乗鞍岳
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乗鞍岳(のりくらだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)の南部にあって剣ヶ峰(標高3026m)を主峰とする山々の総称。剣ヶ峰の他に、朝日岳、摩利支天岳、富士見岳、屏風岳など23の山がある。日本百名山の一つ。岐阜県と長野県にまたがっており、長野県側のふもとには乗鞍高原が広がっている。名称は、姿が馬の鞍に似ている事から名付けられた。
日本の分水嶺が剣ヶ峰を通っており、分水嶺の最高所となっている。
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[編集] 自然
日本の火山としては富士山、御嶽山に次ぐ高さである。大規模は成層火山。裾野が広いのが特徴で、8つの平原がある。多くの火山湖や池があり、火口付近の権現池は日本有数の標高にある池として有名である。(火山体のほとんどは古期火山体で新期の火山体は山頂付近に分布する火山体や山腹に分布する溶岩流。)
イワヒバリやイワツバメ,天然記念物に指定されているライチョウが生息するほか、コイワカガミ、キバナシャクナゲ、ミヤマキンバイ、クロユリ、イワギキョウ、ヨツバシオガマなどの植物が見られ、高山ならではの自然を堪能する事ができる。
[編集] 乗鞍岳の峰々
- 剣ヶ峰(けんがみね)・・・乗鞍岳の主峰 権現池火山体の外輪山 3026m
- 大日岳(だいにちだけ)・・・権現池火山体の外輪山 奥ノ院 3014m
- 屏風岳(びょうぶだけ)・・・権現池火山体の外輪山 2968m
- 薬師岳(やくしだけ)・・・権現池火山体の外輪山
- 雪山岳(せつざんだけ)・・・権現池火山体の外輪山 2891m
- 水分岳(みくまりだけ)・・・権現池火山体の外輪山 2896m
- 朝日岳(あさひだけ)・・・権現池火山体の外輪山 2975m
- 蚕玉岳(こだまだけ)・・・権現池火山体の外輪山 2979m
- 摩利支天岳(まりしてんだけ)・・・コロナ観測所設置 2872m
- 不動岳(ふどうだけ)・・・2875m
- 里見岳(さとみだけ)・・・2824m
- 富士見岳(ふじみだけ)・・・2817m
- 恵比寿岳(えびすだけ)・・・2831m
- 魔王岳(まおうだけ)・・・2760m
- 大黒岳(だいこくだけ)・・・2772m
- 大丹生岳(おおにゅうだけ)・・・2698m
- 烏帽子岳(えぼしだけ)・・・2692m
- 四ツ岳(よつだけ)・・・2751m
- 猫岳(ねこだけ)・・・2581m
- 大崩山(おおくえやま)・・・2523m
- 硫黄岳(いおうだけ)・・・2554m
- 十石山(じゅっこくやま)・・・2525m
- 安房山(あぼうさん)・・・2220m
以上は、乗鞍23峰と言われている。
[編集] 交通
2700m付近にある駐車場(畳平)まで乗鞍スカイライン(岐阜県側)や乗鞍エコーライン(長野県側)といった自動車道が通じていることもあり、「日本で最も登りやすい3000m超級の山」とも称される。しかし自家用車で畳平の駐車場まで乗り入れのできた以前とは異なり、2003年以降は自然保護や交通渋滞解消の観点よりマイカー規制が行われるようになった。2006年現在に至るまで、麓にある駐車場に自家用車を停め、シャトルバス若しくはタクシーを使う状態が続いている。
なお、マイカー規制を機に整備を始めた平湯温泉からの登山道が2005年夏に完成した。以前は、平湯大滝から谷沿いの登山道があったが、途中崩落のため通行禁止になっていた。新しい登山道は、平湯温泉スキー場から尾根伝いに桔梗ヶ原までの9.6kmで、登り5時間、下り3時間半を要する。これで、登りは登山道を歩き、下りはバスといったことが可能になった。
[編集] マイカー規制
山麓の駐車場からシャトルバスかタクシーに乗り換え
- 岐阜県側
- 乗鞍スカイラインの平湯峠ゲートより上部
- 乗換駐車場:アカンダナ駐車場(平湯温泉)、朴の木平駐車場
- 乗鞍スカイラインの平湯峠ゲートより上部
- 長野県側
- 乗鞍エコーラインの三本滝ゲートより上部
- 乗換駐車場:乗鞍高原内の第1駐車場、第2駐車場、第3駐車場、三本滝駐車場
- 乗鞍エコーラインの三本滝ゲートより上部
[編集] 山岳エリアの宿
[編集] 山小屋
登山者用の山小屋
- 乗鞍肩ノ小屋
- 白雲荘
[編集] 旅館
畳平には、一般客も泊まることができる旅館タイプの宿もある。
- 乗鞍山頂銀嶺荘
- 乗鞍岳山頂乗鞍山荘
- 白雲荘
[編集] イベント
- 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍
毎年8月の最終日曜に開催される自転車ヒルクライムレース。乗鞍エコーラインの鈴蘭から長野・岐阜県境までの区間、全長約20km、標高差約1260m(大会主催者側の公称値はそれぞれ22km、1400m)のコースをひたすら登り続ける。1986年から実施されており2005年大会で実に20回目を数える、日本のヒルクライムレースの草分け的存在である。最近の自転車人気の復活も手伝ってか近年の参加者数は3000名を大きく超える規模となっている。大きくロードレーサーの部とマウンテンバイクの部に分かれており、さらに男女別、年齢別などで細かくクラス分けされるが、前回の大会で1時間20分以内の記録を出した者のみがエントリーできる「チャンピオンクラス」は年齢・性別問わず、全国の強豪「ノリクライマー」達による真剣勝負が繰り広げられる。チャンピオンクラスのコースレコードは55分台である。一方、タイムそっちのけで観客を楽しませることだけを狙った(?)、サルの着ぐるみや女子高生(中身は男性)などコスプレライダー(これが結構速い)が多いことでも知られる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 国土地理院 地図閲覧システム 2万5千分1地形図名:乗鞍岳(南西)
- (財)日本サイクリング協会 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍 公式サイト
- 乗鞍高原からの乗鞍岳ライブカメラ【環境省・インターネット自然研究所】
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