ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密
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『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』は、漫画家モンキー・パンチ原作の人気アニメ『ルパン三世』の毎年恒例となっているTVスペシャルのシリーズ第八弾である。1996年8月2日に日本テレビ系の金曜ロードショーで放送された。
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[編集] 概要
時価数千億フランともいわれるゲルト族の財宝の鍵を握るダイヤモンド、「トワイライト」をめぐってゲルト族にルパンファミリーが加わり、ICPOの新任本部長であるジャン・ピエール率いるイゴ族と争奪戦を演じる。なお、この作品ではルパンのジャケットが赤の他、白を着用している。今作品のコンセプトは「ルパン三世としてデフォルトとなっている魅力、武器をすべてはずしてみる」「栗貫ルパンの完成」とされている。また、赤ジャケット着用時は青いシャツに黄色のネクタイに黒いズボンというルパン三世史上初のカラーリングも使用された。また、テレビスペシャルシリーズで唯一音楽担当が大野雄二でない作品でもある(『新ルパン三世』以降の全ルパンシリーズで音楽担当が大野雄二で無い作品は本作品と『ルパン三世 風魔一族の陰謀』『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』のみ)。
この作品内で、変装したルパンが銭形警部に名前を聞かれ「通りすがりの古畑ですが」と古畑任三郎のモノマネをするシーンがある。さらに去り際には、「あー、困った困った。今泉く~ん」とつぶやきながら去っていく。また、志村けん、鳳啓助のモノマネをするシーンもあるなど、モノマネ芸人の栗田貫一ならではの「ルパンのモノマネ」がみられる。
ハッキリしたストーリーとララの人気で好評な作品の一つ。
この作品に登場する峰不二子とララの2人の女性キャラクターにはお色気シーンが用意されている。これ以降の作品では今作のような描写はなく、控えめなものになっている。
ルパン三世のアニメ化を一番最初に提案した杉井ギサブローの監督作品である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
ルパンも一目おくヨーローッパ暗黒街の重鎮ドン・ドルーネが、彼にトワイライトと呼ばれるダイヤを手渡す。数百億フランに相当する財宝の鍵となるダイヤを手に、ルパンはモロッコへ出発。かつてモロッコの砂漠では、ゲルト族の財宝を狙ったイコ族とイギリス商人により血が流されたという。これを口伝する現在のゲルト族は、街を管理するイコ族の警察からの弾圧を受けていた。現地でルパンは不二子と再会。一夜明け、彼女は街中で、ゲルト族のために戦ったフランス人の英雄ドルーネの肖像画を発見、その顔はルパンに酷似していた。一方、ルパンは、次元が発見した英雄ドルーネを知る老婆と接触。そこを殺し屋の貞千代に襲われた彼らは、ゲルト族の美少女ララに救われる。彼女は、現在のゲルトが平和的な独立を望む自分たちと、長老の息子をリーダーとする強行派のゲルト結社に分派したことを語る。銭形に続き、やがて当地の鎮圧にICPOのジャン・ピエール本部長も到着し、ルパン逮捕の包囲網が迫り、ララやその仲間達にも危険が・・・事件の背後にあるものは一体何なのか?
[編集] スタッフ
- 原作:モンキー・パンチ(中央公論社・双葉社刊)
- 監督:杉井ギサブロー
- 脚本:三井秀樹 杉井ギサブロー 東直也
- 音楽:根岸貴幸
- テーマ曲:大野雄二
- 監督補佐:はしもとなおと
- 総作画監督:江口摩吏介
- 撮影監督:長谷川肇
- 音楽監督:鈴木清司
- 録音監督:加藤敏
- 美術監督:宮野隆
- キャラクターデザイン:前田実
- メカニックデザイン:今掛勇
- 編集:鶴渕允寿
- プロデューサー:中谷敏夫 尾崎穏通 小沢十光
- 主題歌「月と太陽のめぐり」
- 挿入歌「遥かな風」
- 作詞/作曲:田上みほ
- 編曲:かわさきみれい
- 唄:久川綾
- オリジナルサウンドトラック:「ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密」
- 製作:キョクイチ東京ムービー・日本テレビ放送網
[編集] 声の出演
- ルパン三世:栗田貫一
- 次元大介:小林清志
- 峰不二子:増山江威子
- 石川五ェ門:井上真樹夫
- 銭形警部:納谷悟朗
- ララ:久川綾
- ドルーネ:森山周一郎
- ジャン・ピエール本部長:菅生隆之
- 貞千代:野沢那智
- モロッコ警察署長:藤本譲
- ブルトカリー巡査:北村弘一
- 長老:峰恵研
- 老婆:京田尚子
- 司祭:中田和宏
- ゾラ:金尾哲夫
- 店主:島香裕
- 車掌:星野充昭
- 女性捜査員:鈴木佳子
- 仮面の男:落合弘治