リューベック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

リューベック(Lübeck) はドイツ連邦共和国の都市。シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州に属する。バルト海に面する北ドイツの代表都市。かつてはハンザ同盟の盟主として繁栄を誇った。正式名称をハンザ都市リューベック(Die Hansestadt Lübeck)という。"Lübeck"の発音は、標準ドイツ語では/ˈlyːbɛk/(リューベクに近い)のに対し、地元では/ˈlyːbek/(リューベックに近い)となる傾向がある。面積214.14平方キロメートル、人口214,338人(2003年末)。
目次 |
[編集] 地勢
バルト海に面する海港を有する港湾都市である。造船産業などでも繁栄した。約55キロ南西にハンブルク、60キロ北西にキール、55キロ南西にシュヴェリン、100キロ東にロストックが位置する。
[編集] 歴史
1143年、ホルシュタイン伯のアドルフによって建設された。一旦火事で荒廃したものの、ザクセンのハインリヒ獅子公によって再建された。北海・バルト海交易で一時期独占的な地位を築いたハンザ同盟の盟主でもあった。リューベック商人は、ノルウェーのベルゲンに商館を築き、ノルウェーの鱈を南に売却して大きな利益をあげた。また、リューネブルクの岩塩をおさえたことで、塩漬け鰊(ニシン)でも独占的な地位を誇った。近世にはいると、ハンザ同盟の衰退とともに、リューベックも衰退していった。
[編集] 文化
トラベ川とトラベ運河に囲まれた島にある旧市街地は世界遺産に登録されている。
旧市街地の入り口のホルステン門(Holstentor)はユーロ導入以前の旧50ドイツマルク紙幣の図柄にも採用されている。 マルクト広場に面して黒レンガ造りの市庁舎がある。その隣にゴシック様式のマリエン教会がある。
なんといっても、トーマス・マンの故郷で、『ブッデンブローク家の人々』はこの町に住んだ彼の一族をそのままモデルにしたもの。生家は以前は銀行の支店だったこともあるが、現在ではマンの記念館になっている。
旧市街地は、運河が周囲に堀り巡らされていて、船での周遊が観光の目玉。古い船員組合の建物がレストランになっていて、大航海時代の巨大な帆船模型が天井から吊り下げられ、また壁面はさまざまな航海の様子を描いた油彩で飾られた中での魚料理はまた格別と評判。
[編集] 姉妹都市・友好都市
[編集] リューベック出身の人物
- ヴィリー・ブラント:政治家
- トーマス・マン:作家
- ハンス・ブルーメンベルク:哲学者
[編集] 外部リンク
- リューベックの公式サイト(ドイツ語)
- リューベック大学(ドイツ語)
- リューベックの歴史に関する画像(ドイツ語)