丸三鶴屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
丸三鶴屋(まるさんつるや)とは、北海道釧路市にかつて存在した日本の百貨店。
目次 |
[編集] 概要
- 旧本館
- 所在地:釧路市北大通5番地1
- 総床面積:5,607㎡(地上7階)
- 内訳:【1階】538㎡ 【2階~6階】各830㎡ 【7階】919㎡
- 丸三鶴屋閉店~2004年8月の期間は丸井今井旧釧路店旧大通館。閉鎖・売却。
- 旧新館
- 所在地:釧路市末広町4丁目2番地1
- 総床面積:約11,000㎡(地上6階、地下1階)
- 丸三鶴屋閉店~2006年8月の期間は丸井今井旧釧路店本館。閉鎖・売却交渉中。
- 旧事務館
- 総床面積:約4,000㎡(地上6階、地下1階)
- 丸三鶴屋閉店後~2006年8月の期間は丸井今井旧釧路店事務館。閉鎖・売却交渉中。
- 地下連絡通路
- 旧本館1階 - 旧新館地下1階 間
- 旧新館地下1階 - 旧事務館地下1階 間
-
- 内部関係者のみ利用可能だった。この地下連絡通路の存在を知らない市民は多い。
[編集] 沿革
- 1906年(明治39年) 前身にあたる呉服店(創業者は、同じく呉服店だった丸井今井札幌本店にて修行を積み、独立)が創業。
- 1930年(昭和5年) 百貨店・丸三鶴屋として北大通に開店。鉄筋コンクリート建築4階建て。
- 1945年(昭和20年)7月14日 米機の空襲を受け、全館焼失
- 1950年(昭和25年)12月 4階建ての社屋を再建
- 1956年(昭和31年) 本館に5階・6階部分を増築(その後7階部分を増築。詳細な時期は調査中)。
- 1968年(昭和43年) 新館(現丸井今井釧路店 本館) 開店(地上2階、地下1階)。
- それまでは赤提灯横丁が立地(新館着工前に現在地に移転)。
- 1976年(昭和51年)5月 新館(現丸井今井釧路店 本館)大幅増改築(2階建てより6階建てにフロア階数が増える)。
- 本館6階の食堂街直営店・テナント入居店の殆ど(「東家」蕎麦店は本館に残留)が新館6階に移転される。
- 1996年(平成8年)8月31日 閉店・百貨店経営廃業(殆どの従業員は丸井今井へ引き継がれる。丸井今井傘下の完全子会社化を経て、会社自体は以後も存続。事務館を含め建物不動産は以後も丸三鶴屋が所有し、親会社となった丸井今井に賃貸する形を取り続ける。土地所有権については、子会社化前の丸三鶴屋創業者一族が保有)。
[編集] 当時の主なフロア構成
[編集] 1930年~1945年
- 1937年、百貨店法制定。
- 本館
-
- 4階:
- 3階:
- 2階:
- 1階:
[編集] 1945年~1956年
- 米軍の空襲(それに伴う広範囲の延焼火災)により、内側が全焼。その後、焼け残った鉄筋・外壁を補修したうえで店内も修復・再建。
- 1947年、百貨店法廃止(参議院 第001回国会 商業委員会 第20号 議事録内容 代わりとなる法律は特に制定されず)。
- 本館
-
- 4階:
- 3階:
- 2階:
- 1階:
[編集] 1956年~1968年
- 1956年、第二次百貨店法施行。
- 後から継ぎ足す形で造られた本館5階以上の階フロアは、本館1階~4階と階段設置箇所が異なっていたのも、その為である。
- 本館
-
- 6階:
- 5階:
- 4階:
- 3階:
- 2階:
- 1階:
[編集] 1968年~1976年
- 本館1階と新館地下1階は、地下連絡通路で直結されている。
- この期間・時代を丸三鶴屋百貨店の(ひいては、十字街・北大通の)最盛期とみる市民は多い。
- 本館
-
- 屋上: 開放( ※ 詳細は調査中)
- 7階: 催し物会場
