JRみどりの窓口、弘前バスターミナル自動券売機、JRバス盛岡駅きっぷうりばで発売(五所川原駅前発のみ五所川原ターミナルでも発売)。
- JR東日本弘前地区発売の「ヨーデル&新幹線きっぷ」でも利用することができる。
- 東北大鰐から乗車した場合は盛岡駅到着後降車時に運賃(現金のみ)を車内の運賃箱に入れる。
- 五所川原駅から乗車する場合は、あらかじめ五所川原ターミナルの自動券売機で乗車券を購入すること。またヨーデル号往復利用者専用の五所川原~弘前間往復乗車券も発売している(弘前~五所川原線とヨーデル号の乗り継ぎも可能)。
- 鶴田神社前・板柳十文字・藤崎表町の各バス停から乗車した場合は、弘前バスターミナル到着後に係員が車内乗り込み係員に運賃支払いをし、弘前までの運賃回収と盛岡までの乗車券が渡される(ヨーデル号乗車券を事前購入した場合は弘前までの運賃のみ支払い)。また鶴田・板柳・藤崎の各バス停からの利用で弘前~盛岡間往復乗車券を利用する場合は乗車時に乗務員に申し出ること。逆に盛岡発五所川原行のバスで弘前から先の区間まで乗車する場合は弘前到着後係員が乗り込み弘前までの乗車券を回収し、降車地までの運賃を支払い乗車券が渡される。
- なお、鶴田神社前・板柳十文字から乗車する場合は、通常の往復割引乗車券の利用可能(ただし弘前バスターミナル発往復のみ)。
[編集] 利用状況
年度 | 運行日数 | 運行便数 | 年間輸送人員 | 1日平均人員 | 1便平均人員 |
平成15年度 | 366 | 11,326 | 186,698 | 510.1 | 16.5 |
平成16年度 | 365 | 11,255 | 184,825 | 506.4 | 16.4 |
[編集] 関連項目
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