イオン (企業)
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 261-8515 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目5番地1 |
設立 | 1926年(大正15年)9月21日 創業は1758年太物・小間物商「篠原屋」として |
業種 | 小売業 |
事業内容 | GMSを中心とする総合小売事業等 |
代表者 | 取締役兼代表執行役社長 岡田元也 |
資本金 | 1017億9800万円 (2006年2月20日現在) |
売上高 | 連結4兆0406億円 単体1兆7853億7900万円 (2006年2月期) |
従業員数 | 1万3321人 |
決算期 | 毎年2月20日 |
主要子会社 | 株式会社マイカル100% |
関係する人物 | 岡田卓也(名誉会長) |
外部リンク | www.aeon.info/ |
イオン株式会社(ÆON Co., Ltd.)は、国内外140余の企業で構成される大手流通グループ「イオングループ」中核の事業持株会社である。本社は千葉県千葉市美浜区。東京証券取引所第一部上場。ブランド・メッセージは「singing♫ÆON」。環境活動スローガンは「木を植えています ― 私たちはイオンです」。
目次 |
[編集] 概要
1997年、会社更生法適用を申請した「ヤオハンジャパン」(現マックスバリュ東海)や、2001年にやはり会社更生法適用を申請した「マイカル」、そして2004年に産業再生法を申請した「ダイエー」の再建に携わったり、地場スーパーマーケットやドラッグストアなどとの提携を盛んに行うなど、事業の拡大が続いている。かつては『連邦系経営』を標榜し提携先とは比較的少額の資本提携のレベルにとどめて、実際の運営は各社の自主的判断に任せる形をとっていたが、バブル崩壊以降トップマネージメントの強化へと方針の転換がおこなわれた。
事実上の創業者である岡田卓也の「狸や狐の出る場所に出店せよ」との言葉どおり、郊外型の大型ショッピングセンターを中心に出店。駅前や中心街に多くの店を構えるダイエーが業績悪化する中、ライバルのイトーヨーカ堂とともに小売業界を牽引している。現在も郊外への出店攻勢を強めており、特に地方都市において旧来の商店街、長年地元を支えてきたスーパー、百貨店衰退の要因の一つになっており、地方経済界ではイオンの出店攻勢を危惧する見方も出ている。
社債の格付けでは今もイトーヨーカ堂やユニーより低いため、不動産投資信託等の別の資金調達手段を多用している。
現在の社長は創業者・名誉会長の岡田卓也の長男岡田元也。次男の岡田克也は民主党の副代表を務めている。
「イオン(ÆON)」とは、古典ギリシア語 αίών(aiōn, アイオーン)に由来するラテン語で、「永遠」を意味する。(ただし、「イオン」というカタカナ表記は現代英語の発音に基づいていると思われる)
[編集] 沿革
- 1758年 岡田惣左衛門が太物・小間物商「篠原屋」を現在の三重県四日市市で創業した。
- 1887年 四日市久六町にあった店舗を四日市辻へ移転し、「岡田屋」と改称
- 1926年 「株式会社岡田屋呉服店」設立
- 1937年 二木一一が兵庫県姫路市に「フタギ洋品店」を開業
- 1949年 「フタギ株式会社」設立
- 1959年 岡田屋呉服店、社名を「株式会社岡田屋」に変更。スーパーを業務とする子会社・マルオカを設立
- 1961年 井上次郎が阪急宝塚本線庄内駅前にスーパー「シロ」を開店
- 1961年 マルオカ、社名を「オカダヤチェーン」に変更
- 1968年5月 岡田屋とフタギが、合併を前提に業務提携(のちにシロも参入)。
- 1969年2月21日 - 岡田屋・フタギ・シロの三社共同出資による共同仕入会社の「ジャスコ株式会社」を設立。
- 同年4月14日に岡田屋は「ジャスコ株式会社」に社名変更
- 1970年 岐阜繭糸(現:イオンモール)を買収
- 1972年8月20日 やまてや・やまてや産業・京阪ジャスコ(旧シロ)を合併
- 1973年 フォトサービスのジャスフォートを設立。
- 1973年3月 奈良店で銀行カードによるキャッシュレス販売実験開始
- 1973年9月 ワンストップショッピング機能を強化した「アンカーストア」としてジャスコ川西店をオープン(1962年開店の旧シロ跡地に新築)
- 1974年9月 東京証券取引所第二部上場。
- 1975年3月 プライベートブランド「ジェーフード」を発売
- 1976年8月 東京証券取引所第一部指定換え。扇屋を合併
- 1976年 オークワと合弁し、和歌山県御坊市に「ジャスコ・オークワ」出店