- 6階: 食堂街(直営の大食堂、スタンドバー、寿司屋、蕎麦屋(東家))
- 5階: 家具・調度品・装飾インテリア
- 4階: 玩具・時計・万年筆
- 3階: 台所用品
- 2階: AV関係の家電品・スポーツ用品
- 1階: 書籍(コミックス・雑誌のみ)・小中学生向け雑貨・祭事(クリスマスや正月など)向け売り場・回転寿司屋
- 新館
-
- 2階: 紳士服・女性向け洋服
- 1階: 化粧品・アクセサリー・傘
- 地下1階: 生鮮スーパー・酒屋・菓子店(全てテナント)・贈答品コーナー
[編集] 1976年~1980年
- 二年前の1974年、第二次百貨店法が廃止され、代わりに同法内容を大幅緩和した大規模小売店舗法(現在の大規模小売店舗立地法に相当)が制定・施行されている。1976年3月、国内大手百貨店 長崎屋が十字街(当時、釧路市内の主要百貨店が集中的に立地していた北大通の中核的商業地域)から1kmほど離れた釧路駅西地区に出店を果たす。
- 食堂街を新館(今日のファッション・ビルに近いコンセプトの店舗建物)に移転させた事により、本館にもたらしていた(家族客による)シャワー効果が消失し、相対的に存在感も低下した事は否めない。
- 本館
- 新館
-
- 6階: 食堂街(直営大食堂「オアシス」・寿司屋(寿司処 魚二))・屋上(開放)
- 5階: 男性向け洋服
- 4階: 男性向け洋服・紳士服
- 3階: 女性向け洋服
- 2階: 女性向け洋服
- 1階: 化粧品・アクセサリー・傘
- 地下1階: 生鮮スーパー・酒屋・菓子店(全てテナント)・贈答品コーナー・スタンド式軽食屋(焼きそば等)
[編集] 1980年以降(閉店となった1996年まで)
- 1980年代初頭、愛国地区での国内大手スーパー イトーヨーカドー出店・旧十条サービスセンター本店大幅増床工事・旧くしろ市民生協市内各店舗群の相次ぐ大型化に連動・対抗するかの様に、内装(主に本館)を改修。本館全階のエスカレーターを新品に換装(これは札幌市などの大都市に立地する大手百貨店のリニューアル工事でも着手を避ける程、結構な工期・工事費が掛かる)し、天井は当時流行りで現在も支持が大きいロフト倉庫風(排気管などを敢えて露出)のデザインを採り入れ、ネオンディスプレイや彫刻像(6階 書籍)を効果的に配置するなどしている(店舗面積の拡充については行わず)。
- 同改修工事の都合上、1階と6階以外はほぼ1年間ほどに渡り一時閉鎖され、更に折り悪く調度この時期、向かい付近に立地していた百貨店「ショッピング・ヤスモト」の閉店・裏方向に立地していた百貨店「オリエンタルプラザ」の百貨店業界離脱が重なった事で十字街全体の沈滞ムードに拍車を掛けてしまったともいえる。
- 1階で展開していた中高生向け雑貨店にしても、当時全国的に流行していたツッパリ・ブームに迎合する様な安っぽい(しかもどことなく暴力的なイメージを纏い漂わせた。ほどなく一大ムーブメントを引き起こした雑貨ショップ「クリーム・ソーダ」に全然及ばない中途半端さ、今日のカウンター・カルチャーを象徴するショップ「ヴィレッジ・ヴァンガード」の様な一種独特のスマートさも持ち合わさず)雑貨の品揃え中心であり、そこに入り浸る学生や店舗の澱んだ雰囲気に共感出来ず忌避する社会人の若者など、客足を遠ざけてしまった。
- 本館
-
- 屋上: 閉鎖(防護柵も撤去)
- 7階: 蕎麦屋(東家、1981年に6階から7階へ移る)・パソコンショップ(1987年頃、ゲームソフト中心でほぼ固定化された購買客層・低年齢化を鑑み、本館4階 玩具売り場 TVゲームソフトコーナー隣接フロアに移転)・中古高級家具屋・催し物会場・文化教室
- 6階: 書籍(1階にあったコミックス・雑誌売り場も統合)
