リヴィン
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LIVIN(リヴィン)とは、西友が運営する百貨店業態の大型店舗のこと。もともとは「西武」を名乗っていた店が多い。
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[編集] 概要
かつてセゾングループに属していた西友は、同じセゾンの「西武百貨店」の名称・意匠を借りた「西武」の名称で、高級大型店を運営していた。西武百貨店と同一の制服や包装紙を採用するなどして高級感を演出し、「スーパーマーケットの西友」とは一線を画した。
「脱大衆消費」を掲げ、上質かつ洗練されたイメージ作りに奔走していた、往年のセゾングループらしい戦略といえる。ただしこれらの店舗の実態は「西武を名乗った西友」という擬似百貨店であり、グループ内でも「百貨店ではない百貨店」という曖昧な位置づけにあった。
バブル期まではネームバリューを持つ百貨店ブランドが価値をもち、消費者側も高級感を求めてそれを望むという時代のムードがあった。集客を呼び込む駅前の「箱モノ」としても歓迎され、こうして実体の伴わぬ西武店は各地に増えていき、一応は全国に散らばる西武網ができあがった。
しかしバブル崩壊後には、セゾンの戦略は行き詰まり、消費者の意識も変化。百貨店への幻想は崩れ去り、代わりに台頭してきたのが、イオンに代表される実用的な郊外型ショッピングセンターであった。
時代の変化にあわせた形で「擬似西武」も店名を変更することとなり、「西武」を名乗っていた西友店舗は徐々に「LIVIN」へと改称していった。
西友には百貨店事業部が存在しており、「SEIBU事業部」を名乗った時期もあったが、現在は「LIVIN事業部」としてLIVINの運営に当たっている。
[編集] 店舗
クレジットカードのセゾンカードをハウスカードとしている。なお、日本百貨店協会の会員ではないため、全国百貨店共通商品券の利用はできない。
店舗は現在、郡山、水戸、錦糸町、光が丘、田無、OZ大泉、みずほ、よこすか、上田、春日井、姫路に存在する。
西友経営の西武店はこのほかにも、かつて旭川、函館、ほんきん(秋田)、前橋、藤沢、甲府、富山、小松、宝塚、小倉にも存在した。このうち旭川店、富山店は1982年に、ほんきん(秋田)店は1988年、函館店・小松店は1990年前後に西武百貨店の経営に変更され(函館店・富山店・小松店はその後閉鎖)、藤沢店、甲府店はLIVIN移行前に、前橋店はLIVIN移行後の2004年1月に宝塚店は2006年6月それぞれ閉鎖された。小倉店はLIVINに移行せず、現在西友小倉店として営業中である。また、1993年に閉鎖された八王子西武は、もともとは西武百貨店経営だったが、1991年に西友と東京楽天地との合弁会社であった株式会社錦糸町西武に移管された。
郡山店については駅前の郡山西武店を2000年10月に撤退し(入居していた東邦精麦ビルは、2001年5月オーナー開設の専門店ビルAti郡山となる。西友は開店よりしばらくの間地階にSM業態を出店したが再撤退した、現在は一部フロアを丹青社子会社の丹青モールマネジメントに運営管理の委託を行っている。)、LIVIN業態として、旧市街地のはずれ長者の日東紡工場跡へ2000年11月に移転開店している。
田無店については1995年6月まで田無駅北口にあった西友田無店とは別に「田無西武」店としてオープンした。その後、2001年に田無西武店は現在のLIVINへ業態転換している。1F~3Fはアスタ専門店街とつながっている。 余談ではあるがこのアスタには、イトーヨーカドーが衣料品のみの店舗を出店している。 田無西武店オープン後もしばらくは西友田無店と並存していた。
春日井店についてはショッピングセンター「THE MALL春日井」(旧西武春日井ショッピングセンター)の核店舗として出店している。なお、春日井店はTHE MALLの1号店にあたる。