- 1977年8月 伊勢甚グループおよびいとはんを合併
- 1979年3月 イズミヤ、ユニーなどとの出資で輸入専門商社アイク株式会社設立
- 1980年9月 ジャスコカード発行(現在のイオンクレジットサービスとなる日本クレジットサービスの設立は翌年6月)
- 1980年10月 食品POSを野田店(大阪市)に導入
- 1983年6月 本社を大阪から東京へ移転
- 1989年9月 グループ名称を「ジャスコグループ」から「イオングループ」に変更
- 1991年9月 奈良県斑鳩町に県下最大のディスカウントストア「ビッグ・バーン」オープン。
- 1992年10月 スーパードラッグストアの1号店ドラッグス青山店(三木市)オープン(のちにドラッグスは分社化し現在はタキヤ)
- 1994年5月 「イオンタワー」竣工。現住所へ本社移転
- 1994年9月 「トップバリュ」を販売開始。この時点では、ジャスコの数あるプライベートブランドのひとつであった。
- 1997年10月 T-ZONEと提携し、パソコンショップのJ-ZONEを設立
- 1999年7月 ユニーがアイクから脱退。アイク株式会社を子会社化
- 1999年8月 信州ジャスコ・扇屋ジャスコと合併
- 2000年 オークワとの合弁解消
- 2000年2月 北陸ジャスコ(1977年2月設立)を合併
- 2000年7月 ヤオハン(現:マックスバリュ東海)を完全子会社化(同社のグループ入りは2000年3月から)。
- 2001年8月21日 「イオン株式会社」への社名変更ならびにグループ呼称「イオン グループ」の「イオン」への改称により、グループの結束を前面に出した。
- 各店舗内で「新生イオン入社式」が挙行される。「AEON」のカラーネックストラップ付き名札をグループ各社で共通に使用開始。
- 「グローバル10」構想を発表
- 2002年 株式会社秀和の保有するいなげや株を引き取り、筆頭株主となる。
- 2003年5月 委員会等設置会社に移行
- 2003年11月18日 マックスバリュ松ヶ崎店(千葉県)に、日本国内ではじめてセルフレジを導入(この時点では6か月間の試験導入。のちに他店も含め本格導入となった)
- 2003年11月28日 更生会社株式会社マイカル(当時)を完全子会社化。
- 2004年5月 お客さま感謝デーの開催日を、19・20日から20・30日に変更。
- これに伴い、30日に実施していた「ジャスコみそか市」を廃止。
- 2004年9月1日 新ブランド戦略。ブランドメッセージ「singing♫ÆON」を発信し「昨日より、おもしろい、今日。」を顧客に約束することを宣言
- 2004年 いなげやと業務提携。
- 2005年3月10日 カルフールジャパンの全株式を譲受。同日カルフールジャパンはイオンマルシェに社名変更。またフランス本国のカルフールS.A.社と業務提携を発表
- 2005年7月 日本テレビ系「24時間テレビ「愛は地球を救う」」の協賛スポンサーとして2005年度から参加
- 2006年1月30日 「オリジン弁当」を展開するオリジン東秀の防衛的友好買主(ホワイト・ナイト)として、ドン・キホーテから受けた敵対的TOBに対抗した友好的TOBを発表
- 2006年5月15日 イオン総合金融準備設立
- 2006年10月13日 丸紅とダイエーより、ダイエーとイオンの資本・業務提携に関し、2007年3月末までの独占交渉権を獲得(丸紅・ダイエー・イオンの3社間で、同提携に関する検討を開始することで合意)
- 2006年10月 2000億円弱の大型増資発表。
- 全調達資金の1/4がダイエー・マルエツ関連。その他の使途は新店舗の出店費用や中国での大量出店の加速のために使用される。
- 2007年1月11日 ジャスコ東山二条店にて、試験的に1枚5円でレジ袋有料化
- 2007年2月1日 JR東日本とNTTドコモが開発したiDとの共用端末を日本ではじめて導入し、JR東日本が発行する電子マネーSuicaが関東のイオングループ店舗(ジャスコ・マックスバリュ・スーパーセンター・メガマート・カルフール・まいばすけっと・カラダラボ・イオンタワー薬局)で利用可能になる。
- 前段階として、2005年12月13日にJR東日本との包括的業務提携が、2006年3月27日にエヌ・ティ・ティ・ドコモと広範な協業を検討する合意が行われた。
- 関東の店舗以外では、2007年3月2日に新潟県でオープンしたイオンラブラ万代店の食品レジで利用可能。ジャスコ新潟店(新潟市西区青山)も一部を除き4月27日より利用可能となる。その他の新潟県のイオングループ他店舗では利用できないので注意が必要である。
