つがる (列車)
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八戸駅に停車中の485系国鉄色のつがる
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つがるとは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が八戸駅~青森駅・弘前駅間を東北本線・奥羽本線を経由して運転されている特急列車の名称。
この名称はかつて「津軽」と漢字書きで、上野駅~青森駅間を東北本線・奥羽本線経由で結ぶ急行列車の名称として使われていた。
目次 |
[編集] 運転形態
主に八戸駅~青森駅間がメインであるが、弘前駅にも大部分の列車が乗り入れている。また、八戸駅において東北新幹線「はやて」に連絡するダイヤを組んでいる。
列車の号数については、「はやて」に連絡する列車は「はやて」の列車号数を符番し、連絡しない列車は空き番号の「40番台」を符番する。この号数の符番は、「白鳥」・「スーパー白鳥」にも共通である。
なお、青森駅~弘前駅間はそのままの名称で運行されることから上り列車・下り列車の列車番号、列車の号数の順序が同じ区間を走る他の列車とは逆になる。
青森ねぶた・弘前ねぷた期間中には、つがる29号(2005年までは25号)が観光客の輸送の為に弘前駅~秋田駅間を臨時列車扱いで延長運転している。
[編集] 停車駅
- 定期列車の停車駅を示す。括弧書きの、三沢、野辺地、浅虫温泉、浪岡は一部列車通過。
[編集] 使用車両・編成等
- 使用車両
- 485系電車3000番台
- E751系電車
- 掲載写真の車両。
- 789系電車
- スーパー白鳥号用の車両。運用上の都合で上り6号のみに充当される。
- 編成(全席禁煙車両である)
- 485系6両編成
- 485系8両編成
- グリーン車指定席…8号車運転室側
- 普通車指定席…1・4~8号車
- 普通車自由席…2・3号車
- お手洗い・洗面所…1~6・8号車
- E751系6両編成
- グリーン車指定席…6号車運転室側
- 普通車指定席…1・4~6号車
- 普通車自由席…2・3号車
- お手洗い・洗面所…2・4・6号車
- 789系6両編成
- グリーン車指定席…1号車運転室側
- 普通車指定席…1・4~6号車
- 普通車自由席…2・3号車
- お手洗い・洗面所…1・4・6号車
[編集] 列車名の由来
本来は、青森市を含めた青森県県西部の郡名及び地域名に由来する。八戸駅~函館駅間の特急列車名称の一般公募では2位にランクされていた。
[編集] 津軽・つがるの名称を使用した列車の沿革
[編集] 東京~秋田・青森間 急行「津軽」
- 1954年(昭和29年)10月 上野駅~青森駅間を上越線・羽越本線経由で結ぶ臨時の夜行急行列車として、「津軽」(漢字書き)が運転を開始。
- 1956年(昭和31年)11月 「津軽」は東北本線・奥羽本線周りに経路変更され、同時に定期列車となる。
- 1965年(昭和40年)10月 1往復増発、2往復に。
- 1978年(昭和53年)10月 車両を12系客車に改める。
- 1982年(昭和57年)11月 2往復のうち1往復を廃止、再び1往復に。車両を20系客車に改める。
- 1983年(昭和58年)7月 車両を14系客車に改める。
- 1990年(平成2年)9月 使用車両を14系客車から583系電車に改める。また同時に開始された山形新幹線開業工事により、福島駅~山形駅間は東北本線・仙山線経由に変更。
- 1992年(平成4年)7月 車両を485系電車に改める。
- 1993年(平成5年)12月 「津軽」臨時列車に格下げ。
- 1997年(平成9年)1月 臨時急行「津軽」廃止。
- 2001年(平成13年)12月29日(下り上野発)・翌年1月3日(上り青森発) 臨時急行「なつかしの津軽」として、14系客車で「津軽」をリバイバル運転(陸羽東線経由)。
1950年代~1960年代、東北地方では東京方面への出稼ぎや集団就職が盛んであったが、奥羽本線沿線(山形県・秋田県・青森県西部の地域)出身の人々にとっては長らく沿線を走る唯一の優等列車が「津軽」であり、集団就職列車や長距離鈍行列車によってそれらの地域から上京した人々は、同列車の特に一等車(後のグリーン車)を使用して帰郷することを目指したためか、いつしか「津軽」はマスコミなどから「出世列車」と呼ばれるようにもなった(特急「あけぼの」の項も参照)。
[編集] 八戸~青森・弘前間 東北新幹線連絡列車「はつかり」・「つがる」
- 1982年(昭和57年)11月 それまで上野駅~青森駅間を運行していた特急列車の愛称であった「はつかり」が、東北新幹線の大宮駅~盛岡駅開業によって廃止され、代わりに新幹線接続列車として盛岡駅~青森駅間に運転を開始した特急列車の名称に「はつかり」の名が採用された。なお、週末のみ1往復が青森駅~弘前駅まで延長運転された。(それ以前の「はつかり」については、東北本線優等列車沿革の項目を参照)
- 1982年(昭和57年)11月 特急「はつかり」1往復を、臨時で弘前駅まで延長運転する。
- 1988年(昭和63年)3月 青函トンネルの開業により、一部の「はつかり」が函館駅まで延長される。
- 1996年(平成8年)3月 特急「はつかり」に485系3000番台の使用を開始。
- 2000年(平成12年)3月 速達型列車「スーパーはつかり」の運行開始。新しく開発されたE751系電車を使用。また、「はつかり」のエル特急の指定を解除する。
- 2002年(平成14年)12月 八戸駅~青森駅・弘前駅間に、それまで盛岡駅~青森駅間を運転していた「はつかり」を引き継ぐ形で、特急列車「つがる」(平仮名書き)の運転を開始。また盛岡駅~函館駅間を運転していた「はつかり」に関しては、八戸駅~函館駅間運転の特急「白鳥」・「スーパー白鳥」となり、「はつかり」の愛称はこの時消滅した。
- 2007年(平成19年)3月 「つがる」全列車全席禁煙となる。