- 天井の一部(エスカレーター隣接付近)を吹き抜け化(丸井今井化の際、再び元の天井のみに戻される)。
- 5階: 家具・調度品・装飾インテリア
- 4階: 玩具・時計・万年筆
- 3階: AV関係やデザイン家電中心の家電品・中古レコードショップ(1983年頃、業態を若干変更し、本館7階へ移転)
- 2階: スポーツ用品
- 1階: 中高生向け雑貨・軽食喫茶・レコードショップ・輸入装飾雑貨(旧回転寿司屋跡)
- 新館
-
- 6階: 食堂街(直営大食堂「オアシス」・寿司屋(寿司処 魚二))・屋上(一時期、開放)
- 5階: 男性向け洋服
- 4階: 男性向け洋服・紳士服
- 3階: 女性向け洋服
- 2階: 女性向け洋服
- 1階: 化粧品・アクセサリー・傘
- 地下1階: 生鮮スーパー・酒屋・菓子店(全てテナント)・贈答品コーナー・スタンド式軽食屋(焼きそば等)
[編集] 入居していたテナント
- モロゾフ
- ユーハイム
- 六花亭
- 東家(現 東家文苑店)
- 寿司処 魚二(1976年に新館食堂街へ支店をテナント入居。丸井今井引継ぎ後も引き続き入居・営業)
- アラジンのランプ(中古レコードショップ・骨董品屋)
- レコード・ショップ国原
- サンリオショップ
[編集] 主な催し物
- 1976年(昭和56年) アメリカ建国200年展(本館7階)
[編集] その他
- 北大通が3車線化されるまでは、現歩道の一部にせり出す様な間取りのフロアが本館一部階に存在していた。車道拡張に伴い、撤去工事される。
- 1970年年代までは、本館屋上を一般客に開放。新館屋上(新館食堂街と同じ階に、ガラス戸出入口・壁に隔てられる形で存在)は、食堂街フロアが移転オープンした数年の間、開放され、現在(丸井今井釧路店本館)は通常施錠されたままになっている。
- 丸井今井化されるまでテナント入居していた「アラジンのランプ」については、本館3階時代と本館7階時代とで、取り扱い商品・購買客層・店構えが大きく異なる。
-
- 本館3階時代(1980年~1983年頃): 9割以上が洋楽の中古レコード・ショップ。客層は主に中高生・若い社会人・昨今流行言葉になっている「ちょいワル親父」風のお洒落な中高年など。平日夕方や休日は混雑。常連客もかなり存在。
-
- 本館7階時代(1983年頃~1996年): 殆どが邦楽(懐かしい女性アイドルスター等が中心)の中古レコードショップ(移転前に処分してしまったのか、洋楽レコード在庫は皆無に近い状態。邦楽レコード在庫の方も枚数はさほど揃えていない) 兼 骨董品屋 兼 古着屋(中高年女性向け) 兼 古本屋(主に幼児・小学生向け)。いつも閑散。
[編集] 関連用語
- 日本の百貨店
- オリエンタル・デパート
- くしろデパート
- 丸ト北村
- くしろ港町ビール
- 釧路商工会議所
- 釧路TMO
- 釧路ガス
- 釧路市肢体不自由児者父母の会
- 両角茂
- 両角靖二
- 両角祐三
- 両角幹彦
- インディゴ
- いわぶち鉄男 ※元社員。後に独立・起業し、地元政界にも進出。
[編集] 外部リンク
- 釧路江南同窓会 昔し懐かしこの一枚
- デジタルアーカイブス(Tomato system CG image world)
- 釧路思い出話
- 薄氷堂雑録
- みんなのアルバム(丹頂ネット)
- 丸井今井釧路店HP
- 釧路新聞
- 北海道新聞
- KUSHIRO TMO(くしろ街づくり支援センター)
- デパート(デパ地下)ランキング
- 週刊 じゅう箱のスミ
- 北海道観光研究所 北杜の窓
- えるみれ
- ごたまぜの引き出し
- かりんのひとりごと
- 佳日吹寄(かじつふきよせ)
- 薔薇・ばら・バラ
- こし抜け武士のひとりごと
- 一緒にダンスしませんか
- 釧路YANでるホームセンター