- Suicaと相互利用が可能な電子マネーPASMOも2007年3月18日から上記の店舗で利用可能である。
- 2007年2月 定年を65歳に延長(一部のグループ企業も導入)。
- 2006年改正の「高年齢者雇用安定法」への対応については、60歳定年後の継続雇用制度での対応がほとんどであり(イオンも2005年2月に導入済み)、定年の延長を行うケースは極めて異例とされる。(定年制を廃止した企業では日本マクドナルドがあり、流通業界でも、事務用品通信販売のアスクルや百貨店の松屋が65歳に定年延長した例がある程度)
- 2007年3月9日 丸紅とダイエーならびに当社の計3社間での資本・業務提携合意を発表。提携により、国内最大の流通連合となる予定。
- 2007年6月11日 京都市内のジャスコ洛南店、京都西店、五条店の1階売り場でのレジ袋無料配布を中止、東山二条店と同様に1枚5円で有料化予定。
- 2007年8月21日 当社の北海道総合小売事業を吸収分割によりイオン北海道株式会社(同日株式会社ポスフールから商号変更予定)に承継予定。
- この前段階として、2007年4月23日にポスフールは当社に対し第三者割当増資を行い当社の連結子会社となる予定。
[編集] 店舗ブランド
[編集] イオンの運営する店舗ブランド
- ジャスコ - 総合小売業(GMS)
- マックスバリュ - スーパーマーケット(SM)(グループ小売業各社も同名で店舗を展開)
- イオンスーパーセンター - スーパーセンター(SuC)
- 東北地方のスーパーセンターは、イオンスーパーセンター株式会社に分社化
- ジャスコスーパーセンター - スーパーセンター(SuC)
- マックスバリュスーパーセンター - スーパーセンター(SuC)
- メガマート - ディスカウントストア(東北、北海道の店舗は、現DJグループのホーマックに転換)
- イオンショッピングセンター(イオン株式会社が直接運営するショッピングセンター)
- フォーラス - ファッションビル
- これらの店舗ブランドを使わない店名だけの店舗もある:イオンラブラ万代店
[編集] グループ会社のみが運営する店舗ブランド
- サティ (マイカル・マイカル九州)
- ビブレ (マイカル)
- カルフール (イオンマルシェ)
- ポスフール (ポスフール)
- イオンモール(イオンモール)
- ダイヤモンドシティ(ダイヤモンドシティ)
- ホームワイド (イオン九州)
- ウエルマート (マックスバリュ東北・マックスバリュ西日本)
- かつてはイオン株式会社も運営していた(2005年1月20日閉店のウエルマート柿崎店まで)。
- フードセンター(マックスバリュ北海道)
- ザ・ビッグ (マックスバリュ西日本)
- ミセススマート (マックスバリュ中部)
- ヤオハン (マックスバリュ東海)
- くらし館・マックスバリュくらし館 (マックスバリュ九州)
- ハロー (マックスバリュ九州)
- アーガス (マックスバリュ九州)
[編集] グループ会社
→ イオングループを参照
[編集] プライベートブランド
- トップバリュ - 品質と価格の両面から最高(TOP)の価値(Value)を目指した商品群。
- トップバリュ グリーンアイ - 健康や地球環境に配慮した生鮮食品群。
- トップバリュ セレクト - トップバリュの中でも特に高品質を目指した高付加価値商品。
- トップバリュ 共環宣言 - 環境保全型の商品。日用品で展開。
- トップバリュ レディーミール - 手軽に用意出来る惣菜類。フローズンとチルドで展開。
- ベストプライス by TOPVALU - より廉価を目指したベーシックな商品。現在はプレーンヨーグルトや食パンで展開。
- 「ベストプライス」自体は、一般のメーカー製品のなかから選りすぐって指定したものであるため必ずしもプライベートブランドではないが、「ベストプライス」のラインナップを補うために自社で開発した製品を、「ベストプライス by TOPVALU」と称して販売している。
- トップバリュ ヘルシーアイ - 「なくす・へらす・おぎなう」をキーワードとした、健康志向の商品群。2007年2月20日デビュー。
[編集] お客さま感謝デー
- 毎月20日と30日(2月は27日)に、イオンカード(イオンカードに統合された旧カードも含む)、イオンSuicaカード、イオンゴールドカード、イオンコーポレートカード(これらをまとめて以下「AEONカード」)、イオンオーナーズカード、イオンシニアクラブカードのいずれかを店頭レジにて提示し、支払いを現金・イオン商品券・マイカル商品券・クレジットカード(AEONカード)のいずれかで行った場合には、商品ごとに5%引となる。
- 2004年4月以前は毎月19日、20日がお客さま感謝デーだった。これは、イオンは毎月20日締めであるからだと言われている。また、30日のお客さま感謝デーが設定される以前、ジャスコにおいては毎月最終日に「みそか市」が行われていた。
[編集] イオンデー
毎月11日をイオンデーとし、「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」を行っている。これは、店内に設置された地域のボランティア団体などのレシート投函BOXに、当日の買い物のレシート(11日は黄色いレシートを発行している)を入れることで、集まったレシートの合計金額の1%を対象団体に還元するという運動である。また、従業員が店舗の周辺の清掃活動を行なう「クリ-ンロード」もこの日に行なわれる。
[編集] Wスタンプ
レジ袋が不要の場合、1回の精算ごとに通常1個のスタンプが「お買物袋スタンプカード」に捺印される。ただし、下記においては、1回の精算ごとに2個のスタンプが捺印される。
- 毎月5日(ノー・レジ袋の日)
- 毎月11日(イオン・デー)
- 毎月20日(イオンお客さま感謝デー)
- 毎年2月27日および毎月30日(イオンお客さま感謝デー)
- 毎年6月1日から6月30日まで(環境月間)
- 毎年10月1日から10月31日まで(3R推進月間)
なお、店舗によっては、レジ係員の押印ミスを防ぐ意味で、上記該当日には各レジに「本日スタンプ2倍」などの告知札を掲げるなどの工夫もなされている。
[編集] 関連項目
[編集] 人物
- 岡田卓也 - 名誉会長。四日市の岡田屋呉服店から、現在のイオングループへと発展させた事実上の創業者。
- 常盤敏時 - イオン株式会社取締役会前議長 元代表執行役会長 元代表取締役会長
- 岡田元也 - イオン株式会社取締役兼代表執行役社長。岡田卓也名誉会長の長男。
- 岡田克也 - 岡田卓也名誉会長の次男。衆議院議員。民主党元代表。
- 高田昌也 - 岡田卓也名誉会長の三男。東京新聞。
[編集] その他
- WAON - イオンの電子マネー
- たべごろマンマ! - イオン1社の提供番組。
- 冒険!CHEERS!! - イオン1社の提供番組。たべごろ-の前番組。
- 日米野球(2004年と2006年の冠スポンサー=特別協賛者)
- 日本リテールファンド投資法人-三菱商事とUBSにより設立されたイオングループのショッピングセンターへの投資を主力とする不動産投資信託
世界の大手小売グループ |
ウォルマート | カルフール | ロイアル・アホールド | メトロ AG | セブン&アイ・ホールディングス テスコ | クローガー | レーベ | ターゲット | コストコ | 参考:(イオン=11位) 世界の小売グループ連結売上上位10社を掲載。左上のウォルマートが1位。 右に行くに従い順位が下がる。 |
総合スーパー(GMS): | ジャスコ(イオン、イオン九州、琉球ジャスコ) | サティ(マイカル、マイカル九州) | ポスフール |
---|---|
スーパーマーケット(SM): | マックスバリュ(運営会社:北海道 | 東北 | 東海 | 中部 | 名古屋 | 西日本 | 九州) | ヤオハン(MV東海) | カスミ | ウエルマート | ジョイ|いなげや |
大型ショッピングセンター: | イオンモール | ダイヤモンドシティ | カルフール(イオンマルシェ) | マイカルタウン | ロックタウン・ロックシティ(ロック開発) |
百貨店・専門店: | ボンベルタ百貨店(ボンベルタ、橘百貨店) | ビブレ(マイカル) | フォーラス(イオン) | やまや | オリジン東秀 | タカキュー | ニューステップ |
ドラッグストア: | イオン・ウエルシア・ストアーズ | ツルハHD (ツルハ) | 寺島薬局 | ウエルシア関東 | ウェルパーク | クスリのアオキ | メディカル一光 | タキヤ |
その他小売業: | ホームセンター : ホームワイド(イオン九州) | サンデー | スーパーセンター : イオンスーパーセンター | CVS : ミニストップ | 書店 : 未来屋書店 |
その他: | イオンクレジットサービス | イオン銀行 | WAON | アイク | チェルト | イオンディライト | イオンファンタジー | イオンシネマ | ワーナー・マイカル・シネマズ |
*イオングループの主な企業、ブランドを掲載。運営企業とブランド名が異なる場合はブランド名を記載し、括弧内に企業名を掲載。